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(質問)
○ それでは、最後の質問に移ります。
コドマモアプリによるネット被害防止について伺います。
スマホ保有率の高さは、子供社会にとっても例外ではなく、内閣府の調査によると、子供が自分専用のスマホを利用している割合は、小学生が64%、中学生が91%、高校生が98.9%となっています。同調査によると、インターネット接続機器のいずれかの機器で、撮影や制作、記録をすると回答した青少年1,143人に配信したことがあるかを聞いた結果、小学生は17.9%、中学生は20.3%となり、高校生になると27.9%という結果となっています。このように子供にとってインターネット上での自撮り写真や動画の共有に潜む危険は、子供自身が被害者になることも加害者になることも想定されます。最近では、学校配布の学習用タブレット端末による自撮りや盗撮による問題も全国的に見受けられています。警察庁のまとめでは、SNSをきっかけに犯罪に巻き込まれた18歳未満の子供は、令和元年の1年間で2,082人、このうち児童売春・児童ポルノ事件に巻き込まれたのは1,099人と、半数以上に上ったようです。
こうした子供による性的な自撮りに関する被害が増える中、令和3年秋に愛知県警では、被害を防止する対策について起業家を育成するプロジェクト団体に相談。参画されていた藤田医科大学が名のりを上げ、産官学の連携の下、AIを利用して被害を防止するアプリが開発されています。このアプリは、子供を守るという意味からコドマモと名づけられ、子供が自分のスマホで性的な画像を撮影、保存した際、AIが撮影データを判別し、画像を削除するよう促す通知が表示されるとともに、保護者にも通知されるペアレンタルコントロールができるシステムとなっているようです。このアプリは、スマホにインストールすることで、画像フォルダとアプリが連携し、撮影データが画像フォルダに保存される際に、AIが判別するため、あらゆるアプリ内の機能による撮影画像に対しても判別が可能で、また子供が今どこにいるのか、リアルタイムで位置情報の確認もできるそうです。
今後は、アプリの利用時間管理、歩きスマホの防止、SNS上の危険なチャット検知、課金防止対策の機能が追加される予定だそうです。
コドマモアプリに期待される効果として、犯罪を減らす抑止力、親子の対話の促進、子供が加害者になることを予防することが期待されております。そして、学習用タブレット端末にインストールすることで、学校内外での性的な自撮りや盗撮を防ぐことができます。
そこで、質問させていただきます。
1点目に、本市においてもこのコドマモアプリの周知と啓発を行ってはと思いますが、御見解をお伺いします。
2点目に、学習用タブレット端末は、自宅に持ち帰ることもできるため、その時間帯の管理を学校や教員に求められても対応は難しいものと言えます。
そこで、実証事業の可能性も含めて、学習用タブレット端末にコドマモアプリの導入をまずは検討されてはと思いますが、本市の御見解をお伺いいたします。
(教育長答弁)
○教育長(高橋良光)(登壇) コドマモアプリによるネット被害対策についてお答えいたします。
まず、本市においてのコドマモアプリの周知啓発についてでございます。
コドマモアプリは、デジタル環境に置かれた子供たちを様々な危険性から守り、事故を未然に防ぐことができるアプリとなっておりますことから、スマートフォン利用者に周知啓発していくことは有効であると考えておりますが、子供のスマートフォンの所持につきましては、各家庭の判断でございますので、市PTA連合会など、保護者等が主体となり、周知啓発を進めていくことが望ましいのではないかと考えております。
次に、学校配布の学習用端末へのコドマモアプリの導入についてでございます。
本市の学習者用端末につきましては、既にSNSの利用や課金等ができない設定になっており、トラブルや性被害の防止につながっているものと認識しております。
本市といたしましては、まずは導入した場合に、児童生徒、保護者にとって有益かどうかの検証が必要であるとともに、他市での導入事例や検証結果等も参考にしながら判断してまいりたいと考えております。
(再質問)
○19番(高塚広義)(登壇) ありがとうございました。
1点要望いたします。
本市の子供たちが、心豊かに健やかに育つためにも、また犯罪に巻き込まれる危険性から遠ざけるためにも、前向きにコドマモアプリの導入を検討願います。
最後に、今回の幾つかの質問は、市民の皆様との対話を通して実現しております。今後とも市民の声を拾い上げ、市政に届けていきたいと考えております。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。