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3 解決困難な課題について/(1)保育士確保

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ページID:0133427 更新日:2024年2月19日更新 印刷用ページを表示する
<外部リンク>

議員氏名

白川誉

本会議年

令和5年

定例会月

12月

内容

(質問)
○ 保育士確保について質問いたします。
 現在の新居浜市内の公立保育園は、年齢別配置基準を満たして保育士を配置できているとお聞きしていますが、民間の保育園などを含めたハローワークの求人情報を見てみると、30件以上の求人が出ている状況で、新居浜市全体の子育て環境の充実を考えると、保育士確保は大きな課題となっています。
 保育士は、誰でも簡単になれるわけではなく、合格率20%台の国家資格の取得が必要な職業です。子供の命を守る責任の重圧を感じながらの生活サポート、保護者とコミュニケーションなど、体力的にも精神的にもタフさが求められます。
 保育士不足解消のために、国による働き方改革の実施や処遇改善措置などの対策、新居浜市においては、保育士修学資金貸付事業やスキルアップ加算、UIJターン保育士等支援事業費補助金など、全国共通の課題として力を入れていますが、なかなか解決には至っていない現状があります。
 今日はこの問題をあえて俯瞰的、逆説的に考えてみたいと思います。
 よく言われている配置基準を加配して職場環境を充実すれば、保育士不足は本当に解消できるのか、よく言われている給料の引上げをすれば、保育士不足は本当に解消できるのか、仮に今、保育士不足が解消できても、これから子供の数が減ってくる中で、飽和状態になった場合はどうするのかなど、点や目先だけで考えるのではなく、面として総合的にみんなで考えていく必要があると思います。ひょっとすると配置基準や賃金などの目に見える部分ではなく、職場の人間関係や自分が思っていた保育方針と違うからなどの目に見えない部分が原因なのかもしれません。ただ、いずれにしても、保育士確保は喫緊の課題であるため、限られた予算の中で、要望を伝えるだけではなく、予算がない中でも今すぐできる方策は全て実行してみるぐらいのマインドで進めていくことは大切であると考えます。
 一つ切り口を変えて提案したいと思います。
 それは、潜在保育士の掘り起こしという切り口で、保育士さんの働き方の選択肢を増やすという取組を実行してみる提案です。
 現在、愛媛県内の潜在保育士の数は約9,000人と言われていますが、人口比率で計算すると、新居浜市内には約800人前後の潜在保育士がいることが想定できますが、行政として潜在保育士の把握はどのようにされていますでしょうか、お伺いします。
 この潜在保育士さんは、ブランクがあるため、いきなり保育園で働くのは抵抗があるのではないか、ひょっとして子育て真っただ中の保育士さんは、自分のペースであれば働いてくれるのではないかなど、どうして現在保育の仕事をしていないのか、どうすれば保育業界に携わってもらえるのかを深掘りして考えたとき、保育士の資格を生かした働き方の選択肢を増やすことも方策ではないかと考えます。
 その一つとして、ベビーシッターという仕事を地方にも醸成していくことはいかがでしょうか。これは、直接的な解決策ではないかもしれませんが、この保育士さんの働き方の選択肢を増やすことで、潜在保育士の方が、将来的に保育園でも働いてもらえるみたいな流れができればと思います。一般論として、ベビーシッターは、都会でニーズがあるだけで、地方ではニーズがないと言われます。そもそも新居浜市内でベビーシッターを提供している方は少数です。ただ、人口の3分の1が市外からの転入という新居浜市の特徴や今の一時保育や産後ケアのニーズの多様化などを考えたとき、ベビーシッターのニーズも一定数あるのではと私は思います。転勤族が多い中で、身内が近くにおらず、お願いする人がいなくて困っている方がいるかもしれません。ベビーシッターに資格は必要ありませんが、保育士資格を持っている方がベビーシッターを行ってくれるのであれば、安心してお願いする人も増えると思います。
 現在、国のほうでは、企業負担70円で1日4,400円分までの補助が受けられるこども家庭庁企業主導型ベビーシッター利用者支援事業がありますが、地方では、ベビーシッターの提供者が少ないこともあって全く浸透していない実情もあります。ちなみに、ベビーシッターの類似事業として、新居浜市にはファミリー・サポート・センターがありますが、主に送迎の依頼が多く、保育、育児サポートの提供は少ない現状であることを考えると、民間企業との連携によるベビーシッター事業の推進は、うまく融合できると思いますし、子育てを応援する選択肢も増えてよいのではと考えます。
 以上のことから考えたとき、地方だからという固定概念を一度捨てて、まずは新居浜市内のベビーシッターのニーズ調査を行ってみてはいかがでしょうか。
 あわせて、ベビーシッターのマッチング事業者との協定を締結し、保育士に特化したベビーシッター事業、もっと言うと、保育士さんの社会的地位をさらに上げるためにも、ベビーシッターという呼び方を変えた新居浜市独自の保育士さんによる子育て応援事業の共同開発など戦略的な連携を検討していただけないでしょうか、御見解をお聞かせください。
 今必要なのは、子育てを応援する価値観を変える、視野を広げることが重要だと思います。例えば、今の子育て世代に対して、子育て中にネイルやエステに行きたいなんて思うのはとんでもない。昔と比べて今は子育てに対する支援メニューは多いじゃないかという価値観の中で子育てに関する施策を考え決めてしまってはいないかと私も含めて一度見詰め直す必要があると思っています。昔と比べて共働きが増え、生活スタイルも多様化している現在において、時代に合った価値観を理解した上で、人口減少対策の中身を考えていく必要性や保育士確保についても保育の現場で古い価値観を志の高い保育士へ押しつけてしまってはいないかなどについても一度振り返ってみる大切さを感じますが、これらのことについてどのようなお考えか、御見解をお聞かせください。
(福祉部こども局長答弁)
○福祉部こども局長(沢田友子)(登壇) 保育士確保についてお答えいたします。
 まず、保育士の資格を有していながら保育園で就労していない潜在保育士につきましては、新居浜市においても少なからず存在していると想定しておりますが、人数については、調査方法がないため把握しておりません。
 次に、ベビーシッターニーズ調査につきましては、保育士の確保に向け、潜在保育士の掘り起こしという観点で、まずは短時間から自分のペースで得意分野を生かしたベビーシッターとして保育の現場で活躍していただくことは、保育士資格の活用として有効であると考えております。
 今後、ベビーシッターなどの子供の預かりサービスについて、本市の子育て世代の方へのニーズ調査を行い、需要の有無について把握を行ってまいります。
 次に、ベビーシッターのマッチング事業者との協定締結など戦略的な連携につきましては、まずは本市で運営が可能である事業者の方々と官民協働による本市の特性に合ったメニューについて意見交換を行い、ニーズ調査の結果も踏まえた取組を進めてまいりたいと考えております。
 次に、子育てを応援する価値観及び視野を広げる必要性についてでございます。
 先月、イオンモール新居浜において、高校生や企業の管理職を対象とした子育てに関する理解を深めるイベントや昔と今の子育ての違いなどをテーマとしたパネル展などを実施いたしました。参加者からは、今後もこのようなイベントを実施してほしい、世の中がようやく変わりつつあると思った、今の子育て事情や価値観の違いを知ることが重要などの声が寄せられました。
 共働き世帯が増え、生活スタイルも多様化する中、世の中の価値観も変化を続けています。
 このような状況を社会全体が理解し、支え合うことで、子育て中の方々が気兼ねなく希望に満ちた生活を送ることができると考えております。
 また、保育の現場における価値観の変化につきましても、各保育士がセルフチェックシートなどを活用した日々の保育の振り返りを行い、常に進化していく保育理念やスキルを職場研修を通じて情報共有していくことで、保育の質の向上が図られ、保育士が働きやすい環境の整備や人材確保につながるものと考えております。
(再質問)
○12番(白川誉)(登壇) 先ほどニーズ調査というお話がありましたけども、現役の保育士さんのアンケート調査とかというのは日々やられていただいているんで感謝しているんですが、それは引き続きやっていただきつつ、これからは潜在保育士の方のニーズを拾い上げるっていうところが、今こそ価値があると思いますので、並行して進めていただきたいというのと、前向きに民間企業との連携について御答弁いただきましたので、1点だけ質問させていただくんですが、先日、東京都に本社がありまして、インターネットを使った人気ベビーシッター企業と私のほうからコンタクトを取りまして情報交換をさせていただきました。ベビーシッター文化の地方醸成については、計画中とのことでしたので、発展的かつ具体的な情報交換となりました。実は、今回の質問内容については既に共有していまして、本日の議会答弁も東京から中継で聞いていただいております。こちらの企業さんに限定するわけではないんですけども、これからの検討材料の一つとして、先方とのオンライン会議などを行っていただけないでしょうか。
(福祉部こども局長答弁)
○福祉部こども局長(沢田友子)(登壇) 白川議員さんの御質問にお答えいたします。
 オンライン会議を検討していただけないかとのことでございますが、支援の手を必要としている子育て世帯への担い手となる地域資源の開拓は、これからの重要な取組の一つでございますので、本市における運営の可能性についての情報・意見交換については、オンライン会議も含めて実施してまいります。
(再質問)
○12番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。よろしくお願いします。地域の課題に対して、これからは要望を伝えるだけではなく、行政とか議員とか立場も関係なく、今できる人が今できることを持ち寄りながら、解決に向けて取り組む必要があると思います。私も尽力しますので、引き続きの御尽力をお願いして、次の質問に入ります。