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(質問)
○15番(永易英寿)(登壇) 次に、放課後の学習支援の充実についてお伺いいたします。
新居浜市では、平日は就労等により昼間家庭に保護者がいない小学校1年生から3年生までの児童を対象として、適切な遊び及び生活の場を与え児童の健全な育成を図るため、市内17カ所に放課後児童クラブを開設しています。長期休みについては、4年生まで受け入れを行っています。また、小学4年生から6年生の受け入れについては、放課後活動の受け皿になり、学力向上にもつなげようと放課後まなび塾を実施しており、現在8カ所で開設しており、市内各校区に順次設置しています。社会福祉法人では、6年生までの預かりを実施している放課後児童クラブもありますが、私は小中学生の放課後の学力向上に向けた事業としてはまだまだ整備不足だと思っております。また、近年は、放課後児童クラブや放課後子ども教室は、登録児童数の増加により開設する場所や指導員の確保等に苦慮していることと思われます。
そこで、提案です。
学力向上と指導員確保には、民間事業者の活用が必要だと思います。他県にも連携がありますが、愛媛県内では宇和島市が今年度から小中学生を対象とした課外学習支援の一環としてうわじま土曜塾を民間事業者と運営委託を締結して開講しています。宇和島市内5カ所で169名が受講登録しています。小中学生の課外学習を民間事業者に委託して、民間のノウハウによって学力向上を図る取り組みは必要です。文部科学省では、土曜日の教育活動推進プランを打ち出しております。それを実現するには、公教育と塾等との連携が必要だと思います。新居浜市の小中学生の放課後及び土曜日の教育活動支援、学力向上においては、積極的に民間事業者の活用を行うべきだと思います。
そこで、数点お聞きいたします。
1点目は、今後の放課後児童クラブと放課後子ども教室の一体化を含めた運営のあり方、方向性はいかがでしょうか。
2点目は、今後の学力向上に向けた学習支援をお聞きします。放課後児童クラブや放課後子ども教室で学力向上を図る上で、学校や授業の復習やおくれを取り戻す救済、または補習型を目指すのか、学力を集中的に向上させる進学型にも対応していくのか、どちらでしょうか。
3点目は、民間事業者との連携です。質の高い教科指導を求めて、塾に行きたくても経済的に行けない場合があります。格差是正、学びの場の平等は必要だと思います。大阪市では、塾代助成事業を行ったり、南房総市では、小学生の習い事に対する補助事業を行ったり、各市町においては策を凝らした教育環境整備が実施されています。新居浜市でも、民間事業者と連携してはいかがでしょうか。
4点目は、来年度から別子中学校に寄宿舎ができますが、放課後の学習支援についてはいかがお考えでしょうか。塾等に通うのは地理的に困難ですが、例えば通信教育等をお考えか、お聞きいたします。
(教育長答弁)
○教育長(関福生)(登壇) 放課後の学習支援の充実についてお答えいたします。
まず、今後の放課後児童クラブと放課後子ども教室の一体化を含めた運営のあり方、方向性についてでございます。
本年4月から、学校教育課に地域学校協働係を設置し、放課後児童クラブ、放課後まなび塾、放課後子ども教室の担当を一本化し、放課後対策事業の一体的な運営を推進しているところでございます。保護者の就労支援のため、また子供たちの生活の場として開設している放課後児童クラブと、地域住民や民間事業者との連携協働による多様な学習体験活動を実施する放課後子ども教室を一体的、または連携して実施することにより、全ての子供たちの放課後における学習体験活動の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、今後の学力向上に向けた学習支援についてでございます。
放課後まなび塾は、学習支援員が宿題などの自主学習をサポートし、学習習慣の定着を図るとともに、基礎的な学力の習得を目的として実施いたしております。今後は、タブレット等のICTを活用した効果的な手法も検討し、児童一人一人の学習の進捗状況に合わせた学習支援に対応できるような救済・補習型の学習支援として引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、民間事業者との連携についてでございます。
現在、放課後まなび塾は、学習習慣の定着や基礎的な学力の習得を目的に実施しておりますが、経済的な理由や家庭の事情などにより、家庭での学習が困難な児童でも利用可能とするため、無料で実施いたしております。まなび塾での指導に当たっては、学校の教職員と学習支援員が情報を共有することで、継続的な生活指導やきめ細かい学習指導につながると考えており、民間事業者との連携につきましては、宇和島市での先行事例や全国レベルの実証研究の成果を踏まえ、今後検討してまいりたいと考えております。
次に、別子中学校における放課後の学習支援についてでございます。
来年度には別子中学校に寄宿舎を整備し、全寮制の中学校としての取り組みを進める予定でございます。別子中学校は、英語や数学などを重視したグローバル・ジュニア・ハイスクールとして、1日7時間目までの授業と部活動を実施することから、寄宿舎に戻ってからの時間活用につきましては、生徒の自主的な学習、生活の時間として考えてまいりたいと現状では考えております。