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(質問)
○ 続いての質問に移ります。
4つ目、具体的な負担の増加について。
ICT機器導入によって具体的にどのような負担が増えたと感じていますか。
(教育長答弁)
○教育長(高橋良光)(登壇) 負担の増加についてお答えいたします。
調査では、学習用タブレットにより業務軽減になっているとの回答が80%以上でございましたが、デジタルとアナログのベストミックスを常に意識して業務に当たらなければならない、すぐに質問できるICT支援員などがいない場合に時間がかかる、機器のトラブル対応の窓口が複数あり混乱するなどの負担増加に関する意見もございました。
教員個人のスキルによって負担に感じることに違いはありますが、使用者のスキルアップや使用頻度などによって、業務負担の度合いも変わると考えられますことから、最適なICT環境を構築するため、システムなどのハードと研修などのソフトの両面から環境整備に努めてまいります。
(再質問)
○5番(加藤昌延)(登壇) 御答弁ありがとうございます。
同じ業務でできる、できないというものがあってはならないと思うんですよね。やはり、教職の現場で、そこにできる、できないがあれば、できる教員の方がいれば、そこではいい授業ができる。できなければ、使うことができなければ、そこでは違ったことが起こり得ることがあります。同じ市内であるのにもかかわらず、そこでできる、できないという学校があれば、当然格差っていうものが生まれますので、それをなくすようにやっていかなければいけないと思います。
当事者である教員の方から、業務負担が増えたと切実な悩みをお聞きしました。先ほど82.2%が軽減されたとお聞きしましたが、たくさんの方から負担が増えたとお聞きしております。
そこで、全校ではありませんが、教員の方にアンケートを書いていただきました。どういった負担が増えましたかという回答には、管理や生徒へのアンケートが増えた。回答するにも低学年には難しく、説明をしながらしないといけないので、アンケートが多いとかなりの時間を要する。フィードバックがないので、アンケート結果がどのように生かされているか疑問。みんなに使えるからと使い回しで振り仮名も打たれていない状態で、授業の妨げになっていることが多々ある。学年会計は以前は出納帳に請求書や領収書を貼り付ければ終わりだったが、1人1台パソコンを使うようになってから、購入伺い、支出伺い、報告書、保護者用報告書、出納簿類など提出書類が増え、日付を合わせるなど細かい確認も必要となっている。子供に好きなことをやらせろと言われるが、教師側が探してやってみると止められたり、ダウンロードするまで時間がかかる。校務パソコンはセキュリティーの関係で、マウスパソコンやほかのクラウドを経由しないとインターネットやデジタル教科書につなぐことができないため、ワークシートや教材を作るのに時間がかかる。マウスパソコンやiPadで教材を作っても、職員室で印刷ができないため不便。自動採点システムがスキャナーで取り込む手間や、うまく読み込めないものを手で修正する手間があり、こっちのほうが便利だから使おうとはなっていないのが現状である。持ち帰り学習をしたがためにiPadを忘れた、充電がないなどの問題があり、授業で使えないこともある。デジタルと紙の教材の両方用意しなければならなくなると不便と回答がありました。
ICT教育の目的には、教員の負担を減らすために情報を共有しやすい環境にするとあります。負担が増えたと感じておられる先生方がたくさんおられます。負担が少しでも減るように、学年会計をシステム化する。フィルタリングやアプリ削除など、先生の端末を使いやすくする。先生が他校へ異動しても、手間がかからない、欠席連絡は全校で一本化するシステムの導入。これからの子供たちは、ICTを活用することが必要になると思いますが、必ずしもICTを使うのではなく、使えるところで使い、これまでのほうがよかったと思うものは残す。旧デジタル教科書は、校務パソコンから直接デジタル教科書につなぐことができたように、教科書が変わるときには、デジタル教科書も4月の授業開始と同時に使えるようにする。授業を担当している先生は、校務パソコン、マウスタブレット、iPadと3つの機器を使っています。セキュリティー上、難しいかもしれませんが、どこかを経由しないといけないというシステムではなく、一括して教材づくりや授業での提示ができるシステムを導入。多いと感じられるアンケートを必要かどうか検証し少なくするといったような教員の方々の負担が減ることで、授業のための時間が確保できる。家族との時間が増えるなど、時間や心に余裕ができることで、子供たちと向き合う時間が増えます。教員の方々が心に余裕ができるよう、負担軽減に向けて提案いたします。