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(質問)
○12番(白川誉)(登壇) 自民クラブの白川誉です。
一般質問最終日の最後となります。最後に白川なんてもうおなかいっぱい的な空気感を感じていますが、質問のボリュームは盛りだくさんで早口となると思いますが、御理解いただきつつ、発展的な御答弁をよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従い質問いたします。
新居浜KENPOSについて質問いたします。
新居浜KENPOSとは、日々の歩数や体重、血圧などの自分の情報が簡単に記録でき、市民の健康管理を助ける健康アプリです。スマートフォンから歩数を自動記録し、1日の歩数に応じて毎日ポイントがたまり、新居浜市の地域ポイントのあかがねポイントと交換し、使うこともできます。
先日、人口減少対策特別委員会の付議事件調査として、栃木県宇都宮市の健康ポイント事業を視察させていただきました。18歳以上の市民が対象で、宇都宮市健康ポイントアプリ、もしくは紙の活動記録票での参加となり、1年間でたまったポイントは、翌年度に市内飲食店などで使える割引券や市有施設の利用券との交換、さらには寄附をすることも可能な事業となっています。
ここまで聞くと、どこの自治体でも昔からあるような健康ポイント事業で、新居浜KENPOSとも同じような話に聞こえますが、これからの話が、宇都宮市の大きな特徴となります。それは、この事業で集めたデータを、健康寿命の延伸に向けて科学的な根拠に基づく新たな事業の展開に活用するとともに、市民一人一人の主体的な健康づくりへの取組につなげるため、市民の健康状態に関する市全体や地域別の特性、課題を明らかにしている点です。保健福祉分野のほか、交通や都市整備など、分野横断的にデータを収集、分析し、宇都宮市独自の健康度の指標を設定、連合自治会圏域39地区ごとの健康状態を数値化しています。
このように、相関係数を用いて健康度と関連する項目を広く解析し、図やグラフを用いて見える化した分析ブックを作成、配布していることには正直驚きました。ちなみに、この分析に用いたデータは、人口動態、公共交通、生活利便施設等、庁内が保有しているデータと健診データ、医療・介護レセプトデータなどの国保データベース、そして生活習慣や運動習慣、地域活動などの市民アンケート調査のデータとなっており、単なる健康増進のためのポイント事業ではなく、収集したデータを地区ごとに分析し、その結果を地区ごとに共有していることがすばらしいと思いました。実際に、健康ポイント事業への参加割合が高い地区や平均歩数が高い地区ほど、1人当たりの医療費が低い傾向であることや、生活習慣健康度が高い傾向であることなど、分析結果として出てきているとのことでした。
また、このような収集データを効果的に利活用するには、対象人口の10%程度の参加が必要であると言われていますが、宇都宮市は現時点で人口の約8%程度と順調に増えており、令和9年には、人口の約16%にする目標に上方修正したとのことでした。まさに、政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化した上で、合理的根拠、エビデンスに基づくものとするEBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングの推進を宇都宮市は既に行っています。政策効果の測定に重要な関連を持つ情報や統計等のデータを活用したEBPMの推進は、政策の有効性を高め、市民の行政への信頼確保に資するものとされ、全国の自治体で広がりを見せています。
一方、新居浜KENPOSの現在の登録者は約2,350人、18歳以上の人口割合であれば約2.5%となります。今年度の目標は3,000人とのことですが、収集データを効果的に利活用するための18歳以上の人口割合10%を計算すると約9,700人の参加が必要で、残り7,350人となります。徐々に増やしていくというやり方もありますが、EBPMの推進を考えたとき、ここは一気に増やす、参加人数を爆上げするような取組をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
そのためには、市民の積極的な参加促進と歩数を増加させるための仕掛けづくり、例えば紹介キャンペーンや地区ごとのウオーキングコースでポイントがたまるチェックポイントの設置、さらには国保以外の保険者の協力など、さらなる工夫が必要であると考えます。
また、歩くことも交通の一つと捉えたとき、公共交通の利用ポイント付与についても検討していく必要があると思います。
現在、検討している参加者を増やす方策と併せて、御見解をお聞かせください。
また、そのための財源確保について、今の新居浜市の財政状況を考えたとき、このKENPOS事業を広げることが、医療や介護給付費の削減につながる可能性があり、有効的な事業であると分かっていても、思い切った予算配分は厳しいとも認識しています。であれば、SIB、ソーシャル・インパクト・ボンドの導入を改めて提案したいと思います。
資料を御覧ください。
このソーシャル・インパクト・ボンドは、行政の成果連動型の支払い契約と民間資金の活用を組み合わせた官民連携手法の一つで、初期投資を民間資金で賄い、成果報酬型の事業となるため、複数年度にわたる事業として設計し、初期投資に大きな費用を要する予防的な事業に取り組む際に特にその効果を期待することができます。言い換えてみれば、課題解決のために適切な対策を行えば、長い時間がかかったとしても定量的な成果を得やすい分野、まさに健康増進による医療・介護給付費の適正化という将来発生することが予想されるが、予防によって回避しやすい分野がSIBには適していると思います。
このSIBについては、約4年前の令和2年2月の一般質問の際に初めて提案させていただきましたが、当時、SIBに習熟した職員の育成が必要であるため、まずは庁内における推進体制について検討してまいりたいとの答弁があって以降、その動きが見えていない状況です。財政状況が厳しい今だからこそ、例えばアプリ提供事業者であるとか、先端技術を活用しながら、スマートシティーの実現を推進している新居浜地域スマートシティ推進協議会であるとか、KENPOSポイントの交換先である新居浜あかがねポイントの運営グループなどに対して、民間資金提供者としてKENPOS事業への参画を打診してみるなど、このKENPOS事業を加速化させるために、ソーシャル・インパクト・ボンド導入モデルとしての検討を進めていただけないでしょうか、御見解をお聞かせください。
(市長答弁)
○市長(石川勝行)(登壇) 白川議員さんの御質問にお答えをいたします。
新居浜KENPOSについてでございます。
事業推進とソーシャル・インパクト・ボンドについてお答えいたします。
現在、参加者を増やす取組といたしまして、新規登録や友達紹介、日々の歩数に対するポイント付与、頑張っている人への抽せんによるポイント上乗せをするイベントの開催など、参加動機の強化に努めるとともに、アプリ登録に不慣れな方に向けては、様々なイベントに出向いて登録支援を行っております。
今後は、公共交通の利用によるウオーキング効果についても検討するとともに、KENPOSの様々な活用方法を周知することで、市民の興味関心をさらに高める取組を行っていきたいと考えております。
参加者数を一気に増やす取組についてですが、波及効果や医療費等の抑制効果等を期待し、参加者数は、本市におきましても、人口の1割程度を目標としているところであり、市全体でその機運を盛り上げるためには、短期間で集中的に参加者数を増やすことが効果的であると考えております。
しかし、そのためには、効果的な手法についての調査研究や財源の確保が必要になってまいります。
御提案のソーシャル・インパクト・ボンドの活用につきましては、行政にないマーケティング手法や研究的視点も取り入れ、成果に対価を連動させることから、目標達成に向けた調査研究と財源確保の両面から期待できます。これまで本市での実績はありませんが、官民連携の新しい在り方として最近は導入事例も報告されておりますので、その成果や課題も調査研究した上で、KENPOS事業への導入の可否を判断してまいりたいと考えております。
(再質問)
○12番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。2040年の医療・介護給付費は、2018年度に比べて1.8倍以上に膨らむ見通しであるとの政府から出された推計値もあります。今のうちから適正化に向けての効果的な事業は、EBPMの推進と併せて、投資的な発想も入れて推進していただくことを要望して、次の質問に入ります。