本文
(質問)
○では、ここから新居浜がさらに子育てしやすいまちへと発展していけるよう、子育て支援策の中から、産前産後サポートについて質問を続けます。
先ほども白川議員さんの質問の際に加藤副市長さんから本当に必要なものは何か調べながら、今後新たなケアメニューを考えていくとの御答弁がありましたので、これ以上の根拠はないであろうお母さんたちの声を基に質問してまいりたいと思っております。
産後間もない女性の大きな支えとなる支援に、乳児家庭全戸訪問事業と産後ケア事業がありますが、まずは乳児家庭全戸訪問事業についてお尋ねします。
生後4か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問し、様々な不安や悩みを聞き、子育て支援に関する情報提供を行うとともに、親子の心身の状況や養育環境等の把握や助言を行い、支援の必要な家庭に対しては、適切なサービス提供につなげる、乳児のいる家庭と地域社会をつなぐ最初の機会とすることにより、乳児家庭の孤立化を防ぎ、乳児の健全な育成環境の確保を目的として行われている乳児家庭全戸訪問ですが、こちらはどのような方がどのような時期に訪問してくださっていますか。訪問してくださる方の職業や年代等具体的にお教えください。
また、訪問してどのようなことを行っているのか、そしてここ数年の実績、こちらも具体的にお教えください。
(福祉部長答弁)
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 産前産後サポートについてお答えいたします。
乳児家庭全戸訪問事業についてでございます。
訪問時期につきましては、医療機関における産後2週間目及び4週間目の産婦健康診査の受診後に、母子に対する切れ目のない支援を行うため、おおむね生後1か月から2か月までの間に訪問を行っており、20代から50代の保健師、助産師、看護師が従事いたしております。
母親の心身の状態や希望に応じて、生後1か月以内に訪問する場合もあり、また遠方での出産や長期入院などの場合は、自宅に戻られてから改めて時期を設定し訪問するようにしております。
訪問時には、赤ちゃんの体重測定や栄養状態を含む全身状態の確認、母親の妊娠から出産後までの心身の状態、育児のサポート体制や家庭環境等を確認しております。
過去3年間の実績につきましては、令和2年度は740件、令和3年度は730件、令和4年度は759件で、実施率は過去3年間の平均で約98%でございます。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) ありがとうございます。
では、実際に訪問して、お母さんたちから何か相談を受けることはありますか。あればどのような相談内容が多いのか、どのような回答を行っているか、そこからどのような支援につなげているのかお教えください。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 野田議員さんの御質問にお答えいたします。
御質問の内容は、家庭訪問の際の相談内容とその回答、またどのような支援につないでいるのかという御質問かと思います。
まず、相談をいただくお母さんからの内容といたしましては、子供の体重増加や母乳、またはミルクの量、授乳間隔に関すること、衣服や室温の調整、予防接種の種類と接種時期についての相談が多く、そのほか乳房管理、母親の心身の不調についてなど多岐にわたっております。
こうした相談への対応といたしまして、母と子の状態を保健師、助産師、看護師等の専門職がアセスメントし、その結果に応じて、育児に関する必要な情報提供や保健指導、継続的な家庭訪問を行うようにしており、また必要に応じ、医療機関につなぐなどの支援を行っております。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) ありがとうございます。その相談内容なのですが、赤ちゃんのお世話であったり、お母さんの体調のことであったりだと思うんですけども、もう少し深い胸のうちを吐露されているような悩みだったりはあったりしますか、お答えください。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 野田議員さんの御質問にお答えいたします。
相談内容につきましてのより具体的な内容、個々の内容については準備しておりませんので、今御紹介できるものではございませんが、まず心につきましては、身体的、精神的な不調を来したような場合、子育て世代の心のケア、cococare事業において臨床心理士が承って、いろいろな相談、また必要に応じて医療機関、それから医療機関以外の各関係機関での相談へとつなげるようにいたしております。
それ以外の子育てに関する深い相談ということでございますが、私が保健師から報告を受けているのは、各お母さん方個々で子育てにおいて具体的な悩みをお持ちなので、相談事例全てが基本的には深い悩みであるというふうに私は考えております。保健師がいろんな場合で、特にその母子保健において相談に応じる場合というのは、保健に関する支援だけではなくて、全体的な生活、それからお子さんの将来も含めて、その状況を把握しアセスメントして必要な支援につなげる、支援という言葉自体が抽象的ですけれども、相談の解決に向けて、または必要な情報として提供するというようなことを心がけております。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) ありがとうございます。
では、ここで皆様に考えていただきたいことがあります。健康とはどのような状態のことか御存じですか。WHO世界保健機関は、その憲章の前文にて健康をこのように定義しています。健康とは、肉体的、精神的及び社会的福祉が完全な状態であり、単に疾病や病弱の存在しないということではないと、そう定義されています。つまり、体と心が元気で、社会的にも健康であり、生活面も満たされている、その全てがそろったときに初めて健康であるということなのだそうです。
聞き慣れない社会的健康という言葉について補足させていただくと、他人に必要とされ、社会の中、つまり家庭以外で何らかの役割を持ち、社会の中に居場所があると感じられる状態のこと、また生きがいがあり、周囲の人と支え合う環境を築けている状態、これを社会的健康と言います。
では、産前産後の女性のことを思い浮かべてみてください。妊娠も出産も病気ではありませんが、原因不明の体の不調が続きます。気持ちも晴れない日が多くあります。ホルモンの急激な変化によるところが大きいのですが、人間はホルモンの働きにはあらがえません。個人差は確かにありますが、心も体も自分のものなのに自分でコントロールできない、本当にもどかしくて苦しい状態が続きます。さらに、妊娠や子育てにより仕事を休まないといけなかったり、辞めざるを得ないことさえあります。出かける予定がある日に限って、お母さん自身や赤ちゃんが体調を崩してしまった、赤ちゃんの機嫌が悪い、出かける直前にお漏らししちゃったなどと出かけることができなくなることは日常茶飯事です。趣味なども続けることができなくなったり、それまでの交友関係も疎遠になってしまうということもよくあります。先ほど申しました健康の定義と照らし合わせて、産前産後のお母さんたちのことを考えてみると、産前産後のお母さんたちがしんどいのは、決して特別なことではありません。むしろしんどいことが当たり前なのです。さらに、お母さんの社会的健康を阻害している原因が、お母さん自身ではなく、赤ちゃんが原因であることが多いこと、自分の時間や生活を自分の意思で選択、決定できないことは、想像以上に心に負担をかけます。
しかし、お母さんたちの中には、私のしんどさなんて大したことはない。もっとしんどい人はたくさんいると、そのしんどさを誰にも伝えられなかったり、はじめましてと訪問してくれた方には、なかなか深い胸のうちをさらけ出すことはできなかったとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。また、乳児家庭と社会をつなぐ最初の機会とし、その孤立を防ぐことを目的としていたり、その後の継続的な支援を行うことが目的なのであれば、乳児家庭訪問が、産後2か月なのは遅い気がします。出産後ではなく、産前から何度も同じ方に相談できたり、保健師さんや看護師さんだけではなく、もっと様々な方が広く訪問相談事業を担うことはできないのでしょうか、お答えください。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 野田議員さんの御質問にお答えいたします。
御質問の内容は、乳児家庭全戸訪問事業について、産後2か月後では遅いのではないか、産前から何度も同じ方に相談できないのか、保健師、看護師だけではなく、様々な方が広く訪問相談事業を担うことができないのかの3点かと思います。
一部先ほどの答弁とも重複いたしますが、まず本市のサポート体制といたしましては、子育て世代包括支援センターすまいるステーションを中心に、全ての妊婦さんに対して母子手帳発行時の面談というのを行っており、妊娠、出産期を安心して過ごせるよう、妊婦さんと一緒に子育て応援プランを作成して、そのプランに基づいて、校区担当の職員が、継続的に電話や面談、訪問等で相談や必要な情報提供、保健指導を行うこととしております。
1点目の御質問の訪問の時期につきましては、先ほども申し上げましたが、本市ではおおむね1か月から2か月の間に訪問いたしておりますが、これは産後2週間目と4週間目につきましては、産科医院さんにおいて産婦健康診査が行われておりますので、その後の引き続いたサポートの時期としての目安としているものでございます。
また、乳児家庭全戸訪問事業は、産前から産後、子育て期にわたる切れ目のない支援期間の一時期におけるサポートでございまして、保健センターの設定する時期にかかわらず、相談や心配事については随時御連絡いただくようお伝えしております。
2点目の同じ相手への相談という点につきましては、基本的に校区担当職員が相談に当たるようにしており、外出時等は急ぎでなければ帰庁してからの折り返し電話、それから急ぎの場合には、子育て応援プランに基づいて他の職員が対応を行っております。
3点目の様々な方による訪問相談につきましては、保健師、看護師以外に助産師も担当しており、また相談内容によっては、管理栄養士による相談対応を行っております。また、心身的、精神的な不調の場合には、先ほどの答弁で申し上げましたように、臨床心理士による対応を行っております。
地域でのサポート体制といたしまして、子育て支援ネットワーク事業というものの中で、主任児童委員等が生後5か月までの乳児家庭を訪問して、公民館等で実施する子育てサロンの情報提供などの見守り活動を行っているほか、市内9か所にあります地域子育て支援拠点において、随時子育て相談等を行っております。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) ありがとうございます。
保健師さんであったり、何々支援員さんみたいな方って、お母さんたちからすると少しだけハードルが高かったり、少し固いイメージがあって、なかなか相談できにくいものであったりすると思います。もう少しその相談に乗ってくださる方の幅を広げていただき、子育てされているお母さんたちの社会的健康がもっともっと促進され、現行の底上げとなるような支援をよろしくお願いいたします。