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(質問)
○1番(小野志保)(登壇) おはようございます。
立憲民主党の小野志保です。
古川拓哉市長、市長御就任おめでとうございます。笑顔あふれる人に優しいまちづくり、新しい新居浜の実現に向け、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、過去何度か御質問させていただきました夜間中学についてお尋ねをいたします。
夜間中学とは、様々な理由で義務教育を修了できなかった方や、学校に行きづらく十分に通うことができなかった方々の学び直しの場としての役割を持ち、夜の時間帯に授業が行われる公立中学校の夜間学級のことです。令和6年10月時点では、32都道府県に53校設置をされ、今後3年間では、さらに13校が設置予定です。しかし、四国ではいまだに愛媛県のみ設置をされていません。昼間の学校同様、週に5日間、教員免許を持った公立中学校の教員が授業をし、授業料や教科書代は不要、全ての課程を修了すれば、中学校卒業となります。今年6月28日に、愛媛県教育委員会による夜間中学の設置検討に係る勉強会が開催され、設置検討に向けた夜間中学校の概要や全国の設置状況及び動向、設置に係る補助金等についての情報提供、本市教育委員会も勉強会に出席をされたとお聞きをしております。この中で、全国で夜間中学の設立に携わり、三豊市で夜間中学校設置にも御尽力をされ、岡山自主夜間中学校代表の城之内庸仁先生の講演があったかと思います。講演をお聞きし、お感じになったことは何か、また何を得られましたでしょうか、どのようなお話だったかもお教えください。
また、国の方針と補助事業、設置までの流れ等の御説明があったかとお聞きをしております。新設準備として、2年間は3分の1の補助、上限400万円、開設後3年間は3分の1補助、上限250万円、国から最大5年間の補助があります。昨年の6月議会では、多額の経費が必要との御答弁がありましたが、本市で設置の運びとなった場合、金額、市費の想定は幾らでしょうか。積算根拠も併せてお願いをいたします。
三豊市教育委員会にお尋ねをしたところ、夜間中学に関わる人員は16名、うち1名は校長先生。校長先生は、昼と夜の勤務、10名の先生方は夜間中学専属で週5日勤務。校長先生を含む11名の先生方の人件費は、県費で賄われており、市費としては音楽、保健体育、家庭科、美術、技術の非常勤の先生方が5名で、時給1,313円、4時間、週1回の勤務、養護教諭、学校事務の方は、半日勤務の週5日の勤務。運営費として今年度予算額250万円、内訳としては電話代、コピー代、備品購入、指導書、消耗品など。令和5年度は330万円。3年目となり備品購入が減ったこと、また既存の高瀬中学校の教室を利用するため、光熱水費がかからない、また先生の人手不足と言われますが、定年退職された先生方が、夜間中学で再任用されているとお聞きし、なるほど、教育の機会の確保としてお取組をされており、大変すばらしいと感じました。
次に、強く要望をさせていただいている特例校についてお尋ねをいたします。
先月11月1日の愛媛新聞では、全国小中学校不登校最多34万人、愛媛では27.4%の増、3,475人と大きな見出しで報じられておりました。これは、昨年度の文部科学省の調査によるものです。本市も同様に、年々増加をしております。文部科学省の対策として、学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校の設置を促しており、全国に300校の設置を目指しております。夜間中学に入学するには、16歳以上が原則で、学齢期の生徒は入学ができません。夜間中学に学齢期の児童生徒が通学するためには、学びの多様化学校の認可が必要です。今現在は、三豊市と福岡県大牟田市の2校のみです。学校に通えると思ってなかった、高校に進学したいので勉強を頑張る、三豊市の夜間中学に通う学齢期の生徒さんの言葉です。
また、起立性調節障害を御存じかと思います。朝起き上がれない、学校に登校できないという症状があります。夜間中学は、起立性調節障害の生徒もしっかりと学習できる時間帯の学校です。
このように、学校に行きづらい学齢期の生徒において、もう一つ選択肢が増えると考えます。御所見を伺います。
(教育長答弁)
○教育長(高橋良光)(登壇) 小野志保議員さんの御質問にお答えいたします。
夜間中学についてでございます。
まず、講演会に参加し感じたこと等についてでございます。
講演会に参加した職員からは、夜間中学での学びを必要とする人がおり、夜間中学の設置の必要性を改めて感じることができた。夜間中学の設置、運営は、愛媛県全体の取組と捉え、他市町と連携して進めていく必要性があると感じた。また、講演の内容としましては、設置までのスケジュール、組織体制をはじめ、通学等に関する事例が紹介されたとの報告を受けております。
次に、本市に設置するとなった場合の経費についてでございます。
現在のところ、まだニーズ調査を実施している段階であり、具体的な金額の積算までは行っておりませんが、先進事例の状況から推察いたしますと、教育環境の施設整備費用や市で雇用する人材の人件費、また新たに必要となる備品購入に要する経費など、多額の費用が必要になると見込んでおります。
次に、夜間中学を学びの多様化学校、いわゆる不登校認定校にすることにつきましては、令和4年度に開校しました三豊市立高瀬中学校におきましても、3年間で学齢期の生徒が4人入学していると伺っており、学校に行きづらい生徒にとって、選択肢の一つになっていると認識しております。
しかしながら、現在のところ、夜間中学の設置に関しましては、教員不足や財源に関する課題などもありますことから、愛媛県や他市町と連携した取組を進めていく必要があるものと考えております。
(再質問)
○1番(小野志保)(登壇) 夜間中学について3つ再質問をいたします。
先ほど積算根拠が出てきてたと思うんですけども、結局幾らかかるかというのは計算はしていないんでしょうか。
2つ目、夜間中学は、その時代を映す鏡です。戦後の混乱期は経済的理由、1970年代から1980年代は十分に授業を受けられないまま卒業した形式卒業、1990年代は外国にルーツを持つ方々、近年は不登校が年々増加、文部科学省も学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校の設置を促しています。教育長は、この学びの多様化学校について、どのようなお考えがありますでしょうか。また、これらは必要だと思われますか。
3つ目、本市でも対策を講じていますが、学校に行きづらい児童生徒が増えることをどう分析をしていますか。
(教育長答弁)
○教育長(高橋良光)(登壇) 小野志保議員さんの再質問にお答えをいたします。
まず、多額の費用についての計算をしていないのかという再質問でございますけれども、先ほども答弁申し上げたとおり、現在のところはまだニーズ調査を実施している段階であり、具体的な金額の積算までは行っておりません。そして、先進事例の状況から推察をしたというのが再質問に対するお答えでございます。
2つ目の夜間中学の中で、学びの多様化学校についてどのような考えであるかということですけれども、これも先ほど答弁申し上げました中で、学校に行きづらい生徒にとっては、選択肢の一つになっているという認識を持っております。
3つ目、学校に行きづらい児童生徒が増えていることをどう分析しているかということですけれども、新居浜市だけでなく、これは全国的に増えておりますし、先ほどの御質問の中にもありましたが、愛媛県でも同様でございます。新居浜市においても、それぞれの学校できめ細かに丁寧な対応をしておるところですけれども、なかなか不登校が止まらないというのが現実でございます。
そうした中で、それぞれの学校では、別室における対応を行ったり、場合によってはそこに授業をリモートで提供したりというようなことで対応しているところです。様々な要因があって、不登校になっているものと思っております。なかなか原因を一つに特定してというところは、分析はしておるんですけれども、一つの理由を出していくということはなかなか難しいところでございます。増えている不登校に対して、対応を先ほど申し上げたようにしているというのが現状でございます。
(再質問)
○1番(小野志保)(登壇) 計算をしていないのに、多額の経費がかかるというのは、納得できないんですけれども、次回に続くということで、ぜひとも計算をしていただきたいと思います。
それでは、市長に伺います。
1つ目、所信表明では、むしろ他市に先んじるチャンスが来た瞬間だと捉え、常に挑戦する町へ、たゆまぬ変革を行いとおっしゃっておりました。夢や希望を持てる新居浜市、まさにこの夜間中学はそうではないでしょうか。
2つ目、市長の公約にも、四国で一番の子育て支援とし、その中に夜間中学が含まれております。どのようなお気持ちで公約にされたのでしょうか。
3つ目、学ぶことは生きること、学校に行きづらい児童生徒のこの先の進学、就職、生活に大きく影響をいたします。夜間中学設立に向けての市長御自身の御所見を伺います。
以上、3点お願いします。
(市長答弁)
○市長(古川拓哉)(登壇) 小野志保議員さんの再質問にお答えいたします。
まず、1つ目でありますが、私自身、所信表明にて、時期尚早であるとか、前例踏襲という言葉を使わないように、挑戦する町にしたいということをお伝えしてきました。まさに、夜間中学も含めて、様々なことに対して、もちろん過去の経緯、経過は大切にしながらも、新しいスタートと思って状況をしっかりと確認していきたいというふうに思います。
2つ目、3つ目、これは共通することでありますが、私自身、やはり学びの多様化というものは、これからも進めるべきであるというふうに思いますし、多様な選択肢、受皿というものの確保ということにも努めていきたいというふうに考えています。
そのような中で、今後のことも考えていきたいと思っておりますが、やはりまずは教育長からの御答弁のとおり、愛媛県や他市町の連携や取組も鑑みながら、これから検討していきたいと思います。
(再質問)
○1番(小野志保)(登壇) 学びの機会の確保、これは本当に大切だと思っております。だからこそ、夢や希望を持てるっていうこともあるかと私は考えております。この新居浜市で学びの多様化学校、夜間中学ができますように強く要望したいと思っております。