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(質問)
○3番目に、子供の読書活動について伺います。
社会の変化が加速度を増し、複雑で予測困難となっている時代において、子供たちは、自分のよさや可能性を認識するとともに、多様な人々と協働しながら、様々な社会的変化を乗り越え、持続可能な社会のつくり手となることが求められております。
こうした子供たちの資質や能力を育む上で、読解力や想像力、思考力、表現力等を養う読書活動の推進は不可欠であります。子供たちは、読書を通じて、多くの知識や多様な文化への理解を深めたりすることができます。また、文学作品、自然科学、社会科学関係の書籍や新聞、図鑑等の資料を読み深めることを通じ、自ら学ぶ楽しさや知る喜びを体得し、さらなる探求心や真理を求める態度が培われます。そして、読むこと自体の楽しさ、それによる充実感、満足感を得ることが重要であり、子供の頃のそうした楽しかった体験は、生涯にわたる学習意欲やウエルビーイングにつながるとともに、将来その体験を子供たちに共有していきたいという動機となり、世代を超えた読書活動の推進の循環が形成されることが期待されております。
しかし、現状は、テレビ、ビデオ、インターネット等の様々な情報メディアの発達、普及や子供の生活環境の変化、さらには幼児期からの読書習慣の未形成などにより、子供の読書離れが指摘されているところです。
本市では、平成27年度に学校図書館支援センターが設置され、平成28年3月には、新居浜市子ども読書活動推進計画が策定されています。その取組の成果や課題も踏まえ、子供の読書活動をより一層推進するために、第2次計画を策定していると認識しています。
そこで、お伺いします。
計画期間が令和3年度から令和7年度までの約5年間となっていますが、中間年の本年9月時点で、指標ごとの実績、達成状況、課題等をお伺いいたします。
また、この読書離れについてどのように認識されていますか、お伺いいたします。
児童生徒にとって最も身近な読書環境が学校図書館であり、環境充実の一つの要素が蔵書数であると考えます。この学校図書館における蔵書数については、文部科学省は、公立義務教育諸学校の学校図書館に整備すべき蔵書数の標準を学校の学級数に基づき算定される学校図書館図書標準として定めております。
そこで、質問いたします。
1点目に、市内の小中学校の学級数の推移と今後の推定、また現時点で各学校が図書標準の蔵書数を満たしているのかどうかお伺いします。
児童生徒が読書に親しむためには、読書に対する興味、関心を引き起こす読書ができる力をしっかりと育んでいく習慣化を図っていく、こうしたことが重要であると思います。また、蔵書数の充実とともに、専門職員の取組というものも非常に重要になってくるかと思います。学校図書館法第5条で、学校図書館の専門的職務をつかさどらせるため、司書教諭を置かなければならないとあります。
また、同じ法律の第6条では、司書教諭のほか、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童又は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員を置くよう努めなければならないと、学校司書の配置努力義務が規定されております。
そこで、2点目に、新居浜市における司書教諭、学校司書の配置状況はいかがでしょうか。
また、司書教諭、学校司書の具体的な役割、業務についてお伺いします。
3点目に、学校図書館の利用における時間帯や体制についてもお伺いいたします。
(教育長答弁)
○次に、子供の読書活動の推進についてお答えいたします。
まず、第2次新居浜市子ども読書活動推進計画の本年9月時点における指標ごとの実績、達成状況、課題等についてでございます。
毎年6月に小学2年生、5年生、中学2年生を対象に、子どもの読書アンケート調査を実施し、継続的に進捗状況を把握しております。
市内小中学生の不読率につきましては、1か月の読書冊数がゼロ冊の児童生徒数の割合は、目標値ゼロパーセントに対し、小学2年生が0.8%、小学5年生が1.7%、中学2年生は5.7%でございます。
1か月当たりの平均読書冊数につきましては、小学2年生では、目標値21冊に対して30.7冊、小学5年生では、目標値13冊に対して13.8冊、中学2年生では、目標値7冊に対して3.4冊でございます。
平均1日10分以上読書をする小中学生の割合につきましては、今年度の全国学力・学習状況調査結果によりますと、小学6年生では、目標値70%に対して53.9%、中学3年生では、目標値62%に対して53.1%でございます。
学校図書館を利用する小中学生の割合につきましては、よく行った、たまに行ったと回答しました児童生徒数の割合は、小学2年生では、目標値90%に対して92.5%、小学5年生では、目標値80%に対して62.7%、中学2年生では、目標値45%に対して20.0%でございます。
いずれの指標におきましても、目標値に近づけるため、読書推進のために様々な工夫や取組を行っておりますが、子供たちが自発的に読書する時間には個人差があり、全ての子供たちが読書時間を少しずつでも増やしていくことが重要で、学力の向上にもつながるものと考えておりますことから、今後におきましても、子供たちが読書に親しめるよう取り組んでまいります。
次に、読書離れについてでございます。
教育力向上推進委員会では、学力向上の目標に読解力の向上を掲げ、読書活動の推進を行う中で、小中学生全員への調査を行いました。
小学校低学年では、教員による読書への声かけ、学校司書による授業支援、委員会活動での工夫した読書推進、地域ボランティアによる読み聞かせ、家庭との連携による家読など、本に親しむ機会は大変多い状況となっており、読書が好きだと回答する児童の割合が、全体の85%を占めております。
小学校高学年、中学生では、読書を好きと回答する児童生徒数は60%いるほか、一方読書を好きではないと回答する児童生徒も一定数おり、その理由に、本を読むよりもインターネットやゲーム等の娯楽を好むという結果も表れておりますことから、今後さらに読書離れが進むことを危惧するところでございます。
次に、市内の小中学校の学級数の推移と今後の推定についてでございます。
小学校の総学級数は、令和3年度264学級、令和4年度263学級、令和5年度253学級であり、令和7年度には263学級と推測しており、中学校では、令和3年度122学級、令和4年度125学級、令和5年度126学級であり、令和7年度には120学級と推測しております。
次に、各学校の図書標準の蔵書冊数の達成状況につきましては、令和4年度、小学校では、16校中5校が標準蔵書冊数を満たしており、標準蔵書冊数に対する蔵書冊数の割合は、平均88.2%となっております。
小学校では、毎年の図書の購入により、蔵書数は徐々に増えておりますが、図書の廃棄も確実に行っており、不足している図書数については、移動図書館等の利用により補っております。
中学校では、12校中8校が標準蔵書冊数を満たしており、標準蔵書冊数に対する蔵書冊数の平均は124.1%となっております。
次に、本市における司書教諭、学校司書の配置状況と具体的な役割、業務についてでございます。
司書教諭につきましては、全小中学校に配置されており、読書推進に係る業務を行っております。
学校司書につきましては、市内小学校に8人が配置されており、1人が2校ずつを担当し、週に1校、1校当たり2日ずつ、計4日勤務しております。
業務内容といたしましては、各校の教職員と連携しながら、授業支援、図書館の環境整備、図書の選定等、図書に関し全般を担っており、子供たちの読書活動を支援しております。
次に、学校図書館の利用における時間帯や体制についてでございます。
小学校では、多くの学校が、授業時間や昼休みなどに開館しておりますが、放課後など常時開館している学校もございます。
中学校におきましては、常時開館が1校、それ以外は、利用するときのみ開館しております。
(再質問)
○子供の読書活動について、令和2年度学校図書館の現状に関する調査結果の中の児童生徒等の読書環境の整備に資する多様な蔵書の整備状況では、点字図書や拡大図書、大活字図書を所蔵している学校の割合はそれなりにあるものの、電子書籍やマルチメディアデイジー図書を所蔵している学校図書館の割合は1%前後にとどまっているということも報告されておりますが、そのあたりざっくりでもいいんですけど、本市はどのような状況であるのか、お伺いいたします。
(教育長答弁)
○そして、もう一件御質問の学校図書館の現状に関する調査結果の中で、児童生徒等の読書環境の整備に関する多様な蔵書の整備状況についてお答えをいたします。
まず、点字図書につきましては、小学校では16校中14校、中学校では12校中1校で所蔵しております。
拡大図書、大活字図書につきましては、小学校では16校中2校、中学校では12校中2校で所蔵をいたしております。
デイジー教科書、デイジー図書を含む録音図書につきましては、中学校1校のみの所蔵となっております。
なお、本年9月1日より別子銅山記念図書館と連携いたしまして、市内の児童生徒及び教職員が新居浜電子図書館を1人1台端末で利用できる環境を整えましたことから、子供たちが読書に向かう機会や方法が増えたものと考えております。
(再質問)
○19番(高塚広義)(登壇) ありがとうございました。
1点要望なんですけど、子供の読書活動について、選書であったり、また図書の適切な管理もそうですし、また子供たちが図書に親しんでいく、そんな様々な取組も担っていただいているということを考えますと、学校司書さんの体制をさらに強化していくということが非常に大事ではなかろうかと思いますので、このあたりも要望としてお願いいたします。