議員氏名
永易英寿
本会議年
平成29年
定例会月
6月
内容
(質問)
○次に、最低制限価格制度の対象範囲拡大についてお伺いいたします。
新居浜市では、建設工事の入札において、過度の競争によるダンピングの防止と建設業者の健全経営のため、新居浜市が発注する建設工事予定価格5,000万円未満の案件について最低制限価格制度を適用しています。ダンピング受注は、工事の手抜き、下請業者へのしわ寄せ、公共工事に従事する者の賃金その他の労働条件の悪化、安全対策の不徹底などにつながりやすく、ひいては建設業の若年入職者の減少の原因となるなど、建設工事の担い手の育成及び確保を困難とし、建設業の健全な発展を阻害するおそれがあります。新居浜市の建設業組合も、ピーク時は120社所属していましたが、現在は51社に減少しています。国では、平成26年6月に改正された公共工事の品質確保の促進に関する法律において、現在及び将来の公共工事の品質確保とその担い手の中長期的な育成・確保を図るため、発注者の責務として、低入札価格調査基準、または最低制限価格の設定、その他の必要な措置を講ずることが明記されました。新居浜市においても、今後生ずるおそれがあるダンピング受注を排除するための最低制限価格制度の対象拡大を図る必要があると思います。例えば、建設工事の予定価格5,000万円未満を段階的に引き上げていくお考えはありますでしょうか。仮に低入札となった場合は、適正な工事が施工可能かどうか疑義が生じるため、入札者の積算根拠等について調査を行います。愛媛県の場合は、調査によりほぼ失格になり、新居浜市の場合は調査が通るといったようなことをお聞きいたします。落札率の低下により生じた入札差金を新たな事業に振り向けるほうが市民の利益につながるとの意見もありますが、適正単価、適正価格で直に地元企業に発注するほうが、雇用や地域経済に与える効果が大きくなります。特に、建設工事においては、下請や資材調達など、さまざまな事業者とかかわりがあることから、地域経済への影響が大きいばかりでなく、地元業者への支援、育成を行うことにより、災害時の応急対応など市民生活の安全、安心の確保につながります。最低制限価格制度の対象範囲拡大に関して御所見をお伺いいたします。
(副市長答弁)
○次に、最低制限価格制度の対象範囲拡大についてでございます。
本市では、低入札の急増に対処するため、平成23年1月から予定価格3,000万円以下の工事を対象とする最低制限価格制度を導入し、その後平成25年4月から対象範囲を予定価格5,000万円未満に拡大いたしました。本市の建設工事の低入札による落札状況でございますが、平成22年度の107件をピークに大きく減少し、ここ3年間は年間3件から7件で推移をいたしております。また、予定価格5,000万円以上の工事を対象とする低入札価格調査制度につきましても、調査基準価格の算定式や失格基準につきまして改正を重ねてまいりました。その結果、低入札による平均落札率は、最低制限価格制度導入前の平成21年度76.8%から平成28年度80.2%と改善されております。永易議員さん御指摘のとおり、ダンピング受注は、公共工事、ひいては地域経済にさまざまな悪影響を及ぼすおそれがありますので、常に落札状況を注視しながら、入札差金の確保に固執せず、必要に応じて最低制限価格制度の対象範囲拡大を検討してまいりたいと考えております。