議員氏名
永易英寿
本会議年
令和3年
定例会月
6月
内容
(質問)
○17番(永易英寿)(登壇) 次に、新居浜の郷土史づくりについてお伺いいたします。
コロナ禍による外出自粛により、地元で過ごす時間が多くなった今こそ、新居浜市の魅力を再発見する好機であります。昨年度は、ハマモンクエスト、にいはま昔ばなしRPG周遊事業や親子で楽しむ戦国郷土史、天正の陣と戦国四国物語展の事業が開催され、好評のうちに終了いたしました。天正の陣と戦国四国物語展では、郷土の猛将金子元宅にまつわる展示、市内初公開の刀や城郭模型、合戦イラストパネルなどの展示に加え、クイズコーナーや戦国武将に変身できるパネルもあり、子供たちの真剣なまなざしが今でも脳裏によぎります。
さて、昨年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で脚光を浴びた明智光秀ですが、大河ドラマ以降、イメージが好転し、裏切り物という回答が減り、良君とする人が増えたという京都府福知山市によるインターネット調査結果が今年3月に発表されました。最近の研究では、2014年に発見された石谷家文書により、本能寺の変四国説が注目を浴び、この説は、光秀が織田信長による四国遠征軍を止めるために本能寺の変を起こしたというものです。明智光秀の親戚と思われる明智家が、本能寺の変後、土佐の大名長宗我部元親を頼って逃げ、その後新居浜の金子備後守元宅が保護したと伝えられ、慈眼寺には丸にキキョウ紋が残るなど、新居浜市と明智光秀の縁も感じます。新居浜の領民を守ろうとし、死を覚悟で戦った新居浜の武将金子元宅は、3万の敵兵に対し2,000で迎え撃ったとも言われております。戦国ブームの昨今、岩手県では、戦国武将を生かした地域おこしプロジェクトの例があり、武将の生きざまをPRし、地域の魅力を発信するため、行政や民間団体が歴史ブランディングとしてのイベントやシンポジウム開催、漫画を作成し、小中学生にも分かりやすくするなど、自治体プロモーションを行っております。昨年、新居浜文化協会創立70周年記念番組「郷土文化の歩み」が放映されましたが、新居浜郷土史談会の吉本会長が、別子銅山以前の歴史もひもといていくことが、新居浜市の発展につながると熱弁されているのに感銘を受けました。天正の陣の歴史を再認識し、天正の陣と金子元宅あるいは本能寺の変や明智光秀との歴史をより掘り起こし、次世代を担う小中学生にも読みやすく、分かりやすい形で、市民に親しんでもらえる郷土史づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。
今年6月1日には、(資料を示す)この新居浜市の歴史が刊行され、コラムや貴重な写真を取り入れ、大変興味深く読ませていただいております。このような地域の魅力を再発見し、地域の愛着を向上させる施策に今まで以上に力を入れて取り組んでいただきたいと思います。新居浜市には別子銅山や多喜浜塩田に関する偉人も多くおられますので、それらも併せ小中学生や初めて新居浜市に来た人にも分かりやすい冊子の作成やシティブランド戦略を行うなどの新居浜の郷土史づくりについて取り組んではいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
(総務部長答弁)
○総務部長(岡田公央)(登壇) 新居浜の郷土史づくりについてお答えをいたします。
まず、市民に親しんでもらえる郷土史づくりへの取組についてでございます。
本年6月1日より販売を開始いたしました市史編さん事業の最初の出版物となります新居浜市の歴史は、コラムや年表を中心として、絵図や写真を多く取り入れるなど、見やすく、読みやすい文章を心がけて刊行いたしました。内容は、本市の縄文時代から現代に至る通年の歴史となっておりまして、市内に残る遺跡や文化財、戦国時代の金子元宅に関するコラム、別子銅山の発見から新居浜市の誕生といった人々がこの土地に暮らしてきた歴史を親しみやすく理解できることができる分かりやすい内容となっており、現在、より多くの市民の皆様に関心、興味を持っていただけるよう、広報、啓発を行っているところでございます。将来を担う小中学生が、本市の歴史、生い立ちを学ぶことは、その知恵を現在、未来に生かしていくことができる大変重要な機会であると認識いたしておりまして、市内の全小中学校に対しまして、各校3冊の提供を行っております。本年7月には、別子中学校の生徒が市役所において、この新居浜市の歴史を教材として学習していただくこととなっております。
市では、これまでも小学校社会科の副読本用等として、過去の貴重な写真、コラム等を提供しておりますが、今後におきましても、引き続き教育委員会との連携を深め、天正の陣の歴史等をはじめ、親しみやすく、学びへの意欲が湧くような教材や冊子の作成につなげていくよう努めてまいります。
次に、小中学生や初めて新居浜市に来た人にも分かりやすい冊子の作成やシティブランド戦略での活用についてでございます。
現在、市史編さん事業では、各時代の史料編、通史編の発刊に向け、別子銅山や多喜浜塩田などの歴代の偉人を含む詳しい史料調査を行っているところでございます。これらの成果を基に、小中学生はもとより、新居浜市に来た人にも理解しやすく、関心を持って読んでいただける冊子の作成等を行ってまいりますとともに、市史編さん事業の取組開始時に金子元宅をテーマとした市民講演会を開催いたしましたが、本年度以降も市民が親しみやすく、興味を持っていただける郷土に関わる講演会等を積極的に企画するなど、市内外に対し、新居浜市の魅力、認知度を向上させる取組を加速し、シティブランドの向上を図ってまいります。
(再質問)
○17番(永易英寿)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
郷土史が専門的な市史だけに終わることなく、市民の皆様に気軽に親しんで読める郷土史が今以上に充実することを願い、質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。