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(質問)
○ 次に、感震ブレーカーについてお伺いします。
輪島市で発生した火災は、朝市通り南側の店舗付近が火元とされ、断水の影響で消火が難航し、約240棟が被害を受けました。総務省消防庁の調査では、この火災の原因として、地震後の停電復旧時に発生した通電火災の可能性が指摘されています。輪島市大規模火災を踏まえた消防火災対策のあり方に関する検討会報告書では、今後の対応策の中に、地元消防本部等の体制強化について、震災時の木造密集地域の活動や津波時の浸水想定地域での活動を勘案した計画書の策定が上げられています。
新居浜市では、木造密集市街地や津波想定区域の火災延焼危険性が高い地域は何か所と想定されていますか。
また、どのような計画策定が進められているのか、お伺いいたします。
この報告書では、消防庁次長通知にて、地震時の電気火災リスクを低減するため、感震ブレーカーの普及を積極的に推進することが記載されています。この取組の実効性を高めるために、木造密集市街地や津波浸水想定区域の火災延焼危険性が高い地域にて、感震ブレーカーの普及に向けた計画や普及率の目標値、設置の支援について通知がございました。
新居浜市は、大規模災害時、地震火災死亡リスクは、愛媛県下の20市町で第1位というデータもございます。今年8月に日向灘を震源とする地震により、南海トラフ地震臨時情報が発表されたことは強く記憶に残っております。このことから、地震による通電火災の危険性も、これまでより高まっていると思います。新居浜市は、防災センターに感震ブレーカーを常時展示されており、普及啓発に取り組んでいただいておりますが、まだまだ市民の皆様には、周知普及されていないと思います。
そこで、感震ブレーカーの普及に向けた計画や普及率の目標値、設置支援について本市の取組を含め御所見をお伺いいたします。
厳しい財政状況ではございますが、市民の皆様の命を守るため、高齢者世帯の方や低所得者の世帯に向けて、感震ブレーカー購入の一部補助についてお考えをお伺いいたします。
(消防長答弁)
○消防長(後田武)(登壇) 防災・減災対策についてのうち、感震ブレーカーについてお答えいたします。
まず、木造密集市街地や津波想定区域の火災延焼危険性が高い地域は、何か所想定されているかにつきましては、市内の木造密集地区は、延焼拡大する危険性が高い11か所を指定しております。
また、津波想定区域の計画につきましては、策定に至っておりませんが、現在、総務省消防庁において、津波時の浸水想定区域での活動を勘案した消防活動計画等に関する意見聴取会を開催し、検討が進められているところでございます。今後は、その結果を踏まえた国の動向に注視してまいりたいと考えております。
次に、計画書策定につきましては、木造密集地区を対象として、出動車両の選定、利用可能な水利、火災防ぎょ戦術、消防団との連携等について計画するとともに、定期的に現地調査を行い、それぞれの特性を考慮した警防体制の充実、強化を図っております。
(市民環境部危機管理監答弁)
○市民環境部危機管理監(小澤昇)(登壇) 防災・減災対策についてのうち、感震ブレーカーについてお答えをいたします。
まず、感震ブレーカーの普及につきましては、新居浜市地域防災計画において、火災予防運動等のあらゆる機会を捉えて普及啓発を行うこととしております。
また、消防庁から令和6年度中に感震ブレーカーの取組を推進するためのモデル計画が通知されることとなっておりますことから、国の計画に基づき、今後本市の計画策定を進めてまいります。
普及率の目標値につきましては、国が平成27年に延焼のおそれのある密集市街地における普及率25%を目指すこととしておりますが、令和4年9月時点で全国の設置率が5.2%となっており、本市も含め、普及は進んでいないものと考えております。
現在、普及啓発の取組として、防災センターに実物を展示し、震災時の出火防止の有効な対策の一つであること等を来館者等に周知しておりますが、今後はチラシなどを活用して、さらなる周知を図ってまいります。
次に、感震ブレーカーの設置に対する一部補助につきましては、一部の自治体が補助制度を導入しておりますが、高齢者世帯や低所得世帯に限らず、通電火災による延焼の防止には、木造住宅密集地などにおける面的な設置が効果的であるとともに、夜間に地震が発生した際には、避難のために照明の確保が必要などのデメリットもございます。このため、現在は導入の予定はございませんが、他市の状況や今年の能登半島地震での通電火災の状況を受けての国の動向等も注視しつつ、調査を進めてまいります。
なお、通電火災の発生を防止することは重要でありますことから、地震発生後、避難所等へ避難する際にはブレーカーを落として避難することを引き続き周知してまいります。
(再質問)
○8番(河内優子)(登壇) 丁寧な答弁ありがとうございます。
感震ブレーカーについて質問させていただきます。
総務省消防庁から感震ブレーカーの普及に関して言及がございましたが、消防本部として普及に向けたさらなる取組をお伺いします。
(消防長答弁)
○消防長(後田武)(登壇) 河内議員さんの再質問にお答えいたします。
感震ブレーカーの普及啓発についてでございます。
大規模地震発生時における火災の発生を抑制するためにも、感震ブレーカーの設置促進は大変重要であると考えます。
今後におきましては、市政だよりやホームページを活用した広報に加え、SNS等を積極的に活用し、さらなる普及啓発に努めてまいります。