議員氏名
永易英寿
本会議年
令和元年
定例会月
9月
内容
(質問)
○17番(永易英寿)(登壇) 次に、RPA等のICT利活用についてお伺いいたします。
まず、ICTによる働き方改革についてお伺いいたします。
新居浜市では、保育職場のICT化でタブレットを導入し、保育士の負担軽減や書類の簡素化を図っておられるということです。登園、降園の確認などもタブレットで情報共有しておられるそうですが、その評価と、今後どのような分野でICTによる働き方改革に取り組まれる計画でしょうか。
次に、テレワークについて質問いたします。
テレワークとは、tele、離れたところと、work、働くを合わせた造語で、子育てや介護などで定時就労ができない方もテレワークによって働くことができ、理想としては民間も行政も含めた社会にテレワークが普及していくことですが、その実現のためにも、行政がテレワーク導入の先鞭をつけていただきたいと思いますが、新居浜市がテレワークを取り入れる可能性についてお聞かせください。
時と場所を選ばず仕事ができるICTを利用した取り組みです。教育分野におけるテレワーク活用事例としては、西条市が平成28年4月から、小中学校職員を対象にテレワーク導入を開始しました。教職員の多忙化の解消が急務であり、ワーク・ライフ・バランス確立のため、個人所有パソコンを用い、時間や場所を選ばない安全な持ち帰り公務、テレワークが実現しました。令和元年7月現在では、職員の63.3%が利用しており、育児や介護の両立のため、なくてはならないものとなっているとのことです。テレワーク導入後、子供たちの学力向上、校務の省力化、教職員の満足度向上などの成果が見られるということですが、新居浜市では、教育分野に限らずですが、テレワーク導入予定はありますでしょうか。
また、RPAに関してですが、松山市は市内の中小企業の人手不足を総合的に支援するため、ことし4月にNTTデータなどとRPA先進都市まつやまの実現に向けた連携協定を締結しています。デスクワークを効率化、自動化するRPA技術の導入は、近い将来、当たり前の時代がすぐそこに来ています。人工知能などを活用したソフトウエアロボットによりパソコンのデータ入力などの定型業務を効率化、自動化するもので、企業は生産性を高めることで人手不足の解消に期待を寄せております。もちろん行政業務においても効果を発揮いたします。職員の負担軽減や市民の皆様にも既存の書類の軽減化が図られ、効果効率的になることでしょう。新居浜市のRPA導入に向けた取り組みはいかがでしょうか、お聞かせください。
次に、ICTを活用したイノシシ等鳥獣の捕獲について質問いたします。
長野県塩尻市では、地域の情報を効率的に収集、配信するための行政専用クラウドネットワークを導入しています。塩尻市内に設置したさまざまなセンサーから収集した情報を効率的、効果的に地域住民等に配信する仕組みを構築し、鳥獣被害の軽減や住民の安心、安全の向上に大きく貢献しています。鳥獣出没や見守り、河川の水位状況など、地域の安全、安心にかかわる情報を収集・配信可能とするクラウドシステムを構築しており、イノシシ等を対象とした鳥獣被害対策システムの導入により被害が劇的に改善しております。水田周辺にけもの検知センサーやわな捕獲センサーを設置し、検知情報を地元農家や猟友会にメールで配信し、鳥獣の迅速な追い込みや捕獲等に寄与しております。
近隣では、今治市がスマートフォンで遠隔操作するタイプの大型わなをことし4月に設置し、先月までで40頭以上を捕獲する成果が上がっております。新居浜市において鳥獣の駆除は現在猟友会に多くを頼っておりますが、ICTを活用した地域ぐるみでのイノシシ等の被害対策導入についてお伺いいたします。
次に、新居浜市はものづくりのまちです。市内のものづくりを支える企業に対し、行政が率先してICTの力で現場力を応援しなければなりませんが、他市町に先駆けてのICT戦略・政策などはありますでしょうか、お聞かせください。
(市長答弁)
○市長(石川勝行)(登壇) RPA等のICT利活用についてお答えをいたします。
まず、RPA導入に向けた取り組みについてでございます。
現在、全国の自治体において最新のICTを活用したさまざまな取り組みが進められており、その一つとしてRPAについても実証実験等が行われているところでございます。
RPA等の導入を進めている自治体からは、職員の作業時間の削減が図られたといった報告がなされており、今後、RPAが職員のかわりとなり、業務の一部を代行することが可能になれば、職員の多様な働き方改革の支援として、また将来の労働力不足が指摘される中、定型作業を自動化することで職員負担の軽減と限られたマンパワーをより付加価値の高い業務にシフトすることが可能になるなど、RPA導入等ICTの利活用は非常に効果的であり、今後、導入について取り組みを進める必要があると認識をいたしております。
また、RPAの導入には多額の経費を要する場合もございますことから、費用対効果の面から十分な検証も必要であると考えております。
このような中、本市におきましても、昨年からRPAに関する調査研究に着手しており、現在、RPAによる業務効率化、自動化を全庁的に推進していくため、RPA活用の可能性がある作業の洗い出し調査を進めているところでございます。
今後、調査結果について精査を行い、RPA導入の効果が十分に見込まれる業務については、全国の先進事例も調査研究を行い、費用対効果も考慮した最適な業務自動化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、ものづくりを支える企業に対するICT戦略・政策についてでございます。
政府におきましては、昨年6月に発表した未来投資戦略2018において、ICT導入による生産性向上の観点から、2020年までの3年間で全中小企業・小規模事業者の約3割に当たる約100万社のITツール導入促進を目指すという目標を掲げ、ものづくり補助金やIT導入補助金などの支援により企業へのICT導入を推進しているところでございます。
このような中で、ICT活用に関連したIoT導入の事業として、今年度、経済産業省の平成31年度地域中核企業ローカルイノベーション支援事業で新居浜地域がモデル地域として選定され、現在、新居浜機械産業協同組合と連携し、ものづくり企業に対し、IoT導入に関するニーズ調査を行っているところでございます。今後、IoT導入希望企業に企業の状況に応じた伴走型支援を行う予定となっております。
また、市の事業といたしましては、9月18日にものづくり企業を対象とし、人工知能技術に関するAI・IoT推進セミナーを実施する予定でございます。
今後におきましても、ICT活用に関するセミナーを開催するとともに、関係機関と連携を図りながら、企業ニーズを踏まえ、ものづくり企業のICT活用につながる制度を検討してまいります。
(総務部長答弁)
○総務部長(園部省二)(登壇) ICTによる働き方改革についてお答えいたします。
まず、今後のICTによる働き方改革の計画についてでございますが、多くの自治体で取り組んでおりますRPAを活用した作業自動化について、本市におきましても全庁的に推進していくこととしており、現在、RPA導入の効果が見込める分野や業務について、各課所へ調査を実施しているところでございます。
今後、RPAの導入による業務自動化を推進することにより、長時間労働を是正するなどして働き方改革を推進してまいりたいと考えております。
次に、テレワークの導入予定についてでございますが、国や県などとは違い、市の職員の多くは住民の皆様と直接対応することを前提とする業務が大半であることや、一般的な来客、電話等、窓口対応が重要でありますことから、テレワークを実施できる部署はかなり限定されるものと認識しております。
また、テレワークを推進するためには、テレワークで働く職員の情報セキュリティーの確保に対する懸念や、職員の労務管理が難しい、またテレワークを行う職員と職場のコミュニケーションが難しい等多くの課題もございますが、他市町の今後の導入状況や情報技術等社会環境の変化を注視しながら、将来的な展望に立った働き方改革に取り組んでまいります。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 保育職場のICT化についてお答えいたします。
平成28年度に私立保育所6園が国の補助事業を利用いたしまして、保育士の負担軽減を図るため、タブレット端末を含む保育支援システムを導入いたしました。
保育支援システムを導入した私立保育園にお伺いしたところ、手書きのため時間がかかっていた作業が、システムを活用することによって簡単に短時間にできるようになったとの回答があり、保育支援システムの導入は保育士の負担軽減に有効であると評価しております。
(経済部長答弁)
○経済部長(赤尾禎司)(登壇) ICTを活用したイノシシ等鳥獣の捕獲についてお答えいたします。
本市における鳥獣による農作物被害対策といたしましては、まずは被害の多い地域内の農業者の方に対し、耕作放棄地を含めた農地の草刈りや放任果実や作物の残渣の撤去による環境改善をお願いし、その上で、市単独事業として各個人の方に鳥獣による侵入防止用の電気柵やワイヤーメッシュ柵等の購入補助とニホンザル追い払い用煙火等の配布を行っているところでございます。
また、これらの取り組みとあわせ、被害をより軽減する手段としまして、市内猟友会によるイノシシ等の捕獲を行っており、昨年度の捕獲実績はイノシシ294頭、ニホンザル14頭、ニホンジカ274頭の計582頭となっております。
永易議員さん御提案の他市の事例のとおり、ICT機器を活用した鳥獣等の捕獲は次世代型鳥獣対策として見張り等の人的負担の軽減、大型わなによる多頭捕獲を可能とする等の高い効果があると認識しております。
しかしながら、その導入に際しましては、多額の導入費用や運用費用が必要となるほか、地元農家や猟友会、企業、自治体が一丸となった推進協力体制が重要でありますことから、今後におきましては、国、県の動向、他市町村の先進事例を参考にしながら調査研究してまいります。
(再質問)
○17番(永易英寿)(登壇) 鳥獣対策によるICTの活用ですが、現在、地元の方や猟友会の方が非常に頑張っておられて成果が上がっておりますが、猟友会の方々も高齢化の進行等もありますし、体力的な限界を感じる時期もあって、なかなか新規の猟友会のメンバーもそうふえてはないと思いますが、今後の見通しとしては何か調査研究を具体的にされること等ありますでしょうか。
(経済部長答弁)
○経済部長(赤尾禎司)(登壇) 永易議員さんの再質問にお答えいたします。
猟友会の高齢化等に伴いまして、ICT化をどういうふうに進めていくかという見通しということのお尋ねだと思うんですけども、市内の猟友会の方の会員数につきましては、今年度85名で、昨年よりは3名の方がふえてはおります。
しかしながら、先ほど永易議員さん御指摘のとおり、高齢化とかがどんどん進行していきますので、猟友会による捕獲というのは多くは期待することが難しいと考えております。
市といたしましては、このICTを活用した捕獲につきましては、先ほど答弁で申し上げましたとおり、地元農家の方とか、地域の方の理解も必要だと考えておりますので、まずどこかモデル地域を選定しまして、その地域の方の理解を得ながらICT化の事業を検討していきたいなというふうに考えております。