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(質問)
○ 次は、中心市街地活性化について質問します。
計画の中には、具体的に銅夢にいはまの有効活用を図るとともに、空き店舗の活用に向けた取組を支援し、中心商店街の活性化を図りますと書かれています。
1997年に新居浜市が建設した商業振興センター、通称銅夢にいはまは、新居浜商店街連盟が中心となり設立した株式会社銅夢市場に、2021年、建物を無償譲渡、土地は無償貸与し、国の補助事業を活用して、総事業費約2億円をかけて産直市場銅夢キッチンが誕生しました。既に民間企業へ譲渡している案件のため、このような場で質問することがふさわしくないのは重々承知していますが、公共施設の利活用、市の税金を投入している背景を考え、役員の方にも御了承いただいた上で質問いたします。
オープン当初から様々な要因が重なり、経営不振が続いていると伺っておりますが、現時点で把握している状況についてお聞かせください。
仮に、事業停止となった場合、国への補助金返還や建物の更地返還などが想定されますが、実際にかかるであろう費用と自己負担額、お金の流れも含めて教えてください。
また、破産手続となった場合、国との手続、そして建物自体はどうなるのか、さらにはそのことによって、中心市街地の活性化に及ぶ影響をどのように考えているか、お聞かせください。
この事業予算に賛成し、3年前のオープニングセレモニーには出席していた多くの議員も、経営不振になった今となっては全く関わらない人も少なくない中、新居浜の繁華街のお店で構成される新居浜中心飲食商店街振興組合による駐車場を活用したバーベキュー応援企画や新居浜青年会議所による店内の売場スペースを活用した懇親会企画など、オープン当初は金融機関側として関わり、新居浜市を活性化したいと銀行を退職し、休みなしで頑張っている今の店長の熱い思いを応援する市民の力も集まってきています。また、この事業予算に賛成した責任があると、我が自民クラブの議員提案により、先日、自民党の総会を銅夢キッチンで行ってもらい、国会議員に実情をお伝えし、あらゆる角度から再生を検討していく機会も増えてきました。
そもそも銅夢キッチンは、産直市場をすることが目的ではなく、中心市街地の活性化に向けた最初の手段であったはずです。また、先ほど質問したこれからの農業、新居浜市の地産地消を考えると、この産直市場銅夢キッチンの再生は、密接に関わってくる部分になると考えます。
このような視点で考えたとき、現在の経営責任について議論することが前提となりますが、ここでいま一度、中心市街地の活性化を一緒に考える機会にできないでしょうか。例えば、銅夢キッチンが中心市街地にとどまらず、新居浜市全体の活性化の核となるべく、農業の中間支援組織として、耕作放棄地や農地バンクの情報管理、新規就農希望者とのマッチング、公的機関との連携による少量多品目・高付加価値食材の推進やふるさと納税の返礼品を出口とした小ロット対応型の加工商品開発の事業を、また新居浜市全ての商店街の活性化に向けた中間支援として、市内空き店舗の情報管理や投資家とのマッチング、EC販売が苦手なお店と一緒に新居浜丸ごと百貨店のようなインターネットでの代行販売、さらには環境を考え、市民の方の不用品を対面型とネット販売を組み合わせたハイブリッド型のフリーマーケット出品代行など、民間のスーパーはやらない、商工会議所などがやりたくてもできないような事業を委託も含めて検討することはできないでしょうか、御所見をお聞かせください。
(経済部長答弁)
○経済部長(宮崎司)(登壇) 中心市街地活性化についてお答えいたします。
まず、産直市場銅夢キッチンの経営状況についてでございます。
銅夢キッチンの経営状況につきましては、経営者側から随時情報提供を受けておりまして、現状、一定の来客数はあるものの、期待されておりました所期の目的には達していない状況であると認識いたしております。
次に、銅夢キッチンが事業停止となった場合にかかる費用と自己負担額についてでございます。
事業停止となった場合の国の補助金返還につきましては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律及び中小企業経営支援等対策費補助金交付要綱にのっとった返還請求が行われる可能性がございます。
返還額等につきましては、返還等が必要な事態となった時点で、国の算定基準に基づき決定されるものであり、現時点での想定は難しいものと考えております。
また、建物の更地返還に伴う費用につきましても、建物の所有者である株式会社銅夢市場が解体を行うこととなりますので、負担額も含めまして、現時点で市で想定することは困難であると考えております。
次に、破産手続となった場合の国の手続及び中心市街地の活性化に及ぼす影響についてでございます。
破産手続となった場合の国の手続につきましては、国の関係法令や補助金交付要綱にのっとった申請手続、補助金返還手続等が必要になると考えております。
建物につきましては、市との譲与契約書上、契約が解除となった場合は、譲与物件を解体撤去することとなっておりますので、基本的には株式会社銅夢市場が建物を解体することとなります。
また、その際の中心市街地の活性化に及ぼす影響につきましては、中心商店街のにぎわい創出の足がかりとして、周辺商店街との連携を期待され、活性化の中核として銅夢キッチンがオープンされたという経緯がございますことから、破産ということになりますと、その影響は非常に大きいものがあると考えております。
次に、銅夢キッチンが、農業や商店街活性化に向けた中間支援組織として中心市街地活性化の核となるような事業を実施することについてでございます。
本市といたしましては、銅夢キッチンが、農業や新居浜市の地産地消、商店街活性化の支援組織の機能を持ち、様々な活動を行い、新居浜市全体の活性化の核となることは、その設立の経緯からも非常に期待するところでございます。そのため、商工会議所、商店街連盟、市で構成しております新居浜市まちづくり協議会におきましても、銅夢キッチンが単なる産直市場にとどまるのではなく、中心商店街活性化に資する事業を実施できるような方向で議論を進めているところでございます。
今後も引き続きまちづくり協議会の中で、銅夢キッチンを中心とした中心商店街の活性化に向けた様々な活動の検討を行ってまいりたいと考えております。
(再質問)
○12番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。生々しい質問の内容になったんですけど、銅夢キッチンというものにもう一度意識を向けていただきたいという思いから質問をさせていただきました。実際、過去の経緯などを含めますと、関係者側も行政側もそれぞれいろいろな思いであったり感情があると思います。ただ、そこで責任の押しつけ合いというか、もう民間企業だからと片づけてしまっていると、誰も望んでいない分断のようなものが生まれて、新居浜市全体の商店街がなくなる可能性だって出てきます。そのようなことにならないためにも、いま一度原点に返り、地域と民間と行政が補完し合いながら、一緒に中心市街地を盛り上げていく、そんな軌道修正を要望して、次の質問に入ります。