本文
(質問)
○12番(白川誉)(登壇) 自民クラブの白川誉です。
本議会は、古川新市長になられて初めての議会であります。私は、新市長とは、対立候補の方を支持させていただいた一人であります。今回の選挙結果、すなわち民意というものを私も真摯に受け止め、新居浜市のために今私にできることに尽力させていただきたいと改めて感じております。
新市長のキャッチフレーズは、はっきりイエス、はっきりノーとされており、対話を大切にすると強調されています。私も共感いたしますし、我々の共通の目的は、新居浜市を今以上によくする、発展していくことだと思います。また、選挙結果は、ゴールではなく、スタートだからこそ、これからの4年間、新市長の思いやお考えをしっかりとお聞かせいただきながら、よいものはよい、悪いものは悪いと是々非々で議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
選挙で支持してくれた方々へも、よくないものにはノーと言える市長、そうでなかった方々でも、よいものにはイエスと言っていただける市長であることを信じて、通告に従い質問させていただきます。
まず最初に、投票率の低下と原因分析について質問いたします。
今回の市長選挙においての投票率は45.48%でした。先ほど述べたように、民意は示されたということは間違いないのですが、有権者の半分以上が投票に行っていないという現実についても考える必要があると思います。ちなみに、投票権を持たない未来の新居浜市を担う子供たちの数を入れる、すなわち新居浜市民全体として換算した場合、市民全体の約38%の方々で市のトップ、新居浜市のかじ取り役を決めたとも言えます。約11万2,000人の市民のために働こうとしている古川市長のことを考えると、そうした意味では市民の現在の投票行動が及ぼす効果についても啓発する必要があると思います。これまでも投票率を上げるために、選挙に関心を持っていただくために、選挙クイズの実施や国領祭での模擬選挙の開催、さらには生徒会役員選挙の手引作成、夏の思い出総選挙の開催など、選挙管理委員会として様々な取組をされています。また、今回の市長選挙では、大型商業施設での期日前投票所設置も実施されました。選挙に行かないという選択肢も確かにありますが、関心がないから選挙に行かないのか、誰がなっても同じと思っているから行かないのか、市民生活において実感がない、影響がないから行かないのか、少し乱暴な言い方をすると、日常生活で困っていない方が、最大公約数的に多いから行かないのかなど、投票率の低下についての議論もずっと続けられています。
一方、選挙があることすら知らなかったという方が一体どの程度いたのか、選挙があることは認識できていたが、投票には行かなかったとしたら、その理由は一体何なのかなど、選挙では明確にされません。以前投票率向上についての市政モニターアンケートを実施されたことがあると思いますが、その結果を拝見しても、回答者の9割が投票に行っているという内容で、投票に行っている人目線でのアンケート結果となっています。マスコミの報道などによると、政治に対する無関心、行政に対する不信感、そしてそれらに対する諦めなどを理由に投票率が低下しているとされています。ただ、それらが全て臆測で今議論されているようにも感じます。答えは一つではないとは思いますが、今日は別の切り口で考えてみたいと思います。
それは、選挙に関わりたくないと思う人が増えてきているから投票率が上がらないという仮説です。例えば、自分の意思とは別にグループLINEを作られ、期日前投票の報告をさせられたり、候補者本人以外のところで行き過ぎた行動があったり、仮想の敵を作ってSNSで発信したりと、投票の自由、言論の自由はあるとはいえ、そこに直接的、間接的に関わった人たちが嫌気が差したり、恐怖を覚えたり、今回の市長選挙においても、私宛てにそんな感想やメールもいただきました。お子さんが困っていると親御さんからそんなやり取りが分かるLINEのスクリーンショットを見せていただきながら相談を受けたりもしました。これは、ほんの一部の方なのかもしれません。もしくは、ほかにもこのような話が多いのかもしれません。
そこで、選挙管理委員会として、匿名性を担保した上で、そのような選挙に関わりたくなくなった出来事や選挙に行きたくなくなったエピソードを市民の方から募集して、内容を公開してみてはどうでしょうか。情報の信用性や公開の方法など、実行するためのハードルが高いことは理解しておりますが、選挙に行かなかった理由や選挙に関わりたくない理由を市民の方へ幅広く公開することで、一定の抑止力になったり、一人で抱え込むことを防げるかもしれません。もし先ほど述べたようなことが理由で選挙に関わりたくない方々がいたとするならば、その方々は、これからも関わらない可能性が高いことは容易に想像できますし、市政に対しても興味を持っていただくどころか、余計に離れていくのではないかと危惧しています。新居浜市の地域課題や社会課題を市民みんなで考え、解決していくためにも、これまでの投票率を上げる取組に加えて、このような切り口を変えた取組を追加してみてはいかがでしょうか、御見解をお聞かせください。
(選挙管理委員会事務局長答弁)
○選挙管理委員会事務局長(藤田和久)(登壇) 白川議員さんの御質問にお答えいたします。
投票率の低下と原因分析についてでございます。
全国的に投票率の低下が続いている厳しい状況の中、これまで高等学校等における啓発講座や模擬投票などの主権者教育、さらにはSNSなどを活用した積極的な情報発信、また買物に併せて投票ができる期日前投票所の開設など、政治、選挙に対する意識醸成や投票率向上の取組を進めてまいりました。
先月の新居浜市長選挙では、前回投票率を上回る結果とはなりましたが、有権者の半数以上の方が投票に来ていただけていないことにつきまして、選挙管理委員会としても危惧しているところでございます。
白川議員さん御提案の選挙に関わりたくなくなった出来事や選挙に行きたくなくなったエピソードの募集及び公開につきましては、匿名性や信用性が確実に担保できるのかなどの問題を考慮いたしますと、実施することについては慎重な判断が必要であり、現時点では困難であると考えております。
しかしながら、投票率の向上には、半数を超える有権者の投票行動に結びつかない要因について十分に分析を行い、その結果に基づいた対策を講じていくことがますます重要になってくるものと認識いたしておりますので、有権者の政治、選挙に関する意識、投票行動の実態と選挙に行かない具体的な理由など、まずは要因分析のためのアンケート調査の実施方法、分析結果の公表等について検討を進めてまいりたいと考えております。
(再質問)
○12番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。投票率を上げる取組の答えは一つではないと思います。
一方、上げよう、上げようとするだけではなく、なぜ下がるのかの原因を探しつつ、下げないようにする取組も必要だと思います。
また、我々市議会議員選挙の投票率低下の現実も考えると、議員の質の向上もさることながら、市議会での議論や活動が、市民生活に影響を及ぼしているという実感を持ってもらう必要があるとも思います。できない理由を考えることなく、できる方法を考え、選挙に関するきめ細やかな市民の意識調査について実施していただくことを要望して、次の質問に入ります。