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(質問)
○ 次に、福祉行政について質問をさせていただきます。
まず、乳がん検診についてです。
国立がん研究センターと国立成育医療研究センターは、11月15日、小児や15歳から39歳の思春期、若年AYA世代のがん患者のデータを集計し、15歳から39歳の若年がんの約8割を女性が占めていたとの調査結果を発表しました。AYA世代での多いがんの種類の内訳は、女性では乳がん34.2%、子宮頸がん、子宮がん25.4%でした。また、日本人女性が罹患するがんは、乳がんが一番多いようです。私の周りにも、子宮頸がん、乳がんの治療に懸命に立ち向かっていらっしゃる方もおり、元気になっていただきたい気持ちでいっぱいです。
新居浜市のがん検診では、20歳から39歳の女性はエコー検査、40歳からは、2年に1回、マンモグラフィー検査の対象となっております。
乳がんは、早期発見により適切な治療が行われると良好な経過が期待できます。早期の発見に必要なことは、自分の胸の状況をふだんから知っておくことで、ささいな変化にも気づくことができます。
自己検診を促すために、埼玉県朝霞市では、受診への意識づけとセルフチェックの大切さを考えるきっかけになるよう、30歳になった女性全員に、乳がんグローブを配布しております。乳がんグローブは、薄いフィルム製の3層構造で、グローブにてチェックすると、しこりなどの異物感がより分かりやすくなるそうです。
そこで、新居浜市の乳がん検診率の推移はどのようになっておりますか。
AYA世代での乳がん、子宮頸がんの罹患率が高いことが分かりましたが、子育て、お仕事に忙しくされている方が多いと感じます。がん検診へのアプローチや受診しやすい環境づくり、がん検診の受診向上のために取り組まれていることをお聞かせください。
新居浜市においても、イベント開催時や検診案内等で、乳がんグローブ配布の検討をしていただけるよう、お考えをお聞かせください。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 福祉行政についてのうち、乳がん検診についてお答えいたします。
本市の乳がん検診の受診者率の推移についてでございます。
市が実施する検診以外に、個別検診や企業における検診等、受診形態が様々でありますことから、市全体での乳がん検診受診者率の算出は困難ですが、市が実施する40歳以上の乳がん検診の受診者数につきましては、コロナ禍の影響により、令和2年度は1,683人、令和3年度は2,404人、令和4年度は2,416人となっており、現在コロナ前の令和元年度2,834人の水準への回復を図っているところでございます。
次に、がん検診へのアプローチや受診しやすい環境づくりといたしましては、申込みの利便性の向上を図ることを目的としたウェブ予約の導入や集団健診の休日開催、また乳がん検診の入り口年齢である年度末年齢40歳の女性には無料クーポン券を発送し、集団健診、または市内委託医療機関での個別検診が受けられる体制づくりを行っております。
また、若年女性への取組として、18歳から39歳を対象としたレディースデーを年5回実施し、託児機能を設け、小さいお子さんがいる方も気軽に受診していただけるような環境づくりを行っております。
次に、受診率向上のための取組といたしましては、集団健診カレンダーの市政だよりへの折り込みや市の公式LINEでの発信、フリーペーパーへの掲載や節目年齢等での受診勧奨はがきの送付を行っており、また特に若年世代の検診受診への意識づけや受診率の向上を目指して、市内の幼稚園、保育園のほか、子育て拠点施設へチラシやポスターの配布を行っております。
次に、乳がんグローブ配布についてでございます。
本市においても、乳がんの早期発見のためには、定期的ながん検診の受診やふだんからのセルフチェックが重要であると認識いたしており、集団健診時に、がんの乳房触診モデルの展示や自己触診の重要性、入浴時に気軽にできる具体的な触診方法を啓発するパンフレットを配布いたしております。
乳がんグローブにつきましては、決して安くない使い捨ての商品であり、各種イベントや検診案内などで配布する場合には約7,500人が対象と見込まれます。
このようなことから、現状といたしまして配布することは困難でございますので、本市といたしましては、引き続き乳がんパンフレットを活用した自己触診の周知や定期的ながん検診の重要性について啓発を行い、乳がん検診の受診率向上に努めてまいりたいと考えております。