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(質問)
○8番(井谷幸恵)(登壇) 日本共産党の井谷幸恵です。
初めに、いのちのとりで裁判最高裁判決についてです。
判決の受け止めと影響、生活保護世帯の実態調査を伺います。
2013年から2015年にかけて、国は生活保護基準を平均6.5%、最大10%、年間削減額約670億円を引き下げました。史上最大の引下げです。
前年に行われた総選挙で、民主党から政権奪還を目指した自民党が、生活保護費の1割カットを公約していたものです。
引下げに対し、全国の29の都道府県で1,000人以上の生活保護利用者が、国と自治体を相手に提訴しました、いのちのとりで裁判です。10年余りたち、原告230人余りが亡くなられています。
今年6月、最高裁判所は、厚生労働大臣の判断過程に過誤、欠落があり、違法と判断し、生活保護費削減の処分を取り消しました。
国の生活保護行政は、個人の尊厳、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を侵害し続けたことを厳しく断罪した画期的判決です。
それにもかかわらず、国は違法とされたデフレ調整4.78%の代わりに、新たな引下げ2.49%の削減を行います。生活保護利用者には、差額として約10万円を支給。原告には、特別給付金10万円を上乗せします。差をつけたことに対し、自分のためだけに原告になったわけじゃないと多くの原告は語っています。平等原則に反します。原告らへの直接謝罪と生活保護利用者全員への全額補償が求められています。
また、生活保護基準は、ナショナルミニマム、国の最低限度保障と呼ばれているとおり、国民生活を守る47の制度と連動しています。最低賃金の額、就学援助費の支給基準、地方税の非課税限度額、高額医療費の自己負担限度額などと連動しているということです。これらへの影響を調査し、損害を回復することも求められます。
もともと十分でないのに、2013年からの大幅引下げとなりました。保護利用者の暮らしは、大変厳しいものがあります。憲法25条にある、健康で文化的な最低限度の生活が送れているのでしょうか。1日2食、風呂は1週間に二、三回、冠婚葬祭など親戚や御近所付き合いができず、引き籠もっているなどとお聞きします。
そこで、お伺いします。
1点目、この最高裁判所判決を市はどのように受け止めていますか。
2点目、保護基準引下げの対象になった人は、本市にはどのくらいいますか。
3点目、保護基準に連動する制度は、本市ではどのようなものがありますか。主な制度を示してください。どのくらいの人が影響を受けているのでしょうか。
4点目、生活保護世帯の実態調査の必要性について、どのようにお考えでしょうか、お尋ねします。
山梨県が生活保護の実態調査を行い、結果を公表しました。1日1回以下の食事14%、1週間に1回の入浴29%、親族の冠婚葬祭にほとんど、全く出席しないが58%、外食はほとんど、全くしないが76%です。
暮らしの状況が大変苦しいと答えた人が増え、連絡を取る人がいないなどの孤立化も進んでいる状況が分かったとのことです。憲法25条とは程遠いことが明らかになりました。
本市でも実態調査をしっかりと行い、物価高に見合うよう生活保護基準を上げるなど、国に対して要望していく必要があるのではないでしょうか。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(久枝庄三)(登壇) 井谷議員さんの御質問にお答えいたします。
いのちのとりで裁判最高裁判決についてでございます。
まず、判決の受け止めと影響についてお答えいたします。
生活保護制度は、国が定めた制度を地方自治体が法定受託事務として実施しておりますことから、今回の判決につきましても、今後の対応について、厚生労働省から愛媛県を通じて具体的な方針が示されましたら、その内容に応じた対応をいたします。
次に、生活保護基準引下げの対象人数についてでございます。
平成25年から現在までの間に、お亡くなりになった方や生活保護から自立された方もいることから、正確な数字を上げることは困難でございますが、平成25年8月1日時点における本市の生活保護受給者は、1,053人となっております。
次に、保護基準に連動する制度についてでございます。
本市では主なものといたしまして、介護保険料、保育料、障害福祉サービスの利用者負担上限月額、国民年金保険料の減免等が挙げられます。
影響を受ける人数につきましては、様々な制度がございますことから、その人数を上げることは困難でございます。
次に、生活保護世帯の実態調査についてでございます。
生活保護世帯の実態調査につきましては、各地区担当ケースワーカーが保護受給世帯ごとに、訪問による生活実態調査を実施しており、食事の回数、睡眠、買物、通院状況、親族との交流などについて確認をいたしております。
保護基準等の引上げにつきましては、国が5年に1度基準改定を行っており、本市といたしましては、県の指導監査の際に実態調査の状況を報告することで、県を通じ国に実情をお知らせいたしております。
(再質問)
○8番(井谷幸恵)(登壇) ありがとうございました。
日本の生活保護の捕捉率、利用する資格のある人のうち実際に利用している人の割合は15%から20%で、世界では6割から9割程度の国が多い中、かなり低いです。
生活保護は権利であることをもっともっとアピールする必要があると思いますが、市長のお考えをお聞きします。
(福祉部長答弁)
○福祉部長(久枝庄三)(登壇) 井谷議員さんの御質問にお答えいたします。
生活保護の捕捉率が、日本は少しほかの国に比べて低いというようなことで、生活保護が権利であることをもっともっと啓発してはどうかということかと思います。
生活保護の申請の権利につきましては、生活福祉課で作成しております保護のしおりに掲載しておりまして、また、生活に困窮している人からの相談につきましては、お困り事に対して丁寧な聞き取りを行うなど、寄り添った対応をさせていただいております。
生活保護申請の意思が確認できましたら、申請を直ちに受理するというような形で対応しておりまして、今後におきましても、生活に困窮している方に対して、安心して相談を受けていただけるような環境づくりに努めてまいります。
(再質問)
○8番(井谷幸恵)(登壇) ぜひ、よろしくお願いいたします。
いのちのとりで裁判にいたしましても、当事者の思いをよく聞いて、国においては決断していただきたいと思います。