本文
(質問)
○13番(伊藤嘉秀)(登壇) 皆さんこんにちは。
自民クラブの伊藤嘉秀でございます。
通告に従いまして、質問に入らせていただきます。
初めに、小中学校のフッ化物洗口事業について質問させていただきます。
フッ化物洗口は、一定濃度のフッ化ナトリウム溶液を口に含んで、1分間ほどぶくぶくうがいを行う方法です。子供たちの虫歯は、奥歯の臼歯の溝に歯ブラシが届かなかったり、磨きにくいため磨き残しが原因となって発生します。フッ化物洗口は、液体を口に含ませて、ブラシの届きにくかった歯の表面にあるエナメル質にフッ化物をコーティングすることで、エナメル質の結晶性を高めて、虫歯を発生しにくくするものです。その効能は、うがいによるコーティングですから、臼歯だけではなく、虫歯から全ての歯を守ることができます。
新居浜市では、教育委員会において、平成27年から小学校でのフッ化物洗口事業を開始し、令和元年度からは、小中学校保健充実費として予算化し、子供たちの虫歯罹患率の低下を図るために、各小中学校で歯科医の御指導をいただきながら、週1回フッ化物洗口事業を続けてきました。近年では、令和3年度に165万円を、令和4年度には151万7,000円が予算化されていました。しかしながら、今年度は、フッ化物洗口事業の名称が予算説明書からなくなっていましたので、担当課にお聞きしましたら、小学校ではこれまでどおり実施しているが、中学校では実施する学校としない学校があって不公平感がある上に、予算化が難しかったので、全校事業を廃止したとお伺いしました。このフッ化物洗口の有効性については、学会でも多くの発表がされていますし、世界保健機関WHOと厚生労働省が推奨しています。昨年、厚生労働省が発表したフッ化物洗口マニュアルの中に、WHOでは虫歯の罹患率が全身の健康の観点から重要な問題であると決議し、人々の生命や健康維持に必須の重要医薬品として虫歯予防に効能のあるフッ化物医薬品を指定したと記しています。この決議を受けて、厚生労働省では、人生100年時代を迎えようとする現在、健康寿命を延伸するためにも、口腔機能の維持と向上は欠かせないものとしてフッ化物洗口を推奨しています。特に、小中学校、児童生徒の9年間にフッ化物洗口を実施することが、将来にわたって虫歯予防につながると書かれています。もともと国では、平成23年8月に、歯科口腔保健の推進に関する法律を施行し、口腔の健康維持が国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしているとして、国民が生涯にわたって、日常生活において歯科疾患の予防に向けた取組を行うことを促進し、歯科口腔保健に関する知識と取組の普及啓発、運動促進の施策を地方公共団体に求めています。また、愛媛県においては、平成22年6月に、愛媛県歯と口腔の健康づくり推進条例を施行して、具体的にフッ化物を用いた洗口などの効果的な虫歯の予防対策支援を実施するとして、市町に対して県と協働して歯と口腔の健康づくりに関する施策実施することを求めています。
世界も厚生労働省も効能を認めているフッ化物洗口です。しかも、国も県も歯科口腔の推進施策実施を求めています。なのに、なぜ最も大切な子供たちの教育現場から予算がなくなってしまったのでしょうか。私は、昨年10月に行われた令和3年度の決算特別委員会の中で、フッ化物洗口事業の予算が165万円に対し、決算支出が64万8,000円で、実施校は小学校5校、中学校5校になっているのはなぜかとお尋ねしました。お答えは、集団うがいで行う事業のため、コロナ禍の中で実施できなかった学校が多かったということでしたので、教育の現場では、大変な御苦労をされているのだと感じ、それでも何とか子供たちの健康づくりのために努力されている現場もあると敬服いたしました。私も今年度は財政事情の困難な時期にあると重々承知いたしておりますが、予算がつかなければ現場も努力のしようがない部分があります。四国一子育てしやすいまち、本当に市長部局と教育委員会とが連携して、子供のことを考えた議論、予算配分ができているのでしょうか、御所見をお聞かせください。
今年度捻出できなかった中学校でのフッ化物洗口事業の予算は幾らなのか、お教えください。
また、これまで行ってきたフッ化物洗口事業について、どのように評価されているのか、お聞かせください。
(教育長答弁)
○教育長(高橋良光)(登壇) 伊藤嘉秀議員さんの御質問にお答えいたします。
小中学校フッ化物洗口事業についてでございます。
まず、市長部局と教育委員会とが連携して、子供のことを考えた議論、予算配分ができているかについてでございます。
これまでも市長と教育委員会の委員で構成される総合教育会議では、教育に関し重点的に講ずべき施策や子供たちを取り巻く様々な課題について協議、調整を行ってまいりました。財政事情の厳しい中ではございますが、児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、市長部局とも議論を重ねながら、教育活動を継続し、発展させるために必要な事業を精査し、限られた予算の中で事業を実施しているところでございます。
なお、今年度事業の実施を断念したのは、全中学校での事業実施が調整できなかったためであり、実施希望のあった中学校6校における見積額は18万9,000円でございました。
次に、これまで行ってきたフッ化物洗口事業についての評価でございます。
小学校全校における虫歯有病者率につきましては、平成27年度は、小学生男子64.17%、小学生女子63.85%、令和3年度は、小学生男子55.51%、小学生女子52.52%と減少しております。減少した要因の一つといたしまして、事業の実施による一定の効果が得られたものと判断いたしておりますとともに、今後も継続して実施していくことで、児童の生涯にわたる歯科口腔保健への意識の向上にもつながるものと考えております。
いずれにいたしましても、小中学生ともに県平均より高い虫歯有病者率であること、また歯科口腔機能の維持、向上が図られることにより、生涯にわたる健康で質の高い生活を営む上での基礎がつくられ、健康寿命の延伸にもつながりますことから、小中学校全校での事業の実施に向けて、関係部局とも協議を重ねてまいります。
(再質問)
○13番(伊藤嘉秀)(登壇) ありがとうございます。
継続して実施することが大切だということでお話をいただきました。私たちにとってはたった1年、しかしながら子供たちにとっては小中学校9年間のうちの1回ですから大変重いものがあると思います。私たちにとっては、1回休むだけということであるかもしれませんが、その成長期の子供たちにとっては、永久歯が生えてきて柔らかい歯が硬くなる大切な時期でありますので、ぜひ継続して行っていただきたい、そのように思います。
小中学校全校、私がお聞きしておりましたのは、中学校は選択制になっていたというようにお聞きしておりますが、世界が認めて、国が認めて、県も実施したいと言っている情報であります。これを子供たちの現場に落とすかどうかが新居浜の大人の大切な役割ではないでしょうか。ここを新居浜の大人が止めてしまうと、子供の現場には何も落ちない、本当に大切なことが落ちないんではないでしょうか。ここをぜひ責任感を持って、子供たちにいいことはぜひ進めていただきたい、そのように思いますが、私はその協議というよりも、もうすぐにでも行動していただきたい。1年休むと、例えば去年の9月に実施して、来年の9月に実施したとすると2年間間が開いてしまうことになります。その間にコーティングが剥げてしまえば、虫歯の罹患率が高まるということでありますので、ぜひ今年度でも実施していただきたいという思いで質問させていただいておりますが、御所見をお聞かせください。
(教育長答弁)
○教育長(高橋良光)(登壇) 伊藤嘉秀議員さんの御質問にお答えをいたします。
継続してすることが特に小中学生には大切だということで、間を開けず、今年度でも実施する考えはあるのかというような趣旨であったかと思います。
先ほどの答弁でも申し上げましたけれども、小学生については、これまで実施してきたことで一定の効果が評価されております。中学生は、男子も女子も大変虫歯の率が高い状況になっていて、私も非常に憂慮しているところでございます。今、今年度でもする意思があるのかというようなお話でございましたので、そうした御意見も十分に尊重して、今後の取組、進める気持ちで検討していきたいというふうに思っております。
(再質問)
○13番(伊藤嘉秀)(登壇) ありがとうございます。
教育長さんは、中学生、小学生、新居浜の子供たちは、非常に罹患率が高いということでおっしゃいましたけども、令和3年度の愛媛県の学校保健要覧を拝見しましたら、中学生の男子は、県の中の市町の順位で見ましたら、最下位の20位が新居浜市です。女子生徒は、19位ということでありますので、ぜひ今年度を逃さないように実施していただきますように市長部局と教育委員会で協議をしていただきまして、ぜひ予算づけもしていただいて、緊急の配慮をいただけたらというふうに思います。よろしくお願いいたします。