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(質問)
○4番(野田明里)(登壇) みらい新居浜野田明里です。
2月議会にて、財政状況について家計に例えるなどして全く分からない方にも分かりやすく伝えてくださいとお願いしましたところ、2月議会終了後早々に、決算の時期に市政だよりに分かりやすく掲載しますと言っていただいておりましたが、今月号に掲載していただいておりました。ありがとうございます。
一般家庭の家計と市政の財政は似て非なるところもありますので、私自身も一歩、二歩踏み込んだ質問ができるように学びを深めていきます。とはいえ、まずは分からない方、興味のない方にしっかり届く取組を行っていただき、みんなで生活の底上げができればと思っております。
そんな中、今回は子育て支援の底上げ、ブラッシュアップができればと思っております。
それでは、通告に従いまして、子育て世代への包括的な支援ネウボラについて質問いたします。
ネウボラとは、フィンランド語で相談の場所という意味の言葉で、妊娠中から就学前の子供がいる家庭を窓口を一本化して支援する子育て支援制度です。日本でもこのネウボラを取り入れる地方自治体が少しずつ増えています。近くだと今治市が今治版ネウボラに取り組まれております。
新居浜市でも、今年度からこども家庭センターすまいるステーションを設置し、市役所のこども未来課と保健センター内で妊娠、出産、育児の様々な支援や相談を行える場所を開設され、子育て世代の方たちのサポートをする仕組みを構築されております。このすまいるステーション、名称は違えどネウボラとよく似た取組だと思います。
そこで、実際に子育てされている方や子育て支援をされている方たちにすまいるステーションについてお話を伺ってみたところ、知らない、もしくは聞いたことあるけど相談に行ったことはないという方がほとんどでした。さらに、それはなぜかと伺ってみたところ、そもそも市役所や保健センターは、そこでしかできない手続をする際にのみ行くところとか、事務的な手続をするところというイメージで、手続の際の雰囲気が固く、事務的な印象で、相談ということとどうしても結びつかないと質問した方全員から回答がありました。特に、保健センターは、子育て中には必ず行く場所ですし、保健師さんは、頼りになる心強いサポーターです。なのに、なじみがなく、上手に利活用されていないのは本当にもったいない。
そこでまずは、保健センターとはどのような場所で、保健師さんとはどのような人なのか、また保健センターや保健師さんはどのようなときにどのように頼ればよいか、自己紹介のようなつもりで教えてください。
また、相談ということについて伺ってみたところ、とにかく話を聞いてもらいたいが、窓口で初めて対面する方に事務的な雰囲気の場所でそれはしづらいと感じる、子育て情報などはネットやママ友から知ることができるので、正しい情報や知識、よしあしをジャッジされるのではなく、ただただ聞いてほしいという心にふとできた小さな波を吐き出すということでどうにか鎮めるために相談したい派の方と、妊娠、出産、子育ての悩みは一過性の悩みではないことが多く、つまり子供の育ちやお母さん自身の体や心の変化、経過によって形が変わる悩みで、相談のたびに一から説明したり確認しながら話すのはそれだけで疲れてしまって、結局ふだんから接している方に話すという深い胸のうちや継続的な悩みを打ち明けたい派の方の2つに大きく分かれるようです。
前者の方にとっては、今心にできた波を今どうにかしたい、つまり話を聞いてもらいたいのに、ふらっと相談できないところには相談しようとはならないとのことでした。
また、どちらの方にとっても、なじみのない人に相談することへの抵抗がかなり強くあるようで、現状すまいるステーションが相談先としての選択肢となりづらいようです。
では、なぜなりづらいのかと言うと、大きく分けて4つあるようです。
まずは、施設的なハードルです。
さきにもお伝えしたように、とにかく事務的というイメージがかなり強くインプットされているということ、そして子供を連れて行きづらい、子供が遊んだり寝転ぶスペースがなさそう、職員の方が皆さん忙しそうなので、子供を見てくれる等もなさそう。なので、結局ゆっくり胸のうちを吐き出すのは難しそうと思われているようです。
2つ目は、相談する相手に対するハードルです。
こちらも先ほどお伝えしたように、なじみのない人へ相談することへの抵抗感や保健師さんには相談内容に駄目出しをされそう、善悪で判断されそうというイメージ、これは健診などから来るイメージかと思います。こちらが強いということです。
3つ目は、問合せなど仕組みのハードルです。
子育て世代にとって、電話での問合せや予約がとにかくハードルが高いようです。働いているお母さんからは、保健センターが開所されている時間帯にそもそも電話ができないとの意見もいただきました。
4つ目は、周知のハードルです。
母子手帳交付時等にすまいるステーションについて説明してくださっているとのことですが、記憶にない方が多数でした。なぜでしょうか。初めて妊娠された方にとっては、未知のこと過ぎて余裕もなく、妊娠中や産後の見通しも全くつかず、産後に人に話を聞いてもらいたくなる自分なんて想像もつきません。自分に必要なことと思えないからなかなか記憶に残らず、知らないとなるように思います。経産婦さんにとっては、上のお子さんの育児や日々の生活に必死で、こちらもやはり記憶に残りづらいように思います。あとは母子手帳をいただく時期は、結構体調が悪く、とにかくぼんやりしている時期でもあります。どちらも妊娠経過に伴うホルモンの変化、働きから来るものですが、時期的にもなかなか人の話をしっかりと聞きづらいのかなとも思います。また、妊娠8か月頃に他県から移住されてきたお母さんは、産後まで保健センターと関わることがなかったため、私からの今回の質問で初めてすまいるステーションについて知ったそうです。
そこで、これらのハードルについて質問いたします。
1つ目、2つ目は、とにかく子育て世代の方たちに施設についても、相談相手である保健師さん自体についてももっと知っていただく取組が必要であると思います。健診など特別なとき以外にも足を運んでいただいて、おなじみの場所、おなじみの人となるような取組、例えばイベントを開催するとか、気軽に子供連れでお茶しながらおしゃべりができる場所にするとか、その際に保健師さんとも雑談できる機会なども必要だと思いますがいかがでしょうか。
さらには、相談相手をそもそもなじみのある方、助産師さんや民間の子育て支援に携わっている方などにも拡大するのはいかがでしょうか。
3つ目は、問合せや予約、簡単な質問は、ネット予約やチャット等で行える手軽さが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
また、相談は通常の事務的な業務や手続とは違うというイメージのためにも、市のホームページとは別にすまいるステーションや子育て支援単独のホームページを作成することも有効かと思いますが、いかがでしょうか。できれば問合せや予約なく、思い立ったときにふらっと足を運べて吐き出せる窓口、施設であればよいなと思います。
4つ目ですが、いざ子育てが始まると、慣れない育児や体調不良で余裕がなく、新しいもの、なじみがないものや事柄に手を出しづらくなります。そして、こんなことで相談してもいいんだろうかとためらわれている方も多いため、こんな相談窓口があるので相談してねではなく、妊娠中から相談の機会をあえて何度かつくって、利用を当たり前にしておくような取組も必要かと思いますが、いかがでしょうか。
また、子育て期全般の相談もできるとなれば、学童期の保護者への周知も必要だと思いますが、どのようにされていますか。
さらに、妊娠中や産後の経過に伴い、どのような変化や負担があるのかを妊娠するよりもっと前、つまり学生たちに授業等で伝えるような取組も必要ではないかと強く感じます。妊娠や出産に伴い、体や心にどのような変化や負担があるのか、そしてそのサポートをするためのどのような仕組みがあるのか、大変だけども、それ以上に喜びや幸せがあることなどをしっかりと伝えていくこと、そしてそのような妊娠、出産、子育ての見通しを立てながら、人生設計もできるように支援していく取組は、長い目で見た子育て支援、少子化対策となり得ると思いますが、いかがでしょうか。
ネウボラ発祥のフィンランドでは、ネウボラは制度だけでなく、ネウボラという施設がどの自治体にも設置されていて、女性は妊娠の兆候が現れたときにはネウボラに行き、無料の検査をまずは受け、そこから小学校に入学するまで定期的に頻回通い、その期間中、1家庭につき1人つく担当保健師から、母子のみでなく、パートナーや兄弟を含む家族全体でサポートを受けるそうです。子育て世代が気軽に訪れて相談できる専用の施設があること、同じ担当の方に継続して相談ができること、そしてお母さんだけでなく、家族のサポートもしてくれること、新居浜の子育て支援やすまいるステーションもこうあってほしいと熱望しますが、いかがでしょうか。
また、今治版ネウボラでは、お子さんの3歳児健診時に保護者の健康診断も行っているそうです。子育て支援というと、子供に向けた支援が多い印象ですが、お母さん、お父さんに向けての支援ももっと必要だと感じますが、いかがでしょうか。お願いいたします。
(市長答弁)
○市長(石川勝行)(登壇) 野田議員さんの御質問にお答えをいたします。
子育て世代への包括的な支援ネウボラについてのうち、更なる支援の充実についてでございます。
新居浜の子育て支援やすまいるステーションについてお答えをいたします。
子育て世代が、子供のことや自分のこと、パートナーのことなどを気軽に相談し、継続的な支援が安心して受けられる場所があるということは、将来にわたり、市民全体の暮らしやすさ、生活の安定につながるものであります。こども家庭センターすまいるステーションの周知を図るとともに、利用しやすい施設としていくため、必要な人員や相談ブースの確保など、体制整備を含め、幅広い支援対象者の方々が安心して利用していただけるような施設の設置に向け検討を進めているところでございます。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(久枝庄三)(登壇) 通いやすい施設、相談しやすい相手についてお答えいたします。
まず、保健センターはどのような場所で、保健師はどのような人か、またどのようなときに、どのように頼ればよいかについてでございます。
保健センターは、健康相談、保健指導、健康診査など、地域保健に関する事業を実施するための施設であり、地域保健法に基づいて設置されております。
保健師は、保健師助産師看護師法に基づき、公衆衛生と看護の両方の知識と技術を持つ専門職であり、地域で生活する乳幼児から高齢者までのあらゆる人々が健康で自分らしく生活できるよう、健康支援を行っております。お子さんの発育、発達、栄養やしつけに関することなどで疑問や不安があるときや、保護者の心身の不調があるときなどに相談していただけると、解決に向けた支援を行います。
次に、子育て世代に保健センターや保健師について知っていただく取組についてでございます。
保健センターでは、母子健康手帳発行時の面談、妊娠中の電話相談や家庭訪問、出産後も新生児訪問や健康相談などを実施し、相談内容に応じた情報提供や関係機関へのコーディネートを行うなど、切れ目ない支援を行うことで保健師を知っていただく機会がございます。
また、地域子育て支援拠点施設等とも連携し、校区担当保健師の紹介ポスターの掲示やプチ出前講座の開催もございます。
保健センターでのイベント開催は予定しておりませんが、子育て中の保護者が利用しやすい最寄りの地域子育て拠点施設等へ出向き、子供や保護者が地域で友人づくりやネットワークの構築が図れるよう取り組むことで、今後も保健センターや保健師を身近に感じてもらえるよう努めてまいります。
相談相手をなじみのある助産師や民間の子育て支援に携わっている方への拡大につきましては、個々の相談内容に応じて、産後ケア事業における助産師の相談や地域子育て支援拠点等と連携した支援を行っておりますので、拡大の必要性は感じておりませんが、関係機関と協議し、連携した相談支援体制の強化を図ってまいります。
(福祉部こども局長答弁)
○福祉部こども局長(沢田友子)(登壇) 気軽に問合せできる仕組みについてお答えいたします。
ネット予約やチャット機能を利用した問合せは、利便性が高く、大変手軽な取組だと認識いたしております。
ネットからの予約につきましては、保健センターにおいて産後ケア事業の利用希望や各種手続に関する質問等をメールで受け付けており、休日や夜間も利用できます。また、チャット機能の利用としては、愛媛県が運営する子育て応援サイトのLINE版きらきらナビや親子のための相談LINEから、妊娠、出産、子育てに関するお悩みをオンラインで個別に相談することができます。
今後、これらの利用についてさらなる周知を進めてまいります。
次に、市のホームページとは別に、すまいるステーションや子育て支援の単独のホームページを作成することについてでございます。
現在、本市の子育てに関する行政サービスを紹介する子育てサイトとして、広告つきウェブサイトママフレにおいて、妊娠、出産から就学前までの子育て情報を提供しております。
また、こども家庭センターすまいるステーションの開設に併せ、課のページとは別にこども家庭センターのページを開設し、相談支援先の情報のほか、利用できる施設の情報や子育てマップなどの情報を掲載しております。
しかしながら、ホームページ自体の周知が十分でないと感じておりますことから、今後市のホームページのトップ画面にあります関連情報からこども家庭センターのページに移動できるようにするなど、より利用していただける工夫を行ってまいります。
次に、様々な周知についてでございます。
まず、妊娠中からの相談の機会をつくることにつきましては、平成30年10月のすまいるステーションの開設以降、それまで支援が希薄であった妊娠届出時の面接相談後から出産までの期間に、全妊婦に対し2回の電話面接の機会を設けております。また、昨年度からは、新たに妊娠8か月頃のアンケート及び希望者への面談を実施しております。このことにより、妊娠中には3回の相談の機会を設けております。
機会の確保については、一定程度実施できていると考えておりますが、悩みや心配事を相談しやすい雰囲気での対応を心がけ、切れ目なく継続的な支援を引き続き行ってまいります。
次に、学童期の保護者への周知につきましては、市内の小中学校を通じて、保護者の方へすまいるステーションの啓発チラシを配布し、周知を図っております。
次に、学生のうちから妊娠、出産、子育ての見通しを立てながら人生設計ができるような取組についてでございます。
本市においては、将来の妊娠を考えながら、女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うプレコンセプションケアを推進しており、高校3年生全員を対象に、妊娠や避妊、性感染症の予防、喫煙、飲酒の影響、栄養バランスの大切さなどをまとめた独り立ち*サポートブックの配布や希望する高校にはこのサポートブックを活用した出前講座を実施しております。
学生を対象とした取組は、子育て支援、少子化対策としても有効であると考えておりますことから、引き続き高校と連携した学生世代への周知啓発に努めてまいります。
次に、更なる支援の充実のうち、お母さん、お父さんに向けての支援についてでございます。
本市では、3歳児健診時の保護者の健康診断については、健診と健康診断を同時に行うために必要な会場と人員の確保が困難であるため実施しておりませんが、18歳から39歳までを対象に若年者健康診査を通年で実施いたしております。特に、女性を対象に託児機能を併設したレディースデーを設け、女性特有の疾病の早期発見のための健診を行っております。
今後も引き続き健康管理に役立てていただけるよう、幼稚園や保育所、地域子育て支援拠点施設等と連携し、周知啓発に努めてまいります。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) 御答弁ありがとうございます。
数点再質問させてください。
まず、説明では、保健師さんは医療的な専門家というような印象でしたが、お母さんたちが求めているのは、医療的なことではなくて、カウンセリング的なことです。もう少し寄り添ったようなことをお話ししたいとなると、保健師さん以外の方が適任ではないのかと思う場面もあると思うのですが、そのあたりを教えてください。
また、私も勉強不足で知らないことがたくさんありましたが、お母さんたちはそれ以上に知らないと言われておりました。今のままの周知ではよくないように思いますが、周知の仕方等今後改善点がありましたら教えてください。
あと窓口が2つありますが、2つあることが混乱を来しているようにも思います。窓口をこの先統一するようなお考えなどありませんか、教えてください。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(久枝庄三)(登壇) 野田議員さんの再質問にお答えいたします。
まず、保健師が医療的な専門家のようなイメージが強過ぎて、日常的なカウンセリングの相手にふさわしくないんでないか、そんなような印象を与えてしまっているということについてでございますけど、保健師は確かに医療的な専門家でもあって、なおかつ妊娠から出産、育児まで全ての場面において寄り添う、そういう役割を担っております。ですので、そのあたりのところの周知、アピールというのが足りていないという現状があるというのを確かに認識した上で、今後いろいろな場面にこちらのほうから保健師が出向いて行って、顔を覚えていただいて、気軽に相談していただけるというような形を取れるようにまた考えてまいりたいと思います。
また、今後の窓口の一本化、こども家庭センターがあって保健センターがあってという形でありますが、理想的にはこども家庭センターの中で母子保健に関することも一体的に相談から支援まで、手続も含めてやれるようなことが一番理想と思います。手続まで全てということになるかどうかは分かりませんが、せめて相談支援までを一つの場所でできるように、なるべくたくさん歩かせたり、移動させたりしないで済むようにというのを考えてまいりたいと思っております。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) すみません、周知のところは。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(久枝庄三)(登壇) 野田議員さんの再質問にお答えいたします。
保健師と保健センターの周知に係ることかと思います。
母子保健に関係しまして、妊娠から出産、育児、それから子育てに対する困り事について、あらゆる場面で保健師が携わらせていただくという部分で、そういう母子手帳の交付から相談、健診に関するところまで、地区担当がおりますので、そういう対応はできているんですが、周知に関して足りない部分につきましては、今後市政だよりの特集、それからホームページ、分かりやすいものに変えていくというようなことに努めてまいりたいと思います。
(再質問)
○4番(野田明里)(登壇) 知っていただくということも支援のうちだと思います。そのような支援になりますよう、ブラッシュアップよろしくお願いいたします。ありがとうございました。