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1 プラスチックごみの削減について

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ページID:0151870 更新日:2025年6月2日更新 印刷用ページを表示する
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議員氏名

渡辺高博

本会議年

令和7年

定例会月

2月

内容

(質問)
○3番(渡辺高博)(登壇) 皆さん、どうもおはようございます。
 自参改革クラブの渡辺高博でございます。
 通告に従って、今回は1点に絞ってお伺いさせていただきます。
 先日、ある方から、渡辺議員はスポーツ文化振興とごみの問題に重点を置いてるんですねとの御感想をいただきました。どうやら、全く異質なもの2つを重点的に取り組んでいることに関心を持たれたんだと思います。
 しかし、私にとっては、どちらも人のマインドリセットから始まるという意味では全く同じで、これまでライフワークとして取り組んできたパフォーマンス向上のアプローチ、無意識の習慣や思考のくせに気づき、できないと思っていることをできるんだと認識し直すきっかけをつかむには、格好の材料ではないかと思っています。
 さて、この1年、特色ある自治体の取組を視察して、これまでもそのトレンドについて質問させていただいておりますが、テクノロジーの進歩により、上手なごみとの付き合い方を、現行の焼却施設の期限と定めている令和14年度を目途に見いだしていきたいと考えております。
 そんな中、ごみの処分を検討する以前の、ごみを発生させないライフスタイルの構築に向けて、今から取り組めるものとして、プラスチックごみの削減についてお伺いいたします。
 日本はプラスチックの生産量で世界第3位、特に1人当たりの容器包装のプラスチックごみの発生量については世界第2位と、この問題に国際的な責任を持たなければならない立場にあります。WWFの2018年のデータによると、日本では廃棄されるプラスチックの有効利用率が84%と進んでいるとされておりますが、全体の57.5%は、焼却の際にエネルギーを回収するものとみなされるサーマルリサイクルという処理方法に頼っています。これは、石油が原料であるプラスチックを燃やしてCO2を大量に排出しているということです。サーマルリサイクルは、ごみを燃やした熱を利用しただけで、再資源化にはならないため、国際社会ではリサイクルとはみなされていません。このことは、2021年に、当時の小泉進次郎環境大臣も、サーマルリカバリーと言うべきものと言及しております。2000年に公布された循環型社会形成推進基本法におけるプラスチックリサイクルの優先順位は、リデュース、リユース、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクル、適正処分の順のはずですが、実際にはサーマルリサイクルが圧倒的に多く、サーマルリサイクルと単純焼却を合わせたCO2排出量は年間1590万トンと膨大です。
 老朽化した処理施設の解決策として、全国的に近隣自治体と連携した広域化を推奨しているということで、本市も西条市とともに検討を行っているところではございますが、根本的にごみを抑制することにはあまり目を向けず、あくまで発生したごみを焼却施設で受け入れる効率化のみを検討しているように思います。
 他方で、日本は年間150万トンものプラスチックくずを資源と位置づけて、処理体制が整っていないアジアの途上国に実質的に押しつけていました。行き場を失って放棄されたプラスチックは、結果的に海に流出し、その量は年間ジェット機5万機分に相当します。
 また、日本近海でのマイクロプラスチックの濃度は世界平均の27倍にも相当するという調査結果もあり、魚を食べている人間の健康被害も心配されています。
 日本は、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの提唱国として、今後の国際交渉にも積極的に参加し、世界的な対策の推進に貢献するとうたっており、法制度や仕組みの導入が急務です。
 日本国内では、2020年にレジ袋が有料化され、2022年にはプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が施行されました。いわゆる3Rのうち、日本は主にリサイクルに着眼しているように見えます。
 しかし、本来的には製造と使用をリデュース、つまり、プラごみの総量削減に注力しなければ、どんなに効率的なリサイクルをしても根本的な解決にはつながりません。
 もちろん、医療用品や衛生品など、生活に不可欠なプラスチック製品は多々あります。
 そこで、日本で廃プラの約半分を占める使い捨て容器包装のプラスチックに注目し、自治体単位でプラごみの総量を削減するにはどんなことができるか考えてみました。
 先日、視察で伺った武蔵野市では、2019年からそれまで毎週行っていたペットボトル、缶、びんなどの回収を隔週にした結果、年間42台の収集車両の稼働台数が減ったそうです。結果的に、CO2排出量が年間約19.7トン削減され、環境負荷を軽減しているとのことです。
 本市でも、ペットボトルの回収頻度の見直しはできないものでしょうか、お伺いいたします。
 また、学校給食のストローはどうでしょうか。全国では、バイオマス素材を配合したストローを利用したり、ストローレス牛乳パックを導入している自治体もありますが、本市の状況をお伺いいたします。
 これらの取組は大切ですが、これでは、まだプラスチック製品が必要という前提の努力にとどまっています。果たして、私たちはごみとなるものを生み出さない世界を創造することができるでしょうか。石器時代にでも戻るつもりなのかと叱られそうですが、今、世界の先進地では既に始まっています。
 プラスチックを含む製品の設計、生産、使用、リサイクル、廃棄の方法を変革し、循環型経済、サーキュラーエコノミーを推進する都市があります。
 オランダのアムステルダムには、3Rならぬ10Rという段階モデルがあります。重要度に沿って、拒む、再考する、減らす、何度も使う、直す、生まれ変わらせる、部分を生かして製品を作る、部分を生かして異なる製品にする、素材を使い回す、エネルギーを回収するの10項目です。10Rを徹底して、製品ごとにライフサイクルを追って、自治体が分析評価して、2050年までに完全な循環型都市に移行しようとしています。
 アムステルダムでは、食、生活必需品、エネルギー、衣類、建築資材に至るまで、循環型であること、つまり、ごみにしないことと同時に、価値の変革による雇用の公正な移行と脱炭素を推進し、人々が豊かで人生を満喫できる町を目指しています。10Rの視点を持つことで、これまで取り組んできた3Rでは見えてこなかった、解像度の高いごみ削減方策が見えてくるかもしれません。
 本市でも、今後プラごみ削減問題を考える上で、10Rという考え方を導入するのはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。
(市長答弁)
○市長(古川拓哉)(登壇) 渡辺議員さんの御質問にお答えいたします。
 プラスチックごみの削減についてでございます。
 アムステルダムの10Rモデルは、サーキュラーエコノミーの理念に基づき、従来の3Rをさらに発展させたものであり、本市のプラスチックごみ削減をより効果的に進める上で有益な視点を提供するものと考えております。
 本市では、令和4年度に策定した、にいはまプラスチック資源循環戦略において、3Rに加え、再生可能資源の活用を進めるリニューアブルの考え方を推進しており、さらに、設計や製造の段階から、不要なものを使わない、より環境に優しい素材を選ぶといった10Rの考え方を取り入れることで、より幅広い対策を講じることができると認識いたしております。
 今後におきましても、10Rの考え方も参考としながら、市民、事業者の皆様と連携したプラスチックごみ削減を推進してまいります。
(教育委員会事務局長答弁)
○教育委員会事務局長(竹林栄一)(登壇) プラスチックごみの削減についてのうち、学校給食のストローについてお答えいたします。
 本市の学校給食では、牛乳パックにプラスチックのストローをつけて提供しております。学校給食は、小学校低学年から中学校までと年齢が幅広く、現在の牛乳パックの形状では、ストローを使わずに牛乳が入っている状態で開ける場合や飲み方によっては、こぼれるおそれがございます。
 また、牛乳パックを開けるときに液体が飛散することによって、食物アレルギーのある児童生徒が吸い込むことや触れることなどによるアレルギー発症の心配もございます。
 こうしたことから、直ちにストローを廃止することは困難でございますが、植物由来のポリエチレンを用いた牛乳パックを採用するなど、環境に配慮した取組を現在も行っております。
(市民環境部環境エネルギー局長答弁)
○市民環境部環境エネルギー局長(近藤淳司)(登壇) プラスチックごみの削減についてのうち、ペットボトルの回収頻度の見直しについてお答えいたします。
 御提案のあった武蔵野市の事例については、回収頻度を隔週とすることで、収集車両の稼働台数を削減し、効率的な収集を実現したものと認識しております。収集頻度を減らすことで、効率的な収集の実現、収集運搬にかかるコストの削減効果が期待されますが、本市のペットボトルは武蔵野市と同様に、隔週で月2回の頻度で収集を行っており、これ以上に収集頻度を減らすことは、利便性の悪化、分別意識への影響等、懸念点が考えられます。
 しかしながら、御案内の家庭ごみ収集頻度の見直しは、家庭ごみの効率的な収集運搬に寄与するものと認識しておりますことから、ペットボトルに限らず、家庭ごみ収集量の推移を注視し、効率的な収集運搬を図るため、継続して検討を進めてまいります。
(再質問)
○3番(渡辺高博)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
 フランスでは2022年から、全ての小売業において、野菜と果物、約30種類のプラスチック包装が原則として禁止されました。これにより、年間10億個もの不要な包装を減らすことになりました。言うまでもなく、プラスチックの原料物質、つまり石油などは、ほとんど海外からの輸入です。原料高騰によるあおりは、直接製品の価格に上乗せされ、物価高騰につながっていることに気づいている方もいると思います。私たちは、プラスチック容器をいや応なく買わされながら、一方的に経済負担も負わされていることを改めて考えなくてはいけません。高度成長期の大量生産、大量消費の呪縛から脱却するためにも、私たちの生産、消費、廃棄の在り方を大きく転換するレベルが求められると思います。
 本市で既に行っている3Rについても、多くのエネルギーを使用し多くのCO2を排出するリサイクルよりも、リデュースとリユースに重きを置いた施策の検討をお願いするとともに、今回御紹介した10Rにとどまらず、より細分化した18Rという考え方もございます。
 いずれにいたしましても、市民と事業者の環境意識の上に成り立つものですから、より一層の啓蒙活動をお願いして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。