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(質問)
○4番(野田明里)(登壇) では次に、借金と貯金についてお尋ねします。
地方債、つまりローンの返済額の大きさが、新居浜市の年収全体のどの程度を占めているかを表す実質公債費比率。25%を超えるとイエローカードとなるこの数字が2.2%と非常によい数字でした。
さらに、将来負担比率という将来負担すべきローンの大きさを表す数字も4.4%、これは今も将来も今のところは借金の負担が少ないということです。
次に、貯金、つまり基金についてです。
新居浜市には様々な基金がありますが、基金全体で見ると増加していますが、何にでも使用することができる財政調整基金という貯金額は、年々減少しています。なぜこんなに財政調整基金が減少しているのでしょうか。そして、これはどんな問題をはらんでいるのでしょうか、分かりやすく教えてください。
(市長答弁)
○市長(石川勝行)(登壇) 借金と貯金についてお答えをいたします。
まず、財政調整基金が減少している理由についてでございます。
本市の財政調整基金残高につきましては、県内他市と比較いたしまして、もともと少ない金額で推移をしておりました。それは、他市と比べ、大規模な合併をしなかったため、有利な起債である合併特例債の発行可能額が極端に少なかったこと、また健全財政を維持するために、逆の指標となる公債費の残高を抑制し、借金の代わりに基金の取崩しを行ってきたことなどが要因となっております。
この数年の財政調整基金残高減少につきましては、高校生までの医療費無償化や小中学生へのタブレット配布など、新たなニーズへの対応や新型コロナ感染拡大の影響に伴う支出の増加、総合防災拠点施設や西部学校給食センターなどの建設費により一般財源の支出が増加し、その結果、平成30年度以降、実質単年度収支の赤字が続いており、基金の取崩しが必要となっていることが理由と考えられます。
次に、財政調整基金の減少に伴う問題点についてでございます。
財政調整基金がなくなると、補正予算を組めないといった状況も考えられます。
また、大規模災害等が発生し、道路の復旧や災害ごみの処理など、一時的に多額の支出が必要となった場合に、基金すなわち貯金がないため、その対応ができず、他の事業の凍結や中止といった緊急回避的な措置を検討しなければならないケースも想定されます。
本市といたしましては、歳入に準拠した予算編成を断行し、従前に増したスクラップを基本とした事業の見直しや公共施設の統廃合を行うなど、財政調整基金残高の回復を目指してまいります。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) 1点お尋ねいたします。
スクラップとおっしゃいましたが、では具体的にどのようなところを削っていこうとお考えか、教えてください。
(市長答弁)
○市長(石川勝行)(登壇) 野田議員さんの再質問にお答えをいたします。
スクラップといっても、たくさんいろいろなことがあるんですが、一応事業の目的を達成したもの、あるいはあまり効果のない事業、そういうふうなものをまず廃止して、新たな効果のある事業に予算をかけていくということでございます。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) しつこくて申し訳ありません。
実際にどのような分野のところか、もう少しだけ具体的に教えていただければ、お願いします。
(市長答弁)
○市長(石川勝行)(登壇) 令和6年度当初予算の中での廃止事業、スクラップにつきましては、例えば航路泊地整備事業、3,800万円ほどあったもんを一応廃止するというふうなことも行っております。
あと金額的には少ないんですけれども、今までやっていた走る広告塔事業とか、競技スポーツ強化事業、あるいは新居浜市スポーツ未来創造事業といった、細かいんですけれども、一応目的を達成した、あるいはあまり効果が出てない、そういうふうな事業の見直しを行って今回廃止を行っております。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) ありがとうございます。
ここまでのレクチャーで新居浜市の年収、その使用目的の柔軟さ、借金と、それぞれ悪くない状態であることが数字からは分かりました。
しかし、数字で見る状況と皆さんの満足感のようなものが比例していないように思います。それは、扶助費と呼ばれる子育て、障害、高齢、貧困など、生活に困っている人たちを社会全体で支えるためのことにたくさん使われているためかなと思います。扶助費は、義務的経費、いわゆる生活費に当たります。生活費はなかなか目に見えにくく、また当たり前となりやすいため、実感が得られにくいのかなと思います。
もう一点は、新居浜は何かに突出しているのではなく、バランスよく満遍なくお金が使われているため、何に使われているか、私たち一般の住民には分かりにくいところなのかなと思います。
冒頭でも申しましたように、苦手意識を持たれている方や気になるけどどこで知ることができるか分からないとおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。西条市は、たくさんの表やグラフと分かりやすい言葉を使い、誰にでも分かりやすく、そしておっと目を引くかわいらしいデザインで年に1回程度、市政だよりで西条市のお財布事情を掲載されているそうです。拝見してみたところ、読み進めたくなるものでした。バランス重視型なのであれば、ぜひ財政についてもっと積極的にかつ誰にでも分かりやすいような発信をもっともっと行っていただきたいと思います。
また、もしかしたら、何かに突出したほうが分かりやすく、満足感も得られやすく、何かに突き抜けた財政、それ自体が新居浜市の魅力にもなり得るのかなとも思いました。現在、それほど悪くない状態とはいえ、類似団体の中で見たときには、決してよいとは言えない部分も多く、今後財政の課題が出てきた際には、私たち市民一人一人が自分でしっかり考えたり、行政と市民が一緒に問題解決に取り組めるような雰囲気づくりを積極的に行っていただきたいと思います。
今日の私の質問は、こちらにいらっしゃる理事者の皆様そして先輩議員の皆様にとっては当たり前のことで、野田は何を質問しているんだと思われている方も多いと思いますが、分からない方にとっては、今日のやり取りすら本当に難しく、分からないものです。分かる方に目線を合わせたのではなく、分からない私たちにぜひぐっと目線を下げて、その目線でお伝えしていただけるような、そんな気持ちが伝わるだけでも皆さんの満足感はぐっと上がっていくのではないかと思っています。
そしてさらに、その先に一人一人が何が本当に必要であるのか、何が必要でないのか、どういう町になっていけばいいと思っているのかを考えていく、そんな町になっていけばいいなという要望で、私の質問を終わります。ありがとうございました。