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(質問)
○ 次に移ります。人口減少対策としての女性活躍推進についてです。人口減少問題における、日本創成会議による、消滅可能性自治体の分析結果は、各自治体にとって、大きな衝撃でした。この判定に用いた唯一の基準が、20歳から39歳までの若手女性人口の減少率であり、向こう30年の20歳代、30歳代の女性が、50パーセント以上減少する自治体を列挙したものでした。
これを受け、各自治体は、若手女性の流出に歯止めをかけるため、女性活躍推進に注力をすることとなります。すなわち、多くの自治体が、2020年前後から、地方創生及び人口減少の深刻化を背景に、女性活躍推進の取組を通じて、女性人口、とりわけ、20歳代、30歳代の若手女性人口の確保が、地域の活性化、存続に不可欠であると捉え、女性に選ばれる地域づくりが、まちづくりの新たな潮流となっています。
自治体は、自らの庁内での女性活躍推進に加えて、域内の企業、団体における女性活躍推進にも取り組むことが期待されています。
多くの自治体の取組例としては、女性管理職の割合の向上、男性の育児休業取得率の向上、女性活躍推進に取り組む企業の認定増加などが挙げられます。
一方、国は、地方創生推進交付金などを活用して、自治体が実施している、子供を育てながら働きやすい職場環境の整備を支援しています。すなわち、若手女性の地域からの流出を防ぐには、女性が能力を発揮できる働きやすい、住みやすい地域づくりを進めることが重要であると考え、女性が、結婚、出産しても働き続けられる職場環境を構築することが急務であると判断しています。
新居浜市では、令和3年に、新居浜市特定事業主行動計画を策定し、5年間で成果を上げるとして、女性活躍推進が図られるよう、行動計画を策定し、その取組を公表しています。
この内容について、幾つか質問させていただきます。
まず、各目標値に対して、達成できていない項目をどのように評価していますか。
また、全体的に見て、各目標の達成度をどのように評価していますか。
各目標の達成状況から判断して、女性活躍推進についての効果は、どのように考えていますか。
さらに、この行動計画は、終盤にさしかかっていますが、今後の計画はどのように進められますか。
なお、本行動計画に記載されている、毎年、副課長以上の職員が、イクボス宣言を実施し、部下職員の仕事と家庭の両立を応援するとありますが、実施状況及び効果はどのようですか。
一方、市では女性活躍推進事業等認証事業所を展開し、女性活躍等に自主的な活動を積極的に取り組む事業所、団体を認証する制度があります。
この制度により、女性活躍の機運の醸成が図られており、これまで、22件の認証がありますが、近年は、減少傾向にあり、令和5年度は1件、令和6年度は0件と低調です。
制度の活発化について、検討が必要と思われますがいかがですか。
また、このほかの課題として、男女間の賃金格差の解消があります。新居浜市では、常勤職員における給与の差異は、86.7%となっており、原因は、役職の違いや、勤続年数の違いなどが挙げられますが、市としての今後の対応はいかがですか。
以上の取組のほか、女性活躍推進をさらに進め、女性に選ばれる地域づくりを進めるために、お考えがあれば御説明ください。
(総務部長答弁)
○総務部長(高橋聡)(登壇) 人口減少対策としての女性活躍推進についてお答えいたします。
まず、特定事業主行動計画の目標の中で、達成できていない項目の評価についてでございます。
6つの目標のうち、年次有給休暇の職員1人当たりの取得日数と5日未満取得者の割合の2項目が、未達成の状況でございますが、現計画を策定した、令和元年度との比較では改善傾向にあり、一定の前進が見られると評価いたしております。
次に、全体的に見た各目標の達成度についてでございます。
ワーク・ライフ・バランスを推進するための職場環境づくり、職員研修による意識改革などの取組を通じ、時間外勤務の削減や、休暇の取得率の向上等、全体として目標値達成に向けて前進している状況であると認識しております。
次に、女性活躍推進についての効果についてでございます。スキルアップやキャリア形成を目的とした研修の機会等を通じ、女性職員自身の意識改革を進めてきたことにより、女性管理職員の割合も年々上昇し、庁内外の会議等に女性が参加する機会が増え、組織としてより一層の女性活躍が図られているものと考えております。
次に、今後の計画についてでございます。
次期特定事業主行動計画におきましては、これまでの取組をさらに加速させ、職員の誰もが重要な人材として活躍できる職場となるよう、適切な数値目標を設定し、より実効性のある計画を策定してまいります。
次に、イクボス宣言の実施状況とその効果についてでございます。
今年度も、6月に各職場において宣言を実施し、このことにより、ワーク・ライフ・バランスを大切にする職員の意識や、職場風土が醸成され、結果として、有給休暇取得率の向上、男性の育児休業取得者の増加などにつながったものと認識しております。
次に、常勤職員における男女の給与の差異についての、今後の対応についてでございます。
職員の給与は、職責に応じて決定されるものでありますことから、差異を解消するためには、女性職員の管理監督職への登用を、さらに進める必要があると考えております。
ライフデザイン研修等の機会を通じて、キャリア形成の意識を高めるとともに、実際の業務の中で、女性職員がその個性を生かしながら活躍できる場を広げることで、男女間の差異を解消していくべきものと考えております。
(市民環境部長答弁)
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 女性活躍等推進事業所認証制度についてお答えをいたします。
本制度につきましては、男女が共に働きやすい職場環境づくりや、女性の能力活用に向けた取組を行う事業所を増やしていくために、市内の事業所に、制度活用をアプローチいたしておりますが、越智議員さん御指摘のように、認証数は伸び悩んでおり、令和7年2月末現在、認証累計事業所数は、22件となっております。
制度の活発化の方策ですが、令和5年度、新居浜法人会を通じて、事業所にアンケート調査を実施した際、ジェンダー平等に向けた取組の課題として、取組方法に関する情報が少ない、何から取り組めばよいか分からないと回答した事業所が多数ありましたことから、今後、商工会議所や法人会、経済団体等、関係機関と連携し、ホームページやSNSを通して、積極的に周知に努め、ジェンダー平等についての興味関心を高めていくことで、認証事業所の拡大に取り組んでまいります。
次に、女性に選ばれる地域づくりについてでございます。
女性に選ばれる地域には、いろいろなアプローチが考えられますが、まずは、女性が子供を育てながら、働きやすい環境づくりを進めること、さらには、女性の能力が発揮でき、女性が活躍できる場づくりを進めることが重要になるものと思っております。
このようなことから、働く子育て世代を支援する、大型ショッピングセンター内への地域子育て支援拠点施設の開設、また、若手・中堅女性リーダーの育成と女性の視点を生かしたまちづくりを目的としたにいはま女性ネットワークの活動等が、これまで女性に選ばれる地域づくりに貢献してきたものと考えております。
今後におきましても、子育て支援方策の充実、また、男女共同参画の社会づくりの取組を通じて、女性の能力が発揮できるまちづくりを進め、結果、女性の定住を促し、女性に選ばれる地域づくりにつなげてまいります。
(再質問)
○14番(越智克範)(登壇) 事業主行動計画の中に、女性職員を対象とした研修会への派遣とか参加を促す。それで、キャリア形成の支援を行うというふうに記載されていますが、この実績はいかがでしょうか。
また、男性の育児休業取得率が、やや改善されつつあると報告されましたが、これは例年低いんですけれども、改善策などはどんなふうに考えられてますか。
(総務部長答弁)
○総務部長(高橋聡)(登壇) 越智議員さんの御質問にお答えいたします。
2点あったかと思いますが、1点が、女性の研修への働きかけと言いますか、どういう状況であるかということと、もう1点が男性の取得率についての御質問であったかと思います。
順番が前後するんですけども、男性の育児休暇の取得率につきましては、制度がスタートしました頃は、年間の取得者が、ゼロとか2とか少ない状態が続いておりましたが、令和3年度以降ぐらいから2桁の数に伸びてまいりまして、令和5年度におきましては、人数にしますと15人、取得の延べ日数にいたしますと、63.5日というふうに、この3年、4年ぐらいで随分伸びてはまいりました。これは、原因といたしましては、制度が大分浸透してきたことと、やっぱり一番の不安が、給与がどうなるかとか、休んでいる間どうなるのかっていうところがあると思うんですけども、相談に応じる人事課の職員が、その取得の仕方について、言い方にちょっと語弊がありますが、有利な取り方についてのサポートを上手にしてきたということで、取りやすくなる環境が整ってきたものと考えております。
それから、女性の研修の参加につきましては、申し訳ございません、詳細なデータがございませんが、人事課の研修担当のほうからこまめに情報提供をして、こういう研修があるが参加してみないかというようなことで、参加できる方に、積極的に参加してもらっている状況にあると理解しております。
(再質問)
○14番(越智克範)(登壇) 女性活躍推進については、女性活躍推進法の改正案が、今国会に提出される予定です。
また、県の2024年度の意識調査でも、改善の遅れが浮き彫りになってるという報告もあります。
新居浜市は、乗り遅れないように、女性活躍推進に注力していただきたいというふうに思います。