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(質問)
○19番(高塚広義)(登壇) それでは、次の質問に移ります。
視覚障害者のための音声コードの利用促進について伺います。
全ての障害者が障害の有無によって分け隔てられることのない社会を目指し、障害者情報アクセシビリティー、コミュニケーション施策推進法が2022年5月に施行されております。ところが、今でも視覚障害者にとっては、情報の取得や利用に多くの苦労があります。内閣府のホームページにも以下のように記載されています。視覚障害のある方は、必ずしも点字を読めるわけではなく、多くの方は、主に音声や拡大文字によって情報を得ています。文字情報を音声にする方法は、補助者による代読やパソコンの音声読み上げソフトを用いる方法のほか、文字内容をコード情報、音声コードに変換して活字文書読み上げ装置を使って音声化する方法がありますと。事実、視覚障害者は、自宅に届く郵便物などは、補助ボランティアに代読してもらうか、文字をコード情報に変換して、読み上げ装置やアプリで聞いています。視覚障害の手帳を持っている人のうち、点字が読める人は僅か1割。ほかの疾病や高齢化などで文字を読みづらい人は160万人との報告もあります。音声コードというのは、紙媒体に掲載された印刷情報をデジタル情報に変える二次元のバーコードであります。この中に文字情報を記録できます。印刷物に音声コードがついている場合、紙媒体の端に切り欠きと呼ばれる半円の穴がついているため、視覚障害者はそこを指で触れば、音声コードの場所が分かります。
資料1を参照願います。
例えば、代表的な一例として、選挙の投票所入場券、自治体から封書で届きますが、ほとんどの自治体が発送するこの封書には、音声コードはついていません。このため、何の封書か分からないため誤って捨ててしまうことも想定されております。
また、最近の重要な例では、ワクチン接種券も同様であります。
そこで、せめて国や地方自治体などから送られる公的な通知文書や広報などの印刷物、また年金や医療、各種保険などのお知らせ、公共料金の通知書類などには音声コードの記載が必須と考えます。
新居浜市のホームページでは、読み上げ機能があり、視覚障害者の方や高齢者の方には喜ばれておりますが、一方、封書の場合では、封書の表書きに音声コードがついていても、肝腎の封書の中の紙媒体に音声コードがついていない場合は、内容が理解できない状況となっています。全ての障害者が障害の有無によって分け隔てられることなく情報の取得やその利用、意思疎通ができる社会の実現を目指した法整備も整っているわけですから、新居浜市から市民に送付されるワクチン接種券とかまた公的な通知については、この音声コードの普及を早急に進めるよう、関係部署に指示していただきたいと思いますが、石川市長、いかがでしょうか。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 音声コードの利用促進についてお答えいたします。
本市での音声コードの活用といたしましては、自立支援協議会委員からの御提案で、令和元年度に一度案内通知に利用した事例がございます。その際の結果といたしましては、音声コード化できる文字数が、一般的なコードで800字程度と限られ、結果として代読の支援が必要となったこと、また音声コードの読み取りに専用の装置かスマートフォンアプリのダウンロードが必要であり、そうした機器を使用できる方が限られたということがございました。また、当事者の御意見といたしましても、全盲者にはスマートフォンは利用しづらく、コード読み取りが困難でありますとか、印刷物にしわや汚れがあるとコードが読み取れないということでございました。
このため、それ以降は活用を見合わせ、御家族やガイドヘルパー、読み上げ装置による読み上げにより差出人や内容物の確認をいただいております。
現在の視覚障害者への通知の対策といたしましては、点字シールを活用することとしており、封筒に点字シールを貼ることで、市からの重要なお知らせであることが分かるようにいたしております。
視覚障害者への情報伝達につきましては、今後も当事者の御意見を尊重し、他市の工夫事例や音声コード活用自治体の評価を検証するなど、必要な改善を図ってまいりたいと考えております。
(再質問)
○19番(高塚広義)(登壇) ありがとうございました。また、音声コードについても前向きな検討をお願いいたします。