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2 103万円の壁について

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ページID:0146921 更新日:2025年2月18日更新 印刷用ページを表示する
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議員氏名

藤原雅彦

本会議年

令和6年

定例会月

12月

内容

(質問)
○ 続きまして、2番、103万円の壁についてお伺いいたします。
 これは、最近、10月の国政選挙が終わって、急にこの103万円の壁が毎日テレビで放送されております。まだまだ政府の中ではどういうふうになるか決まっておりません。あくまでも私が考えた想定の中での質問でございます。答えられる範囲で結構でございますので、何とぞ答弁よろしくお願いいたします。
 103万円の壁とは、配偶者控除の適用要件である年収103万円以下という基準を指します。この基準は、長年配偶者の働き方や家計の収入構造に影響を与え、特に女性の就労調整の原因の一つとなってきました。政府は、現在、この壁を撤廃し、パート労働者を含む多様な働き方を促進する税制改正を検討していると報じられております。この改正が実施されれば、労働市場全体に変化が生じ、地方自治体における税収にも影響を及ぼす可能性が高いと考えます。
 そこで、以下の点について見解をお伺いいたします。
 まず、新居浜市におけるパートタイム労働者や配偶者控除を受けている世帯の実態についてお伺いいたします。
 市内で配偶者控除を受けている世帯数や、そのうち103万円の壁の影響を直接受けている可能性がある世帯について、その実態を把握しているのでしょうか、お伺いいたします。
 103万円の壁撤廃による経済効果は、世帯収入の増加、消費支出の拡大、ひいては地域経済の活性化につながる可能性があります。しかし、一方で、市税収への影響、特に住民税減収の可能性も懸念されております。
 住民税減収の可能性を踏まえ、新居浜市では財政運営にどのような影響を想定されているのでしょうか。できれば具体的な減収額の試算とその財政への影響についてお伺いいたします。
 ちなみに、11月21日付の愛媛新聞に、年収の壁が178万円に引き上げられた場合の県内の歳入影響として、個人住民税、地方交付税、合計約260億円の減収となるようです。このように、減収分を補うための財源確保策、あるいは歳出削減策について、具体的な計画などは考えておられるのでしょうか、お伺いいたします。
 103万円の壁が撤廃されることで、働き方の自由度が増し、パートタイムや非正規労働者の収入が増加することが期待されております。これにより、市内での消費活動が活発化し、結果として地方税収が増加する可能性も考えられます。
 新居浜市として、就労促進による地域経済への波及効果についてどのように認識されているか、お伺いいたします。
 また、女性の就労環境の変化についても、重要な視点であると考えます。この改正を契機に、女性が働きやすい環境づくりを進めることが、新居浜市の課題となると考えますが、市としてどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
 市内企業への働きかけや保育施設の拡充といった取組が具体的に考えられると思います。税制改正に伴い、自治体としてシステム改修や広報活動、住民への説明対応など、新たな負担が発生することが予想されております。特に、住民税の計算方法や申告内容の変更が生じた場合、税務担当部局の業務量が増加する可能性があります。
 新居浜市として、このような負担増にどのように対応し、円滑な運営を図るお考えでしょうか、お伺いいたします。
 103万円の壁見直しに関する情報を市民に的確に伝えるための具体的な計画について、これからの将来のことになるんですが、周知活動や相談窓口の設置など、市民の理解促進につながる具体的な施策などは検討されているのでしょうか、お伺いいたします。
 この改正が、地域社会に与える影響をどう評価し、市民の生活の質の向上につなげるかについて市長の御所見をお伺いいたします。
(企画部長答弁)
○企画部長(加地和弘)(登壇) 103万円の壁についてお答えいたします。
 まず、減収額の試算と財政への影響についてでございます。
 愛媛県が公表した市町への影響額の試算では、住民税約170億円、地方交付税約90億円となっており、この結果から、本市の減収額を試算いたしますと、住民税が約15億3,000万円、地方交付税が約3億1,000万円、合計18億4,000万円と推計いたしております。
 住民税の減収と地方交付税の減少は、歳入予算に直接影響を与えることになりますので、財政運営上、看過できない重大な問題であると捉えておりますが、この歳入減少に対する国の財政措置がどの程度の規模になるのかにより、その及ぼす影響は異なってまいりますことから、国の動向を注視してまいりたいと思います。
 次に、減収分を補うための具体的な計画についてでございます。
 住民税の減収等の影響は、不透明な点が多くございますが、その影響は一時的なものではなく、継続的なものになると考えます。このことから、一時的な財源確保で対応することには限界があるため、国への要望と併せ、これまで以上に財政調整基金に依存しない歳入準拠の予算編成と財政運営のため、さらなる歳入の確保と歳出の抑制に努める必要があると考えております。
 次に、地域社会に与える影響に対する評価と市民生活の質の向上についてでございます。
 この改正により、より自由な働き方が可能になり、市民生活の質の向上や企業活動へも一定の好影響を与えるのではないかと期待をしているところでございます。
 一方、税制改正に伴う減少分に対する国の補填がない場合には、道路や公園などのインフラ整備や福祉サービス、ごみ処理など、市独自で行っている住民サービスに大きな影響があるものと考えておりますことから、今後の国の議論を注視してまいりたいと考えております。
(総務部長答弁)
○総務部長(高橋聡)(登壇) 配偶者控除を受けている世帯数と103万円の壁の影響を受ける可能性がある世帯の実態把握についてお答えいたします。
 配偶者控除を受けている世帯数につきましては、令和6年度市民税において、令和6年12月4日現在、1万3,204世帯でございます。このうち、103万円の壁の影響を受ける可能性がある世帯につきましては、現在国で行われております議論の中で、既に配偶者控除の対象となっている世帯は、控除対象となる基準が変更となりましても、引き続き配偶者控除の対象の範囲となることが想定されますので、税額への影響は大きくないと考えております。
 次に、市民税課税事務の負担増への対応についてでございます。
 大規模な税制改正があった場合には、事務の負担も相当程度増加するものと考えられますが、事務内容の変更に伴うシステム改修など事前に十分な検討と準備を行い、円滑な運営を図ってまいりたいと考えております。
 次に、広報等の検討状況についてでございます。
 今回の改正の議論は、令和7年度税制改正として検討が進められておりますが、対象とする範囲、金額、手法及び時期等は未定で、現時点で具体的な施策をお示しすることはできませんが、税務署、愛媛県、そして法人会や青色申告会とも連携を図り、広報や相談窓口の設置等により、市民の理解促進に努めてまいりたいと考えております。
(市民環境部長答弁)
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 103万円の壁の改正を契機として、女性が働きやすい環境づくりを進めることについてお答えいたします。
 103万円の壁が撤廃されることにより、これまで以上に女性が働きやすい職場環境づくりが重要となりますことから、女性自ら意識と能力を高めるための学習機会の提供や職場、家庭、地域におけるワーク・ライフ・バランスの推進のための各種講座の開設や情報の提供等を実施していくことが必要になると認識いたしております。
 本市では、男女共同参画社会基本法の基本理念に基づき、令和3年に第3次新居浜市男女共同参画計画を策定し、女性の社会参画の促進を図っております。また、新居浜市女性活躍等推進事業所認証制度を設け、仕事と家庭、地域生活の両立支援や男女が共に働きやすい職場環境づくり、女性の能力活用に向けた取組を行う事業所の認証を行うとともに、これからの新居浜の未来を担う企業等の若手・中堅女性リーダーの育成を図るにいはま女性ネットワーク活動の支援をいたしており、今後におきましても、さらなる男女共同参画社会の実現に向け取り組んでまいります。
(経済部長答弁)
○経済部長(宮崎司)(登壇) 就労促進による地域経済への波及効果についてお答えいたします。
 103万円の壁の撤廃で、パートタイム等で働く方が、収入の上限を気にせずに働けるような税制等の改正となった場合、可処分所得の増加による消費支出の一定の増加や労働時間の増加による人手不足の緩和などが予想されますことから、地域経済への効果も一定期待できるものと考えております。
 次に、改正を契機として、女性が働きやすい環境づくりを進めることについてでございます。
 103万円の壁の改正に伴い、これまで以上に就労する女性や労働時間を増加させる女性が増えることが予想されますが、女性の活躍を期待する企業にとりましては、女性に選ばれる企業となる必要があるものと考えております。そのため、本市といたしましては、現在実施しております労働環境の改善のために要した費用の一部を補助する労働環境改善事業や誰もが働きやすく、活躍できる職場づくりを目指している企業を認定する新居浜市働き方改革推進企業認定制度などの事業を引き続き実施し、このような事業を通じ、女性が働きやすい職場づくりを推進していく企業の取組を支援してまいります。
(再質問)
○20番(藤原雅彦)(登壇) 103万円の壁は、先ほど言いましたように、国ではまだまだ具体的なことが決まってなくて、私のほうから想定という形で質問させていただきました。たくさんの答弁をいただきまして、誠にありがとうございます。改めて、想定に対する答弁を本当に丁寧にしていただいたことを心から感謝いたします。ありがとうございました。
 103万円の壁というのは、単なる税制改革ではなく、先ほど言いました地域の労働力確保や経済活性化、さらにはジェンダー平等の促進にも寄与する可能性を秘めております。新居浜市がこの機会を活用し、市民の利益を最大化する施策を展開するよう、要望いたします。