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(質問)
○ 次に、先ほどの新居浜市の課題として挙げていた市民文化センターの建て替え問題に関連して、市民文化センターの建て替えについてお伺いします。
チラシには建設費約210億円をかけて文化センターが建設予定です。現在の文センでも利用者が少なく、固定椅子など構造上避難所として活用できないばかりか、市民ニーズに応えられる多目的な使い方もできません。既にある総合文化施設あかがねミュージアムも市民の利用の少ない中で、新居浜市に本当に必要な施設かどうかの再検討や本市の活性化につながる別事業への転換が必要ですとあります。
質問の前に、まずこの文化センターについて、これまでの経緯について再確認したいと思います。
現在の文化センターは昭和37年11月に開館しており、コンサートや各種講演会や成人式、様々な大会など、長年にわたり本市の文化芸術活動を支えてきました。
この間、耐震工事や大規模補修などを行いながら使用してきましたが、目標の耐用年数である65年が迫っており、建物や設備の老朽化が激しいことから、新居浜市の最上位計画である第六次新居浜市長期総合計画においても、新施設整備に着手する必要性があるとした上で、新施設の基本構想、基本計画等の策定、整備推進を行うと掲げております。
この計画を踏まえて、令和5年3月に市民文化センター基本構想を策定、構想では新たな市民文化センターの整備に当たってのコンセプトや基本的な方向性を定め、策定に当たっては、文化協会をはじめとして各種団体や公募による新居浜市市民文化センター基本構想市民検討委員会を設置し、整備方針を決定しました。
その後、令和6年3月に策定した基本計画では、基本構想で定めた基本的な方向性を踏まえ、事業内容の具体化、詳細化を図り、事業のあるべき姿を市民や関係者に示しております。
この基本計画においても、横川商工会議所会頭を委員長に、各界、各層の方たちによる策定委員会を設置し、4回にわたり委員会を開催し、様々な意見をお伺いしながら計画を策定しております。また、それぞれの計画策定に当たっては、我々議員にもその都度説明していただいており、策定に当たっては、市民向けアンケートや利用団体向けアンケートを行い、パブリックコメント等も実施しております。
これらの経過を経て、新居浜市として新市民文化センターの建て替え方針を決定し、市議会としてもこれに賛同してまいりました。
その上で、今年度は建設に向けてのPFI導入可能性調査も実施していると思います。
このように新市民文化センターの整備は、長年かけて市民の意見も聞きながら、市議会も同意しながら推進してきたものです。
市長は、先の市長選で多くの市民からの信任を受けて当選されましたことには敬意を表しますし、異論を唱えるつもりはございません。
しかしながら、市民文化センターの建て替えを白紙にする信任を受けたわけではないと思います。
多くの市民の皆様が新市民文化センターの建設を楽しみにしており、特に文化に携わる方々は、質の高い芸術に触れる機会をと建設を切に願っております。
新市民文化センターの建設に向けてこれまでこのような取組について市長はどのように考えているのかお伺いします。
また、基本構想策定から、これまでにかかった費用は幾らになりますか。この点については、山本議員も質問しておりかぶりますが、御答弁よろしくお願いします。
文化センターの建て替えを白紙にするとすれば、これらのお金は全て無駄になりますが、そのことについてはどのようにお考えですか。
市長公約での市民文化センターの再検討や別事業への転換というのは、アリーナ建設を想定しているのでしょうか。
仮にその場合、同じような作業が必要となり、再度、基本構想、基本計画等をやり直すことになりますが、事業スケジュールはどのように想定していますか。
また、財源についてはどのように考えていますか、お伺いします。
次に、基本計画では、大ホールは、令和9年度に目標耐用年数を迎えることとなるため、令和9年度で閉館し、令和10年度から既存施設の解体を含めた新市民文化センターの整備工事に着手し、令和14年度の供用開始を目標にしていましたが、大ホールは予定どおり令和9年度で閉館するということでよろしいのでしょうか、お伺いします。
(市長答弁)
○市長(古川拓哉)(登壇) 市民文化センターの建て替えについてお答えいたします。
まず、新市民文化センターの建設に向けたこれまでの長年の取組に対し、どのように考えているのかについてでございます。
新市民文化センターの建設につきましては、基本構想や基本計画を策定する中で、市民、市議会、関係者の皆様の御意見をお聞きしながら検討を重ね、積み上げてこられたことは十分認識いたしております。
その上で、本市が直面している人口減少や近年の本市を取り巻く現状を踏まえますと、次世代に過度な負担が生じず、本市の発展に貢献できる施設かどうか見極める必要があると考えております。
次に、基本構想策定から、これまでにかかった費用についてでございます。
新市民文化センター建設準備事業費といたしまして、令和4年度、令和5年度の2か年で計3,365万2,000円が執行済みであり、令和6年度は2,222万円が執行予定となっております。
また、建て替えを白紙にするかどうかにつきましては、これまで投入してきた事業費も含め、総合的に判断してまいります。
次に、私の公約に関する市民文化センターの再検討に伴うアリーナ建設につきましては、いずれも立地や財源など数多くの課題がございますとともに、市民のニーズや本市の発展につながるコンセプトを立てるためにも、市民の皆様との対話を深めながら、今後、慎重に判断してまいりたいと考えております。
次に、大ホールの閉館時期についてでございます。
私も現在の施設が老朽化していることは十分認識いたしております。その上で、今の施設がいつまで安全に使用できるかどうかの判断が必要であり、長寿命化対策の可能性や市民の思いなど、様々な角度から検討し、閉館時期を判断してまいりたいと考えております。
いずれにしましても、引き続き市民の皆様と対話を深めますとともに、中長期かつ多角的な視点で検討を重ね、一定の方向性を見いだしてまいります。
(再質問)
○24番(伊藤優子)(登壇) 先ほどの御答弁で閉館時期を考えるとおっしゃっておりましたが、文化センター本館については、目標耐用年数が65年なので、それまでに建て替えが必要という説明をずっと受けてきました。
知り合いの建築士の方にお聞きしたところ、目標耐用年数が来ている建物は、建物の骨格である躯体の耐久性がなくなるということであり、大規模改修や長寿命化をしても限界があり、それを超えると安全性が確保できるというものではないとお聞きしました。
また、現在の文化センター本館は、当時の工事内容が悪かったのか、コンクリート強度が低いという話も大分前に聞いたことがあります。
このような耐用年数が来た建物を不特定多数の市民の皆様が利用して、もし大地震による事故が起きた場合、行政としての責任問題となると思いますが、そのことについてはどのようにお考えですか、お伺いします。
(市長答弁)
○市長(古川拓哉)(登壇) 伊藤優子議員さんの御質問にお答えいたします。
文化センターの劣化により長寿命化が可能なのかについてでございます。
建物ごとに劣化状況が異なるため、長寿命化が可能かどうか専門家の意見も再度お聞きして、総合的に判断してまいりたいと思います。
(再質問)
○24番(伊藤優子)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
いずれにしても、耐用年数等を考えるとあまり時間はないと思いますので、対話とコミュニケーションを大事にして、早急に方向性を示していただくことを要望して、次の質問に参ります。