本文
救急手当の方法としてよく知られているのが人工呼吸や心臓マッサージ(心肺蘇生法)です。しかし、これだけで機能を失った心臓(心室細動:心臓の筋肉が不規則にブルブルと震え、全身に血液を送り出すポンプの役割を心臓が果たせない状態)を正常な状態に復活させるのは難しいことです。酸素を全身へ運ぶ血液の流れを再開させるためには、一刻も早く除細動器と呼ばれる装置で心臓に電気ショックを与える必要があります。このときに使用されるのがAED(自動体外式除細動器)です。AEDは不規則に動いている心臓を電気ショックにより正常なリズムに修正する装置です。このAEDの使用はこれまで医師・看護師・救急救命士などにしか許可されていませんでしたが、2004年7月より、AEDの使用が一般市民にも認められるようになりました。
心停止後、1分除細動器が遅れるごとに7%~10%救命率が減少すると言われています。脳障害を起こさずに救命するためには、心室細動に対して心停止後5分以内にAEDによる早期除細動を行うことが必要です。 もし、AEDが身近にない場合には、AEDが到着するまで心肺蘇生法を行うことにより、除細動を8分以内に行うことができれば救命率50%を期待することができます。
1 電源を入れる フタを開けるだけで電源が入るタイプと電源ボタンを押すタイプがあります。 | 2 パッドの貼り付け パッドは右胸の上部分と左わき腹付近に貼り付けます。このときに体に水濡れがあれば拭き取り、湿布薬があればはがしてから、しっかりと貼り付けます。(*体毛があれば強く胸に押し付ける。ペースメーカーがあれば2cmくらい離して貼る) |
3 音声ガイダンスに従って パッドが貼れたらAEDによる心電図の解析が始ります。そのガイダンスに従い操作し「充電中です」と言ったら放電準備に入ります。周囲を確認して自分も含めて傷病者に触れてないことを確認します。 | 4 放電します 「放電してください」のガイダンスが流れたら、もう一度周囲を確認し、放電スイッチを押します。放電後もガイダンスが流れます。その後の音声指示に従って次の行動に移ってください。 |