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「銅山峰のツガザクラ群落」が国天然記念物に指定されました

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ページID:0063503 更新日:2019年2月26日更新 印刷用ページを表示する
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「銅山峰のツガザクラ群落」が国天然記念物に指定されました

平成31年2月26日、銅山峰一帯に自生している高山植物ツガザクラが、「分布南限に当たる良好な自生地であり、植物地理学的、生態学的、遺伝学的に価値が高い」として、国の天然記念物「銅山峰のツガザクラ群落」に指定されました。
なお、市内の国天然記念物指定は「一宮神社のクスノキ群」に続き市内2番目、県内では14番目の指定となります。

「ツガザクラ」とは

ツガザクラはツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木で、樹高は低く10~20 cm、5月中旬から下旬にかけて、枝先に数本の花茎を立て、先端に一個の淡紅色の小さな花を横向きにつけます。花は釣鐘型で長さ6~7 mm、縁は浅く5裂します。葉の形がツガ(栂)の葉に似ており、花の色がサクラに似ていることから名付けられたと言われています。
ツガザクラ

ツガザクラが銅山峰に自生している理由

ツガザクラは主に東北地方中部から中部山岳の標高約2500メートルの高山帯に自生していますが、銅山峰は国内の生育地の南限帯の中心であり、しかも標高約1300メートルという低山であるにも関わらず他に類を見ない規模の群落を形成しています。四国内でさらに標高の高い石鎚山(標高1982メートル)や剣山(標高1955メートル)にはツガザクラは見られず、四国では銅山峰を中心とする一帯だけに生育しているものです。
平成19年に実施したDNA分析の結果、銅山峰のツガザクラは約80万年前の氷河期に日本列島に到来したものの生き残りと推定されています。高山植物がこのような低山に残った理由として、「やまじ風」の強風が吹き抜ける気象環境や砂礫(砂や小石)質の土壌といった独自の環境が、ツガザクラの植生に味方したものと考えられています。
ツガザクラ群落

ツガザクラのより一層の保護を

平成9年に住友林業株式会社、住友金属鉱山株式会社、住友共同電力株式会社、新居浜市(旧別子山村を含む)の4団体によって「ツガザクラ自然保護協議会」が結成されました。新居浜南ロータリークラブからの寄付金を元に保護柵を設置し、地元の登山愛好家グループ「憧山会」が中心となって定期的なパトロールや定点観察などの保護活動を続けています。また、近年では新居浜南高等学校ユネスコ部も保護活動の担い手として精力的な活動を行うなど、次代への継承も着実に行われています。
今回の国指定においては、ツガザクラそのものが持つ希少な高山植物としての価値に加え、市民、企業、学校、行政が広く連携し、市を挙げての保護意識が定着していることも高い評価を受けています。今回の国指定を機により一層の保護を図り、貴重な文化財であるツガザクラを後世に伝えていきましょう。
ツガザクラの保護活動