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(質問)
○ 次に、孤独死と高齢者支援について質問をさせていただきます。
独居の高齢者の方が御自宅でお亡くなりになりました。発見されるまでに5日から6日ぐらいかかったようです。
現在、単身世帯の増加、働き方の多様化により、家族や地域、会社などにおいて人とのつながりが薄くなり、誰もが孤独・孤立状態に陥りやすい状況であり、孤独、孤立の問題が深刻化していると考えます。
お一人のときに人生の幕を下ろすことは誰にでも起こり得ることです。
そして、一人のときに助けを求めたいのに、助けを求めることができない状況に陥る方や発見されるまでに時間を要する方もいらっしゃいます。何より、孤独死を少なくするためには、一人一人を孤立させないことが重要と考えます。
内閣府は今年4月11日、自宅で誰にもみとられることなく亡くなり、生前社会的に孤立していたとみられる孤立死を初めて推計しました。その結果、2024年は2万1,856人が孤立死と発表があり、その中で男性が1万7,364人と8割を占めていることが分かりました。
警察庁がまとめた自宅で死亡した一人暮らしのデータを用いて、内閣府の有識者作業部会が推計したようです。自殺も含め、死後8日以上経過して発見されたケースを生前に孤立していたと強く推認されるとして、孤立死と位置づけましたと4月12日の愛媛新聞にて掲載されておりました。
政府をはじめ、関係機関が本格的に孤立・孤独対策に取り組まれていることが分かります。
そこで、1点目に、新居浜市の高齢者に対する、孤独・孤立対策の取組状況と、孤独死防止への取組についてお考えをお伺いいたします。
孤独・孤立対策推進法が令和5年5月に成立いたしました。この法案成立に関して、公明党も大変力を入れて推進してきました。
この法律は、国及び地方において総合的な孤独・孤立対策に関する施策を推進するため、その基本理念や国の責務、施策の基本となる事項、国及び地方の推進体制等について、定めたものです。
内閣府に対策推進本部を設置し、孤立・孤独対策重点計画を作成すること。また、地方公共団体は関係機関等により構成され、必要な情報交換及び支援内容に関する協議を行う孤独・孤立対策地域協議会を置くよう努めることとされています。
他市では、地区民生委員が単身高齢者の把握とともに見守りを実施し、対象者の転居や施設入所等により、対象から外れた場合や新たな独居高齢者が確認された場合には、独居高齢者異動連絡票により市に届出を行っており、単身高齢者の把握に努めているようです。
また、他市では、所得の低い独り暮らしの高齢者の方を対象として、生前にお預かりした費用により、亡くなった後の葬儀や納骨、家財などの処分を行う単身高齢者向けのサービスを実施し、単身高齢者の安心の確保につなげています。
御家族や親族が亡くなり、どなたともつながりが全くない方にとっては、行政は最後のとりでとなります。
そこで、2点目に、孤独・孤立対策地域協議会の設置はどのようになっていますか。推進状況と現在の課題についてお伺いします。
地域包括支援センターにつながっていない単身高齢者の方の見守りはどのようになっていますか。また、単身高齢者に向けたサポートについてお考えをお伺いいたします。
3点目に、孤独や孤立に悩んでいる人に寄り添い、適切な相談支援につなげることができるようにしていく必要があり、孤独、孤立に陥っても、助けを求める声が上げやすい地域づくりをどのように推進されているのかお伺いいたします。
(福祉部長答弁)
○ 次に、孤独死と高齢者支援についてでございます。
まず、本市の高齢者に対する孤独・孤立対策と孤独死防止への取組についてでございます。
現代社会において家族や地域とのつながりが希薄となる中、誰もが孤独や孤立になり得る状況があり、本市におきましても、孤独死の問題は重大な課題として深刻に受け止めているところでございます。
本市の取組といたしましては、独居高齢者見守り推進員活動事業として、見守り推進員による独居高齢者への定期的な訪問や電話連絡などを通じて生活実態の把握や早期の異変発見に努めております。
また、高齢者見守りネットワーク事業では、新聞販売店、電気・水道事業者、郵便局、金融機関、保険会社など、日常的に高齢者と接点を持つ事業者等と協定を結び、異変が確認された際には市へ通報が入り、迅速に安否確認等を行える体制を構築いたしております。
さらには、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるように、支部社協、民生委員、見守り推進員、自治会役員等を構成員とする地域ケアネットワークが地域包括支援センターや協力機関ブランチと協力して、地域における高齢者情報を把握し、高齢者が必要とする保健福祉サービス等の広報啓発活動を行うなど、地域の高齢者を孤立させない体制づくりを進めております。
次に、孤独・孤立対策地域協議会設置の推進状況と課題についてでございます。
孤独・孤立対策推進法により、孤独・孤立対策地域協議会の設置が努力義務とされておりますが、本市におきましては、現時点では設置できておりません。
本市の課題といたしましては、孤独、孤立に対応するための専用の相談窓口が未整備であり、福祉団体、ボランティア団体、医療など、地域の関係機関がケースごとに対応しているため、適切な支援体制の連携と強化が必要であると考えております。
今後におきましては、国のガイドラインや他自治体の事例などを参考にしながら、孤独・孤立対策地域協議会の設置に向けて、調査研究してまいりいます。
また、単身高齢者へのサポートにつきましても、総合相談権利擁護事業等において、個々のケースに応じた対応をいたしており、介護保険制度のサービス利用につなげるだけでなく、その人にとって本当に必要な支援が行えるよう、地域の関係者や関係機関からの協力を得ながら支援を行ってまいります。
次に、孤独、孤立に陥っても支援を求める声を上げやすい地域づくりについてでございます。
孤独や孤立に直面しても、助けを求めることができる地域づくりの実現には、住民一人一人がつながりを感じられる仕組みと環境づくりが重要と考えますことから、今後におきましても、民生児童委員や見守り推進員を地域の身近な相談相手として、孤独、孤立に悩む方の声をお聞きし、その情報を地域の関係団体等で共有することで、必要な支援につなげていくなど、誰一人取り残さない体制の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
(再質問)
○9番(河内優子)(登壇)見守りサポーターの取組状況について教えてください。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(久枝庄三)(登壇) 河内議員さんの再質問にお答えいたします。
見守り推進員さんの取組について教えてくださいといったような御質問かと思います。
見守り推進員活動事業につきましては、平成8年度から開始されておりまして、事業の実施につきましては、新居浜市の社会福祉協議会及び17の支部に業務を委託いたしております。
現在、見守り推進員は、70歳以上の在宅で生活する独居高齢者のうち、親族等による定期的な安否確認が困難と思われる方を対象者として見守っておりまして、10人に1人を目安に配置させていただいております。
おおむね週1回、対象となる独居高齢者を訪問、または電話をかけるなどして安否の確認を行っていただいております。
活動の実績につきましては、各支部社協及び社会福祉協議会本部から報告をいただいております。訪問時に異変を感じるような場合は、速やかに民生児童委員さんに連絡をしていただくことで、迅速な対応が図れるような体制となっております。
また、地区別に見守り推進員連絡会議を定期的に開催しておりまして、安否確認の結果や処遇困難ケースについて、見守り推進員を中心に民生児童委員さんや社会福祉協議会、地域包括支援センターの職員などが参加して意見交換など、情報共有を図っております。
(再質問)
○9番(河内優子)(登壇) 丁寧な御答弁ありがとうございました。
要望させていただきます。
孤独死と高齢者支援に関して、助けを求めやすい地域づくりの推進をお願いいたします。