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(質問)
○ 次に行きます。
空き家対策について質問します。
今年の10月、NHKみんなでプラス2040年空き家数全国予測マップでの新居浜市の予測は、2018年の6,710戸に対して2030年には9,560戸と約3,000戸増加し、2040年には1万2,370戸と約6,000戸増加するという衝撃的な予測がされました。この数字は、NHKが明治大学の教授に協力を依頼し、空き家問題の未来を見える化したものではありますが、この予測に対して、新居浜市の見解と新居浜市が考える今後の予測について教えてください。
新居浜市では、平成29年に新居浜市空家等対策計画を策定し、現在空き家に関する相談窓口や空き家の適切な管理をお願いするチラシの送付、老朽危険空き家、いわゆる特定空家への対応やそれに伴う除却補助を行っています。
今日は特定空家になる前の空き家、すなわち一般的な空き家について、予防という視点から質問いたします。
そもそも空き家とは言っても、民間と民間の話であるため、特定空家になっていない空き家に対して踏み込みにくいということは重々承知をしています。しかし、一般的な空き家が特定空家になった際には、市民の皆様からいただいた税金の一部で除却するわけで、民間と民間の話だからと放っておくわけにはいかないと思います。
2021年4月に民法が改正され、今年4月27日開始の相続土地国庫帰属法と来年4月1日開始の相続登記の義務化が大きな目玉となっていますが、このほかにも注目すべき新制度があります。それが、今年の4月1日施行の所有者不明土地及び建物管理制度と管理不全土地及び建物管理制度です。この制度は、所有者不明となっている不動産について、裁判所が管理人を選任する制度です。相続土地国庫帰属法や相続登記の義務化が、所有者不明土地の発生を予防するための方策であるのに対して、この制度は、所有者不明土地や建物を活用するための方策であると言えます。また、管理不全の不動産により被害を受けられている方にとっては救世主になり得る制度だと考えられます。地方裁判所への申立てから始まり、許可を得れば不動産の売却や建物の取壊しなどの処分も可能になります。
そもそも所有者不明の空き家、管理不全の空き家は、市内にどれぐらいあるのでしょうか。一部昨日の河内議員の質問と重複しますが、それぞれの定義と戸数を併せて教えてください。
また、この制度の申立て権者は、利害関係人及び地方公共団体の長などに限られており、申立人は予納金を支払う必要がありますが、問題が解決すれば返ってきますので、空き家や空き地の課題解決や不動産の流動化を考えたとき、新居浜市が申立て権者としてこの制度を活用することは費用対効果も高い事業になると考えますが、御見解をお聞かせください。
(建設部長答弁)
○建設部長(三谷公昭)(登壇) 空き家対策についてお答えいたします。
2040年空き家数全国予測マップについてでございます。
まず、空き家の戸数が2018年の6,710戸から2040年には約6,000戸増加するというNHKの予測については、人口減少社会の加速や総住宅数が総世帯数を上回り、その差が徐々に開いていることなどが空き家増加の大きな原因であると考えております。
本市においても、空き家等の相談件数が年々増加しておりますことから、今後も増加していくと予想しております。
適切に管理されていない空き家の増加は、防災、衛生、景観など、地域の生活環境に深刻な影響を及ぼすことから、新居浜市においても重要な問題であると考えております。
次に、所有者不明空き家及び管理不全空き家の定義と件数についてでございますが、調査を尽くしても所有者が特定できない所有者不明空き家の件数については、近隣住民からの相談により所有者等を調査した結果、判明した件数のみの把握ではございますが、13件を確認しております。
また、老朽化の進行や適切な管理が行われていないため、保安上や衛生、環境に支障のある状態となっており、放置すれば特定空家になるおそれのある管理不全空き家の戸数については、現在、新居浜市では基準を定めていないことから、正確な戸数を把握できておりませんが、老朽度が高いため、本市が管理不全空き家と想定しているものは約400件ございます。
また、空き家対策における財産管理人制度の活用については、予納金の返還が見込めれば、実質的な負担がなく、管理不全空き家の解消が可能となることや行政代執行等と比べて自治体の負担が少ないことなど、多くのメリットがあることから、所有者不明空き家の問題解決に向け、大変有効な制度と考えており、現在、当制度の活用に向けた取組を進めているところでございます。
(再質問)
○12番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。よろしくお願いします。
空き家がさらに増えていく今後を考えると、空き家の発生防止だけではなく、空き家の利活用を進めるためのコーディネーター役の育成も必要であると思います。民間人の登用を含めて、地域に新しい価値を提供し、地域資源を有効活用して活躍する人材育成事業も検討していただくことを要望して、次の質問に入ります。