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(質問)
○ では次に、独身男女の出会いの場の創出について質問いたします。
2020年度に策定された第六次新居浜市長期総合計画には、基本計画7-1-2、出会い・結婚支援の推進とあります。この計画にのっとり、新居浜市には独身男女の出会いや結婚を応援する事業がありますが、それらの取組の現状や成果、課題等を教えてください。
また、本市独自の取組がありましたらそちらも教えてください。
ところで、皆さん、Pairsは御存じでしょうか。マッチングアプリなのですが、大手マッチングアプリの中でも知名度、お勧め度の高いアプリなので、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
先日、人口減少対策特別委員会の視察で伺った三重県桑名市では、このPairsを運営する株式会社エウレカと連携協定を結び、交際、結婚を望む男女の出会いの機会を創出し、市民一人一人が幸せを実感できるウエルビーイングなまちづくりを推進されています。
先週、東京都が独自のマッチングアプリを2024年度に提供開始するとのニュースが某朝のニュース番組でも取り上げられておりました。耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
国の調査によると、減少傾向にあるものの、いずれ結婚するつもりと考える18歳から34歳の未婚者が約8割いるそうです。そして、職場や友人を介した結婚が減り、SNSやマッチングアプリといったインターネットサービスを利用して知り合った夫婦が増加し、最近の結婚の1割を占めているそうです。
また、桑名市独自のアンケートでは、行政が行っている出会いのサービスについて、約96%の人が名前や支援内容を知らず、実際に利用している人は約1%、今後利用の意向がある人は約47%だそうです。
その一方で、マッチングアプリや婚活サイトについては、約82%の人がサービスを知っており、実際に利用している人は約18%、今後利用意向のある人は約57%と、マッチングアプリの認知度の高さや信頼度、利用のしやすさ等がうかがえる調査結果が出たそうです。
交際や結婚を希望する若者に対して、その希望が実現できるように応援したい桑名市と少子化、未婚化の解消という社会課題解決に向けた役割を果たしていきたいエウレカが、お互いの強みを生かし、補い合いながら、若い人たちのニーズや感性に寄り添った支援を行っていることが非常に面白いと感じました。
そうはいっても、まだまだマッチングアプリ自体に対する安全面での不安や、恋愛や結婚に対する不安、ネガティブなイメージ等もあります。桑名市では、ペアーズコンシェルジュと呼ばれる人の恋活・婚活オンラインセミナーを開催し、マッチングアプリと出会い系アプリとの違いやこのような活動を楽しく充実したものにするための上手な使い方のコツを配信し、マッチングアプリに対する不安や利用への抵抗を払拭する取組や、さらにもう一歩踏み込んで、同じくペアーズコンシェルジュが個別に対面にて恋愛相談や自分に合った相手の選び方や恋愛の進め方をレクチャーしてくれるイベントも行ったそうです。成婚率や出産をゴールにはせず、とにかく若い人たちに寄り添い、出会い自体の機会や出会い方の選択肢をつくること、そしてそこに案内することが市としての役割だという旨の説明を受けました。若い人たちの感覚ややり方にとことん合わせた支援が面白く、すばらしい取組だと感じました。
そこでまず、成婚率や出産ではなく、出会いの場の創出に視点を置いた桑名市の取組について、本市としての見解をお伺いいたします。
また、桑名市では、独身証明書と呼ばれる証明書を利用して、さらに安心、安全にマッチングアプリを利用しての婚活を応援する仕組みもありました。
東京都では、この独身証明書の提出を義務づけて先ほどのアプリの利用をしていくそうです。
資料2を御覧ください。
こちらが私の独身証明書です。子供が3人おりますが、ぴかぴかの独身です。市役所の窓口にて発行できると伺ったので取ってみました。市民課に行き、青色の申請用紙、戸籍証明等交付申請書ですね、こちらに記入しすぐにもらえました。若い人に寄り添いつつ、安心、安全が保証されるという仕組みは、本当に大切なことだと思います。
今回の質問に当たり、新居浜市にも独自にアプリを作成し、若い人たちの出会いの場をつくったり、地域の活性化を目指す動きがあることも知りました。生まれたときからインターネットやSNS、スマートフォンが普及、定着している若い人たちと私たちには、それらインターネットやSNSとの付き合い方やその当たり前に大きな相違があるように思います。どちらが正しい、正しくないではなく、そうなのだと、こちらから若い人たちのやり方や感覚に合わせ歩み寄る、これが本当の支援の在り方なのではないかと思います。
大手マッチングアプリやこのような御当地アプリを活用し、独身男女の出会いの場の創出に取り組まれてはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
(市民環境部長答弁)
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 独身男女の出会いの場の創出についてお答えいたします。
まず、出会い・結婚支援の推進の取組の現状や成果、課題についてでございます。
本市では、愛媛県が平成27年にえひめ結婚支援センターなどに委託し開発したデジタル機器を活用した独自のマッチングシステムである愛結びを活用し、平成29年度から結婚を望む未婚の男女に出会いの機会を提供し、結婚を支援する縁結びサポート事業を行っております。
本事業では、タブレットやスマホを使って、自身の好みの相手を探す愛結びマッチングシステム事業と独身者が参加する婚活イベントを定期的に開催し、出会いの機会を提供する出会い交流イベント事業を実施しており、令和4年度におきましては、76組がマッチング、6組が成婚、今年度は、11月末現在で49組がマッチング、7組が成婚する成果を上げることができました。
課題といたしましては、マッチングシステムを利用するためには、愛結びへの会員登録が必要となりますが、本市の登録者は122人で、登録者が伸び悩んでおり、本事業のさらなる周知と会員の増員が必要と考えております。
本市の独自の取組といたしましては、出会い交流イベント事業で旧別子登山や乗馬クラブでの乗馬体験など、本市の特性等を生かした魅力あるイベントを開催することで、他市町との差別化を図っております。
次に、桑名市の取組についてでございます。
桑名市の取組は、大手運営会社と連携し、成婚率や出産といった成果について重きを置くのではなく、参加される方のニーズに合った出会いの場を数多く創出することを主眼に取り組まれており、また行政が後押しすることで、より参加しやすい環境が形成され、最終的には成果にもつながるといった好循環が形成されているのではないかと感じております。
次に、大手マッチングアプリや御当地アプリを活用した独身男女の出会いの場創出の取組についてでございます。
本市が活用している愛結びは、愛媛県が他県などに先駆けて開発したものであり、利用者の活動履歴等をビッグデータとしてシステムに蓄積し、利用者の好みの条件に合致しなかった相手の中からもマッチングする可能性がある相手を抽出するレコメンド機能を有しており、これによりマッチングする確率が格段に上がったことで、現在、四国の他の3県を含む20の県と1つの市で活用されており、大手マッチングアプリにも劣らないものであると考えております。
しかしながら、会員登録が伸び悩むなどの課題点もございますことから、先進地の事例や御当地アプリの開発成果などについても調査研究し、常に時代のニーズに合っているのかどうかの視点を持ち、出会いの場の創出の有効な取組となるよう推進してまいります。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) 桑名市独自のアンケートの結果でもあったように、やはり行政が行うサービスの強みというのは、安心、安全というところかと思います。そして、大手マッチングアプリのようなところの強みというのは、その認知度とあとは登録のしやすさかと思います。新居浜は、四国4県のどの県庁所在地からも高速道路を使って1時間半で行き来できるのだそうです。お互いの強み、そしてそれを生かし合いながら、ぜひこのようなアプリ等を活用し、またこれまで以上の支援を行い、新居浜が四国の独身男女の出会いの聖地となるような取組を楽しみにしております。ありがとうございました。