議員氏名
永易英寿
本会議年
令和元年
定例会月
6月
内容
(質問)
○次に、放課後児童クラブの昼食提供についてお伺いいたします。
平成30年9月議会においても質問させていただきましたが、奈良市は夏休みなど学校の長期休暇中に昼食を提供する事業を昨年度夏休みより開始しています。平成30年9月の答弁では、前教育長から、「今後利用者の意見を十分に聴取し、保護者の実態に寄り添う。新しい選択も含めて議論していかなければと考えている。」とお答えをいただきましたが、今後アンケートなどの実施の予定はいかがでしょうか。
奈良市が昼食提供に踏み切った背景は、保護者が学童保育所における食事提供を切望し、奈良市学童保育連絡協議会と話し合いを重ね、平成29年9月に要望書が提出され、平成30年3月に陳情書が定例会に提出されました。理由としては、家庭の事情でお弁当が持参できず、コンビニで菓子パンやお弁当を買って持参する子供が存在すること、父子家庭の増加により弁当を用意するのが難しい家庭もあります。また、奈良市に出された陳情書によると、学童保育は冷房があるが、衛生的な問題で保護者は不安を抱えているため、昼食提供に踏み切ったということです。例えば、朝7時につくった弁当を子供に持たせ、子供が歩いて登校すると考えると、保冷剤を入れたとしても、冷房があったとしても、28度前後の部屋では衛生面への不安は拭えません。市販の手づくり弁当などには、必ず衛生安全上、2時間以内にお召し上がりくださいと表記されております。
ほかに奈良市が昼食提供に踏み切った背景は、共働き世帯が増加し、仕事上の負担は父親、母親でも変わらない状態となっていること、多忙で数時間しか寝れない保護者も多い中、長期休暇中はさらに早朝からのお弁当づくりが連日となり、保護者にとって負担が大きいことが背景であるということです。睡眠時間が十分確保でき、保護者に余裕が生まれたほうが、少子化対策や子育て支援になると思いますが、いかがでしょうか。
今月7日にわかったことですが、2018年の合計特殊出生率が1.42であり、3年連続で減であったことが厚生労働省の人口動態統計でわかりました。仕事等の環境を考慮し、第2子以降の出産をためらう第2子の壁という言葉がありますが、新居浜市として率先して働く保護者を応援していただきたいと思います。新居浜市は、有効求人倍率が高く、平成31年4月のハローワーク新居浜の有効求人倍率は2.03となっており、県内でもトップであります。高水準が続き、人手不足が慢性化しておりますが、女性の社会進出の後押しになる施策を推進していただきたいところです。先ほどの奈良市の例では、昨年の夏休み期間中の利用率は74.4%で、利用した保護者のうち、満足、やや満足は合わせて68.1%であったとの回答結果だったということです。保護者からは、全国で初の試みとのこと、とてもありがたい、大変助かった、他の自治体のお母さんからはうらやましがられているなど好評な意見が寄せられているということです。
奈良市だけではなく、働く保護者を応援する取り組みが広がっております。葛飾区では、昨年より夏休みの学童保育クラブにスマホで注文できる弁当サービスを導入しました。これは、スマートフォンやパソコンから個人が個別に注文でき、前日17時までの注文で、キャンセルも前日17時まで受け付け可能ということです。配達される弁当には、商品名や注文した個人名のラベルシールが張られ、取り間違いも起きない工夫がされています。
このように、多忙な学童の先生に手間をかけない方法がさまざま考えられます。お弁当は、確かに親子のコミュニケーションですが、保護者も病気で入院したとき、残業続きで買い物にも行けないときなど、お弁当以外の選択肢があることが大切だと思いますが、いかがでしょうか。
(教育長答弁)
○教育長(高橋良光)(登壇) 放課後児童クラブの昼食提供についてお答えいたします。
本市の放課後児童クラブは、今年度から新たに受け入れ対象を6年生まで拡大し、高学年も含めた発達段階に応じた健全育成の体制整備を進めているところでございます。市による昼食提供について、現時点では葛飾区のような弁当を注文できるシステムがないこと、現場での業務増加に伴う人手不足、食物アレルギーを持つ児童への配慮といった安全性の問題等を考慮すると、昼食の提供は難しいものと考えております。しかしながら、保護者の皆様の御意見をお聞きすることは重要でございますことから、現場の指導員の意見も参考にしながら、検討してまいりたいと思っております。
次に、少子化対策や子育て支援になるのではという点やお弁当以外の選択肢があることが大切ではないかという点につきましても、先ほど申し上げましたように、昼食の提供が難しいという実情から、現時点での対応は難しいと考えております。今後におきましても、放課後児童クラブの充実に向けて、永易議員さんに御案内いただいた他市の事例や動向等も注視しながら、総合的な視点から児童の健全育成に取り組んでまいります。
(再質問)
○17番(永易英寿)(登壇) 要望になりますが、他の自治体も奈良市や葛飾区に続いて今後昼食提供をしていくと思われます。実際、学童を民間委託している自治体では、昼食提供している自治体はかなり多いのが現状であります。新居浜市も乗りおくれないように、他の先進地を参考に、放課後児童クラブ指導員の負担にならないよう考え、早期に昼食提供実現をしていただきたいと思います。そして、さらに新居浜市が産んでよし、育ててよし、働いてよしの環境になるよう、期待しております。