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(質問)
○ 次に、LGBTQ+について、理解増進と啓発の取組について伺います。
令和4年度に性の多様性に関するテーマで職場研修を行ったと伺っておりますが、具体的にどのような研修だったのでしょうか。
足立区では、画一的な対応はかえって人権を侵害するとし、各所属で具体的にどのような対応を取ることがふさわしいのかを考える素材として、足立区LGBTガイドラインを策定しています。
本市では、窓口業務や相談サービス等において、どのような対応を進めていくのか、お示しください。
また同じく足立区では、足立区教職員向けLGBTマニュアルを作成し活用されています。
本市では、教職員の方々向けの研修はされているのでしょうか。
市民の方向けでは、人権のつどい日等での講演会やDVD視聴などを開催、学校においても、保護者と生徒向けの研修をされているとお聞きしておりますが、参加された方々の声はどのようなものだったのでしょうか。理解増進につながっていますでしょうか。
令和3年3月に発行された第六次新居浜市長期総合計画の冊子は、基本構想や基本計画が写真やイラストを使用し大変分かりやすく制作されており、国際社会全体の開発目標、SDGsとの関連も明記されています。
しかし、この冊子には、LGBTQ、もしくは性的マイノリティーという言葉がどこにもありません。目標5のジェンダー平等を実現しようでは、人権の尊重、男女共同参画社会の形成、多様な主体による協働の推進、国際化の推進の4つ、唯一欄外に、新居浜市人権施策基本方針(令和2年度改訂)とあり、性的指向・性自認の説明、市民の理解と協力を得るための取組と相談・支援体制の整備の1ページ弱の内容でした。そして、災害時、岩手レインボー・ネットワークさん作成のにじいろ防災ガイドでは、物資の受け取りや男女別に設置された施設、仮設住宅に関する不安など、様々な困り事と対応策が書かれています。
新居浜市避難所運営マニュアルにも、同じくLGBTQ、もしくは性的マイノリティーに関する記述はどこにもありませんでした。本市としてももっと取り組むべきではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。
(市長答弁)
○市長(石川勝行)(登壇) 小野志保議員さんの御質問にお答えをいたします。
LGBTQ+についてのうち、理解増進と啓発の取組についてでございます。
まず、令和4年度に行いました職場研修につきましては、性の多様性について基礎的な知識を学ぶとともに、市職員に求められる市民への対応及び職員間の言動やプライバシー保護等の課題や問題点について話し合い、多様な性を理解し行動することの大切さを認識したところでございます。
次に、窓口業務や相談サービス等における対応についてでございますが、市への申請書や通知書における性別記載の際に、苦痛や不安を感じておられる方に配慮する取組といたしまして、性別記入欄を削除しても関連事務に影響のない63件について、順次様式変更することといたしております。
また、職員につきましては、継続的な職員研修等を通じて、さらなる理解の深化に努め、当事者に寄り添った性の多様性に配慮した適切な対応を進めてまいります。
次に、本市の避難所運営マニュアルについては、LGBTQ+の方などへの対応を含め、全ての避難者が安心して避難できる環境を整備、提供できるよう見直しを進めてまいります。
今後の取組といたしましては、人権のつどい日及びお茶の間人権教育懇談会等の開催により、市民の皆様に対し、LGBTQ+に対するより一層の理解促進を図るとともに、今後全市的な各種計画等の策定の際には、LGBTQ+当事者への配慮を計画等の中に盛り込んで有効な施策が展開できるように努め、個性が尊重され、安心して暮らすことができるまちづくりを推進してまいります。
(教育長答弁)
○教育長(高橋良光)(登壇) 小野志保議員さんの御質問にお答えいたします。
LGBTQ+についてのうち、理解増進と啓発の取組についてでございます。
まず、教職員向けの研修についてでございます。
令和5年度学校教育の指針におきまして、人は尊敬すべきものであるという考えの下、重点目標の一つとして人権教育の充実を掲げ、LGBTQ+についての理解を深めることとしております。
各学校では、職員会議や教職員研修において、人権同和教育研修を取り入れており、その中で性差による偏見や差別、LGBT理解増進法、カミングアウトとアウティングなど様々なテーマを取り上げるとともに、トランスジェンダーの方を取り上げた動画を視聴するなど、多様な生き方を認め合える社会について理解を深めております。
さらに、LGBTQ+に関する人権劇を教職員と生徒が一緒になって作り、全校集会で話し合うなど、誰もが過ごしやすい学校づくりに取り組んでいる学校もございます。
また、地区別人権教育市民講座に、勤務校区の教職員が積極的に参加しており、今年度は8つの中学校区でLGBTQ+に関わる内容の講座が開かれ、多様性と人権との関わりから、LGBTQ+についての理解を深めることができました。
次に、学校での保護者と生徒向けの研修への参加者の声と理解増進につながったかについてでございます。
ある中学校では、トランスジェンダーで戸籍上の性別を変更し、結婚された方をお招きして講演会を行いました。
参加した生徒の感想といたしまして、自分の価値観を人に押しつけないことが大切だと思った、男女で分けることでつらい思いをさせてしまうことがあることを知ったなど、多様な考えが広がっておりますほか、相談しやすい環境をつくっていきたい、自分もつらいことがあったら誰かに相談することを大切にしたいなど、人と人とのつながりや支え合いの大切さについて学べたことが分かります。
保護者の感想といたしましては、子供に自分らしく生きて、自分の人生を楽しみなさいと伝えたい、知ることから始め、当たり前のことにしていきたい、私たち大人が人を大切にする意識を持って生活したいなど、自分事として考えを深めることができたものと認識いたしております。
この成果を他校でも共有し、LGBTQ+への理解促進につなげてまいりたいと考えております。