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2 鳥獣被害について/(2)猿被害対策

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ページID:0146929 更新日:2025年2月18日更新 印刷用ページを表示する
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議員氏名

伊藤義男

本会議年

令和6年

定例会月

12月

内容

(質問)
○ 次に、猿被害対策についてです。
 9月30日に角野公民館で開催した猿の特性を学ぶ出前講座の案内のため、角野地区で猿被害があると思われる地域の500軒を個別で案内に行き、一軒一軒声を聞いてきました。その聞き取りで分かったことをお伝えします。
 まず、里山整備が問題となっています。昔は、みんなが季節ごとに里山へ出かけて、山菜採りをしていたと伺ったおうちで聞きました。そうやって人間がいることで、居住地域より山側に人間と猿との境界線が自然にできていたのだと思います。
 次に、耕作放棄地が増えています。これは高齢化というより、猿被害で果樹園などが廃業した事例が多いです。家庭菜園なども猿の被害が多いので耕作をやめていました。猿被害で耕作放棄地が増え、その耕作放棄地に猿が生息して、広範囲に広がっていくという負の連鎖がありました。
 空き家問題も大きな問題です。空き家にすみ着く猿が増えています。私も訪問して話をしている最中に、空き家から出てきた猿と遭遇しました。おうちの方が、あなたの話をしよるんぞねと猿に話しかけていました。高齢化が原因で空き家が増え、高齢化が進むと、猿を追い払う元気が住民になくなってきます。実際、若い人が講座を受けに行って追い払いをしてくれないだろうかと言われる高齢の方がいらっしゃいました。猿は、空き家を拠点にして生息範囲を広げていきます。そして、猿が生息地を広げて、住宅街の空き家にすみ着いた場合は、追い払いが難しくなります。煙火を用いた追い払いは、住宅街では火災や騒音問題の原因になるため使用できない場合があります。今、煙火で追い払いをやっている地域が、最終防衛ラインであり、これを突破されると取り返しがつかなくなる可能性もあります。これは、猿被害を受けている人だけの問題ではなく、地域全体の問題であり、いろんな社会問題が原因だということに気づくことができました。
 以上、実際に市民の方から話を聞いてきた事実です。
 実際に、私が住む角野校区は、猿の被害が深刻になっています。私の家の目の前まで猿が出没し、学校のグラウンドや校庭にも猿が現れています。猿が人前に出てきて、それが常態化すると、室内に猿が侵入する事態に発展するとも言われています。授業中に猿が校舎に入ってきたり、給食の時間に猿が子供の給食を奪うといったことも考えられます。そういった事態にならないように、現在、角野では、住民たちが結束して、何とか追い払いをしようと呼びかけています。煙火を用いた追い払いのほか、資料1を御覧ください。これは、PTAや地域住民で猿が隠れたりする場所をなくすために、校庭の木を剪定したり、餌になる実がなる木を剪定したときの写真です。住民が一体となって、この鳥獣害に立ち向かっています。
 しかしながら、住民たちの力も限界があります。やはり、行政の補助がなければ、正直しんどいです。
 そこで、5点お伺いします。
 1点目、現在、鳥獣害対策の係が定期的な猿の出前講座や煙火の講習、配布を角野公民館で開催してくれていますが、これを市全体の鳥獣害がある地域の公民館で毎月定期的に開催できないか、追い払いは続けることに意味がありますが、煙火がなくなった場合、市役所へ取りに行くのが面倒だという理由で追い払いをやめてしまうケースがあります。そのことも踏まえて、開催の有無をお答えください。
 2点目、現在、本市においては、追い払いをメインでやっていますが、追い払いは地域住民の継続的な活動が必要になってきます。やはり、追い上げをやらなければ、住民負担が大きいです。しかし、追い上げのためには、専門的な知識や情報収集が必要になります。市として専門家を入れて追い上げを本格的にやっていただけないか、お答えください。
 3点目、猿は煙火のような大きな音で一時的に退散します。しかし、またすぐに群れで出現します。福井県では、モンキーバスターズという組織が結成され、JA福井県女性部の女性有志3名が、電動エアガンで追い払いに成功したという事例があります。やはり、猿にも痛い思いをさせないといけないのかもしれません。
 そこで、本市として、猿の追い払いを目的とする電動エアガンの購入に補助金を出せないか、お伺いします。現在の電動エアガンは、威力も制限されて、免許なしで使用でき、安全装置もついている安心できる物となっており、一番安い商品で2万円ほどになります。猿に当たっても猿を傷つけることなく、痛いと思わせることができ、弾も土に戻るものが販売されています。煙火を用いた追い払いにも限界を感じている部分もあるので、補助できないかお伺いします。
 4点目、新潟県阿賀町では、猿被害対策として、猿の群れの個体にGPS装置を装着し、リアルタイムで猿の群れの位置情報が分かるアニマルマップを活用しています。これを導入することで、地域住民が事前に猿の出没を把握し、追い払いを行うことで、効率的な追い払いができるとのことです。
 新居浜市としても、このシステムを導入し、農家や住民の被害対策に活用できないか、お答えください。
 5点目、先ほど御説明したモンキーバスターズですが、福井県に確認すると、高齢化が原因で令和3年に解散したとのことです。その後どうなったか聞いたところ、以前と同じように、猿がまちなかに出没するようになったとのことでした。現在、猿の捕獲に向けた最新の捕獲器である地獄おりを導入しているところがあります。最終的には、捕獲をしていかないと難しい現状を踏まえて、市としても最新の捕獲器である地獄おりを導入できないか、お伺いします。
 以上、5点お答えください。
(経済部長答弁)
○経済部長(宮崎司)(登壇) 猿被害対策についてお答えいたします。
 まず、出前講座や煙火講習の定期的な開催についてでございます。
 ニホンザルの習性や行動から学ぶ被害対策の理解を市民の方に知っていただくため、市では出前講座を申込みに応じて随時開催しており、令和6年度は角野校区のほか、船木・中萩校区の自治会などの申込みにより、計5回開催いたしております。
 また、煙火講習も希望者の御都合に合わせて随時行っており、講習を終えた方は、市役所にお越しいただいて煙火を配布いたしております。
 御提案の講座や講習の定期的な開催につきましては、申込件数を考慮いたしますと、現状では要望に応じた開催を継続してまいりたいと考えております。
 また、煙火の配布につきましても、煙火自体の取扱いや本人確認など、慎重にすべきものと考えておりますことから、市民の方には御足労をおかけいたしますが、引き続き市役所にお越しいただきたいと考えております。
 次に、追い上げについてでございます。
 追い上げとは、ニホンザルの群れを威嚇などの手段を用いて農地や住宅地から隔たった目標の地域へ積極的に追い立てるもので、追い払いより一歩踏み込んだ対策と伺っております。
 追い上げに際しては、地形、植生、気象条件、農地、住宅地の防護などの環境整備や追い上げへの地域住民の参加協力などクリアすべき条件も多く、5年以上の長期的な計画が必要となるなど、専門家を交えて組織的な体制づくりが必要であると伺っており、地域主体の取組が前提となってまいります。そのため、地域ぐるみで取組を進めたいとの地域からの申出がございました場合には、相談内容に応じて、県を通じて専門家を派遣してもらうなど実施に向けて協力してまいりたいと考えております。
 次に、電動エアガン購入補助金についてでございます。
 現在のところ、煙火を中心とした追い払いを推進いたしておりますので、現状の対策を引き続き活用しながら、地域全体で追い払いが進むよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、アニマルマップシステムの導入についてでございます。
 アニマルマップシステムは、ニホンザルの位置情報を事前に把握できますことから、効果的な対策が可能となりますが、費用が多額になりますことから、現在のところ導入は困難であると考えております。
 次に、最新捕獲器の導入についてでございます。
 大型囲いわなである地獄おりの導入につきましては、現在、本市では設置いたしておりませんが、四国中央市において設置事例があり、視察にも伺っております。地獄おりは、一般的に一度に大量のニホンザルの捕獲も可能と言われておりますが、餌づけに期間を要すること、新鮮な餌の継続的な補給や見守りなど、その管理に多大な労力や費用負担も生じるため、駆除の協力を依頼している猟友会はもとより、市が直接的に購入、管理することは、現状では難しいものと考えております。
 今後におきましても、愛媛県や他市との連携、情報共有を図りながら、効果的なニホンザル被害対策について調査研究してまいります。
(再質問)
○2番(伊藤義男)(登壇) 先日も公民館で作業中に煙火が鳴り響き、現地に行ってみると、住民の方が干し柿を全部猿に食べられたとお怒りになられていました。角野小学校は、ほぼ毎日のように猿が校庭まで来ています。これが続けば、猿が校舎内へ入って、子供たちに実害も出ると思います。角野小学校だけではありません。他の小学校の通学路にも、猿が出没するエリアがあります。子供たちの安全と地域の方の安心のためにも、先ほど質問しました各公民館での講座と講習の定期開催、追い上げの実施、電動エアガン購入の補助、GPS装置による群れの確認と共有、地獄おりの導入、以上、5点を要望し、次の質問に移ります。