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4 住友山田社宅を含む近代化産業遺産の活用について

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ページID:0140998 更新日:2024年8月27日更新 印刷用ページを表示する
<外部リンク>

議員氏名

越智克範

本会議年

令和6年

定例会月

6月

内容

(質問)
○ 次の質問に移ります。
 住友山田社宅を含む近代化産業遺産の活用についてです。
 マイントピア別子のある端出場・東平地区を中心とした産業遺産の活用に加え、日暮別邸を含めた星越地区を平野部の産業遺産の拠点として確立し、これら産業遺産群の連携を図りながら、観光交流や学びの拠点として、また地域コミュニティーや市民活動の場としてなど、これまで別子銅山産業遺産をまちづくりの骨格として活用すると提唱されてきました。このため、多くの産業遺産の修復を進めてきました。この山田社宅は、令和2年に6棟8件が国の登録有形文化財として登録された貴重な価値を持つ建築物です。平成22年に住友共同電力から2棟、平成31年に住友金属鉱山、住友化学から4棟の寄贈を受け、これまで耐震改造などの修復を行っており、令和3年3月から一部限定公開を行ってきました。当初の計画では、令和6年度に山田社宅がフルオープンになるとお聞きしています。
 このような状況において、幾つか質問をします。
 まず、今後の具体的なスケジュールはどのようですか。
 また、これまでの修復に関する年度別費用はどのようですか。
 さらに、今後の維持管理費は、どのように算定されていますか。特に、魅力ある施設づくりを目指すとしているため、カフェや物産センター、またジオラマの作製費及び研修室の運営費、維持費、守衛やガイドなどの管理費は、今後どのように考慮されていますか。
 一般的に、重要文化建造物の活用を安定的に維持するには、効率的な活用向上の視点から、外部委託による運営管理なども検討し、企画力や情報発信に実績のある人材の配慮が必要と言われていますが、山田社宅の運用についてはいかがお考えですか。
 また、日本各地の建造物文化財の活用においては、単に公開するだけでなく、体験学習や教育の場としての活用、講演会の実施、施設のガイドによる解説など、工夫をし維持に努めています。山田社宅においても、市民と行政とが協働でできる仕組みづくりをつくることが重要と考えますが、具体的にどのように取り組んでいるのか、御所見をお聞かせください。
 また、このような運営により、今後どの程度の来場者を計画しているのかも、これまでの実績と併せてお聞かせください。
 次に、産業遺産群の活用についてお伺いします。
 これら産業遺産群は、観光資源に寄与するとともに、歴史的価値の保存と学習に活用することが重要です。当初の計画である端出場・東平地区と星越地区との連携を図るとされていますが、今後具体的にどのようにまちづくりの骨格として計画を進められるのか、また運用管理体制などはどうされるのか、お考えをお聞かせください。
 最近、整備が完了した旧端出場水力発電所を含め、多額の費用をかけて整備したこれらの施設をいかに活用し、特徴のある新居浜市としてのまちづくりにどのように生かしていくか、これからの構想についてお聞かせください。
(市長答弁)
○市長(石川勝行)(登壇) 住友山田社宅を含む近代化産業遺産の活用についてお答えをいたします。
 まちづくりの骨格としての計画、運用管理体制など、今後の構想についてでございます。
 別子銅山と言えば、江戸時代の遺構が多く残る旧別子であり、また産業遺産観光の中心は、端出場・東平地区にあるのが現状で、時代的には明治の近代化が着目されてまいりました。
 これからは、昭和の近代化にも着目する必要があり、星越地区にある住友山田社宅の整備は、昭和初期に鉱山なき後の事業を起こすという地方後栄策を掲げた鷲尾勘解治や新居浜が工業都市に変貌を遂げた歴史を伝えるための平野部における拠点となります。また、別子銅山産業遺産について、包括的な学びや歴史的意義の理解が可能となることで、山から浜へ展開された産業遺産としての別子銅山の歴史が完結され、まちづくりの骨格となり得ると考えております。
 そのことを踏まえまして、運用管理体制は、産業遺産全体を統括する管理体制を構築し、運用することが望ましいと考えております。
 次に、特徴のある新居浜市としてのまちづくりへの生かし方でございます。
 1点目が、観光資源としての活用でございます。
 まず、端出場・東平地区、山根・上原地区、星越地区など、点在する産業遺産群とJR新居浜駅などを結ぶ周遊観光を検討してまいります。
 また、広瀬歴史記念館や住友グループが管理運営する別子銅山記念館、日暮別邸記念館、フォレスターハウスなどとも連携する必要があると考えております。
 2点目が、教育的資源としての活用でございます。
 次世代を担う子供たちを含む市民の皆様に、別子銅山の歴史を包括的に学んでいただくことにより、シビックプライドが醸成され、永続的な伝承が実現されることが私の望みでございます。別子銅山の歴史は、新居浜市のまちづくりの歴史と言っても過言ではありません。100年以上前からの環境対策の取組や鉱山町から工業都市へ変貌を遂げた輝かしい歴史を改めて共有するとともに、積極的に内外へ発信していきたいと考えております。
(企画部長答弁)
○企画部長(加地和弘)(登壇) 住友山田社宅の今後の具体的なスケジュールについてお答えいたします。
 住友山田社宅につきましては、令和6年度のフルオープンを目指し、国の補助金を活用した整備を行ってまいりましたが、資材価格の高騰による工事の入札不調や補助金が当初の見込みを下回るなど、進捗に遅れが生じており、令和8年度以降のフルオープンとなる見込みでございます。
 次に、これまでの修復に関する年度別費用についてでございます。
 決算額で申し上げますと、平成30年度が約9,500万円、令和2年度約2,700万円、令和3年度約2,700万円、令和4年度約3,000万円、令和5年度約9,700万円の合計約2億7,000万円となっております。
 次に、今後の維持管理費用等につきましては、具体的な活用方法がまだ決定しておりませんので算定は困難でございますが、過度な負担とならないよう、民間事業者の活用も含めて、今後検討してまいります。
 次に、山田社宅の運用についてでございます。
 山田社宅の運用につきましては、新居浜市観光交流施設や東平歴史資料館、旧端出場水力発電所の指定管理者であり、企画力や情報発信に実績のある株式会社マイントピア別子による効率的な一体管理を視野に入れております。
 次に、市民と行政とが協働できる仕組みや来場者の実績及び計画についてでございます。
 現在、日曜日の午前限定で仮オープンしており、市民と行政とが協働できる仕組みの具体的な取組といたしましては、新居浜市観光ガイドの会による館内ガイドを実施いたしております。
 加えて、自彊舎益友会の会員を講師とする講座や高校生を対象とした別子銅山産業遺産創造塾の開催、職員による随時の解説なども実施いたしております。
 これまでの来場者の実績につきましては、令和3年度462人、令和4年度777人、令和5年度480人となっており、仮オープンによる開館日数が限定的であることや新型コロナウイルス感染症の影響などによるものと考えております。
 フルオープン後の来場者数につきましては、開館日数や管理体制などが未定のため、具体的な数値を申し上げることはできませんが、観光拠点であるマイントピア別子の来場者を誘導するなど、多くの方に来場していただけるよう、検討を進めてまいりたいと考えております。
(再質問)
○14番(越智克範)(登壇) 市長のほうから、新居浜市としてのまちづくりに十分活用したいというお話でしたが、2年も遅れるというのは、やはり問題だなというふうに思います。これをまちづくりの拠点として使うのなら、もう少ししっかり管理して、運営をするべきだと思います。特に、観光客を集めるのであれば、少し関心を高めるような工夫が必要じゃないかというふうに思います。文化財を維持していくのには、一般的な課題として非常に費用がかかると言われています。保存活用を含めたビジネスモデルを構築しないといけないというふうに感じます。費用対効果や採算を念頭に、プランを十分策定して、今後の運用に当たっていただきたいと思います。
 今回の質問は以上で終わりますが、今日答弁いただいた内容も含めて、要望についてフォローしていただきたいと思います。
 以上で終わります。