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(質問)
○3番(渡辺高博)(登壇) 今年の4月に執行されました新居浜市議会議員選挙におきまして、初めて当選をさせていただきました自参改革クラブの渡辺高博でございます。船木出身ではございますが、大学進学以来30年余り、首都圏を拠点に活動しております。得意なスポーツをボランティアからビジネスに置き換えて法人となり、今年で13期目を迎えますが、近年はその活動を御評価いただき、本市から新居浜ふるさと観光大使を委嘱され、首都圏での情報発信やあかがねマラソンのお手伝いなどを通して、主に本市の知名度を高めるために活動してまいりました。このたび選挙を経て、市民の皆様から託していただいた市議会議員としての責務に身が引き締まりますとともに、理事者の皆様と一緒になってこの新居浜市を盛り上げていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、通告に従いまして、会派を代表して質問させていただきます。
まず初めに、人口減少社会に対する取組についてお伺いいたします。
厚生労働省は、この7月に2022年国民生活基礎調査を公表いたしました。この調査は、3年ごとの大規模な調査とその間の簡易な調査で構成されますが、今年は開始以来、13回目の大規模な調査となります。世帯の状況として、児童のいる世帯は1,000万世帯を切って991万7,000世帯となり、前回の2019年に調査したときよりも3.4ポイント減って18.3%で過去最少となっております。少子化のスピードが想像以上に速まっていることを示しています。
本市におきましても、同じ統計データではございませんが、平成27年と令和2年の国勢調査の比較で、夫婦と子供から成る世帯の数が、1万3,443世帯から1万2,653世帯へと減少し、世帯の総数に占める割合も26.6%から24.7%へ1.9ポイント減少しております。
ところで、平成25年から平成29年までの人口動態保健所・市区町村別統計の合計特殊出生率は、全国平均が1.43に対して、本市は1.75と大きく上回っておりました。ちなみに、東京都は、同時期1.22、私の住んでいた杉並区に至っては1.01と危機的な状況でした。その後の小池都知事が重点的に少子化対策へ取り組んだことは、新聞やテレビで報道されたとおりで、今年からは都内在住の18歳以下の子供に対し、学びなどの子供の育ちを切れ目なくサポートする施策として、1人当たり年額6万円を給付することになっております。
そこで、お伺いいたしますが、国と比較して本市の減少率は穏やかな減少とはなっていますが、このことについてどのような認識を持っておられますでしょうか。
また、本市の合計特殊出生率が1.75と四国内で最も高い数値となっていることについて、その要因をどのように検証しておられますでしょうか、お尋ねいたします。
本市では、現在、第2期子ども・子育て支援事業計画に沿って施策を実施している最中ですが、今回の国民生活基礎調査の結果や国が進める次元の異なる少子化対策の意向を踏まえ、事業計画に修正や新たに取り組む施策等があるのか、お尋ねいたします。
ところで、国民生活基礎調査では、65歳以上の人のみか65歳以上の人と18歳未満の未婚の人で構成される高齢者世帯が全世帯の31.2%、そして単独世帯は全世帯の32.9%で、どちらも世帯数、割合とも過去最高となっております。
そこで、お伺いいたしますが、本市では、高齢者に対して、健康寿命の延伸への取組や独居高齢者に対する見守り推進事業等の施策を行ってまいりましたが、厚生労働省から告知された21世紀における第3次国民健康づくり運動を踏まえ、これから作成する第3次元気プラン新居浜21では、人生100年時代を見据えて、より踏み込んだ施策を期待しております。この計画がどのような計画になるのか、現状で考えられている概要等をお尋ねいたします。
また、今後は、未婚率の増加や離婚、死別、核家族化の影響を受けて、世帯主が1人の世帯、いわゆる単独世帯が増加し、2040年には単独世帯の割合は約40%に達すると予測されています。
本市でも、平成27年と令和2年の国勢調査の比較で、単独世帯は1万5,870世帯から1万8,080世帯へと増加し、世帯の総数に占める割合も31.4%から35.3%へ3.9ポイント増加しております。
そこで、お伺いいたしますが、独居高齢者となる可能性の高い今後65歳を迎える団塊ジュニア世代以降に対して、前もって行うことのできる準備の促進や生涯未婚率の増加に歯止めをかけるために、若い人への婚活支援のような直接的な施策とともに、抜本的な啓蒙活動等についてその対応策として考えられる取組をお尋ねいたします。
(市長答弁)
○市長(石川勝行)(登壇) 自参改革クラブ代表の渡辺議員さんの御質問にお答えをいたします。
人口減少社会に対する取組についてでございます。
まず、本市における児童のいる世帯の割合の減少率が、国と比較して緩やかである要因についてでございます。
本市は、これまで全国平均に比べて高い水準の合計特殊出生率を維持しており、その結果、人口に占める児童の割合が全国平均に比べて高くなっております。近年実施された国勢調査による本市の夫婦と子供から成る世帯の割合の減少率が、同時期に実施された国民生活基礎調査における全国的な急激な減少傾向と比べ、比較的緩やかな水準にとどまっていることについても、本市の合計特殊出生率が高いことが一つの要因ではないかと認識いたしております。
次に、本市の合計特殊出生率が四国内で最も高い数値となっている要因についてでございます。
平成30年に愛媛県が公表した合計特殊出生率地域別レポートによると、本市は女性の平均初婚年齢や第1子平均出産年齢が県平均よりも若いことが示されており、その後の第2子、第3子の出産へとつながっている可能性があると考えております。
その要因といたしましては、有効求人倍率が示すように、高校卒業後に市内で働く場所があること、さらには全国に事業所を有する企業が立地しており、若くても一定の所得があることから、出産、子育てできる環境にあるのではないかと考えております。
次に、子ども・子育て支援事業計画についてでございます。
事業計画の修正につきましては、こども未来戦略方針に示された内容を盛り込んだ令和7年度からの第3期子ども・子育て支援事業計画を含めた子ども計画を令和6年度に策定する予定でございます。新たに取り組む施策といたしましては、子育てに困難を抱える世帯が顕在化してきている状況に対応するため、令和6年4月に、こども家庭センターを開設するための協議を進めております。相談機能の強化と新たな家庭支援事業等を行うことで、これまで以上に子育てしやすい町を目指していきたいと考えております。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 人口減少社会に対する取組についてのうち、第3次元気プラン新居浜21の概要についてお答えいたします。
国が示す第3次国民健康づくり運動の基本方針では、全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会をビジョンとし、そのために誰一人取り残さない健康づくりの展開とより実効性を持つ取組の推進を行うとしております。
本市の計画もその方向性に沿ったものとして、健康づくりに向けた具体的な目標設定、市民や地域、行政の取組方針等を含んだ内容になると考えておりますが、今年度末に策定が予定されている愛媛県の第3次県民健康づくり計画や本市が今年度行うアンケート結果等を踏まえる必要がありますので、概要につきまして現在お示しできる段階ではございません。
次に、団塊ジュニア世代以降に対する準備の促進についてでございます。
御指摘の状況につきましては、本市の将来像としても十分に予想されるものでございますので、まずは本人が心身ともに健康で自立した生活を継続できるよう対策を進めなければならないものと考えております。
こうした視点から、今年度庁内組織横断的な健康づくり推進本部を立ち上げ、本市の健康課題が心疾患による死亡が多いこと、運動をしている人の割合が少なく、肥満の人の割合が多いことなどから、イオンモール新居浜での血圧測定、保健福祉MaaS車両を活用した出前型健康相談、KENPOSアプリを活用したウオーキングの推進など、団塊ジュニア世代も含めた各種健診、生活習慣改善のための保健指導、介護予防に取り組んでいるところでございます。
また、困った際には地域の支え合いが重要となってまいりますことから、現在取り組んでいる通いの場づくりや自治会、見守り推進員、民生児童委員など、地域の活動を継続し、将来にわたって安心して暮らせる環境づくりを進めていくことが重要であり、こうした取組を引き続き推進してまいりたいと考えております。
(市民環境部長答弁)
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 人口減少社会に対する取組についてのうち、生涯未婚率の増加に歯止めをかけるための若い人への啓蒙及び対応策についてお答えいたします。
未婚化の原因の中には、将来への経済的不安や子育てへの不安などがありますことから、社会や家庭において、男女共に家庭を持つことに前向きとなるような社会づくりに取り組む必要がございます。
このため、若手・中堅女性リーダーの育成を図るにいはま女性ネットワークの活動をはじめ、企業交流会やイクボス研修などの機会を捉え、結婚に対する不安の解消、ワーク・ライフ・バランスの推進、男女共同参画社会づくりへの意識高揚を図っているところでございます。
また、平成29年度から、結婚を望む未婚の男女に結婚を支援する縁結びサポート事業として、タブレット端末やスマートフォンを使って自身の好みの相手を探す愛結びマッチングシステム事業と、出会いの機会を提供する出会い交流イベント事業を実施いたしております。
今後におきましても、若者への意識啓発を行うとともに、希望する者が結婚できるように、出会い、結婚につながるサポート体制の充実を図ってまいります。
(再質問)
○3番(渡辺高博)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
人口減少社会に対する取組につきまして、お隣の国韓国では、合計特殊出生率が0.78と急速な少子化によって経済成長や社会保障の維持が困難になると懸念されております。
何事も動向を注視し、問題が顕在化する半歩前の行動が大事です。日本国内では、2.0を超える自治体もあります。四国一に甘んじることなく、上を目指した施策の検討をお願いいたします。
また、人口減少社会の中で持続可能な社会を構築するための有効な手段として、DXを活用したインクルーシブな社会の実現に向けて、変化を恐れず踏み出せる勇気に期待しております。